虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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二章 誘拐と叛逆

35.組織的

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「さて、と。とりあえずマーテルロ家のことを教えてもらおうか」

黒い先輩はーー正しくは黒かった先輩は言いました。
彼は、先ほどの黒尽くめの装備を解除して、普段着のようなラフな格好になりました。
顔も全く隠していません。
私に覚えられてしまう不安はないのでしょうか。

ちなみに、妹様は別室というか、別古屋に転がっています。
拘束状態はそのまま、
つまりは手も足も口も出ない状態です。
おトイレはどうするのでしょうか。
若干不安で、
ちょっぴり楽しみな事案ではありますが。

黒い後輩さんは、気分が悪くなったようで休んでいるようです。
妹様の見張りでも行ったらどうしようかと思いましたが、そこは大丈夫なようです。
幸運です。

「何から話しましょう?歴史?能力?資産情報?現在の家族構成?質問がオープンすぎて、絞れません」

「そいつは済まないな。俺も尋問は慣れてなくてな。そもそも、名家の娘の強奪も始めてだ。金持ち相手はいくつかやったが、名家、それもマーテルロ本家なんて計画すら立てたことがなかった」

「では、なぜ今回やったんですか?」

逆質問をします。
本当は良くないですが、この人なら、多分問題ないでしょう。
そういうことを気にする性格には見えません。

「報酬金額が魅力的だったことと、物資の提供があったからな。だから、ある意味の大博打、だ」

「なるほど、ではあなた方の後ろ盾に何かある、ということですね」

「そういうことだ」

それは、あまりよろしくないですね。
勝利条件が揺らぎます。
ただのやり手の誘拐犯、ではなく組織的協力を受けている。
となれば、逃げ出すことは困難。

物資、というのはあの動く謎の箱や黒い装備品のことでしょう。
あんなものの存在、聞いたことも読んだこともありません。
他領の技術、なのでしょう。
少なくとも、マーテルロ家の窓から見える世界にはありませんでした。

「じゃあ、順番に聞こう。興味のあることから、順番にな」

「お願いします」

「あの少女、フォルテシアとは何なんだ?どうして、娘として認知されていない?」

いきなり本題が来ました。
私は、頭の中で物語を構成、確認、試行します。
そして、口を開きます。
さぁ、朗読会の始まりです。
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