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二章 誘拐と叛逆
47.武装動物兵
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「おいおいおい、おいおいおいーーおいおいおいおいおい、あれは何だよ!」
「私にも分かりません。武装動物なんて、噂には聞いてましたけど、あんな感じなんですか?」
外を覗きながら、2人が叫んでいます。
武装動物……ということは、間違いなくマーテルロ家の強襲部隊。
私も直に見たことはありませんが、存在していることは知っていました。
「いや、移動手段としての動物利用なら、俺たちだって経験も知識もある。だが、あれは何だ?最早兵団じゃねぇか?あの猿、剣とか槍とかーー弓まで持っているやつもいる」
「おい、お前!あれが何か分かりますか!?」
黒い後輩さんが私に尋ねます。
何か分かったところで、どうにもならないと思いますが。
まずは何をするか、その行動選択の優先順位の決定が大事でしょう。
籠城か、
撤退か、
戦闘か。
どれを選んでも、死あるいは苦痛、はたまたその両方について、早いか遅いかの違いしかないとは思いますが。
私を人質にして籠城を選べばジリ貧でしょうし、
あの謎の箱で撤退をしても、どこかで追いつかれて終了でしょうし、
戦闘を行えば、物量差で押しつぶされる。
ーーこの人たちに、先はない。
支援していると言っていた黒幕は気になりますが、この状況はその助けを待つ暇を与えてはくれないでしょう。
となれば、今考えるべきは、私がどう生き残るか。
妹様亡き今のマーテルロ家での扱いに期待をかけるか、というところですかね。
「地面に伏せていては視界が悪いです。大方、予想はつきますが、ちゃんと見て確認しないと、確実なことは言えません」
「面倒な奴だなっ!」
舌打ちしつつ、黒い後輩さんは私の首根っこを掴み、扉の隙間部分へと連れて行きます。
縦長の視界に映る世界。
犬さんに騎乗した、武装したお猿さん。
嘴を鋭利に研がれた、鳥さん。
空と大地の戦力。
それぞれ、15~20。
……いや、違いますね。
その背後に、馬さんに乗った多数の人の姿が見えます。
武装動物はその先遣隊、といったところでしょうか。
「お前を追って来たんだよな、あいつらは」
「間違い無いでしょうね。どういう原理でこの場所が分かったのかは不明ですが、あんな部隊を持っているのは我が家くらいなものでしょう」
そこだけは分かりかねます。
いくら犬さんたちの嗅覚が優れているとはいえ、これだけ離れてしまえば追跡は不可能なはず。
血の匂いと言っても、その索敵範囲は限度があるはずです。
不用意に家出を計画しなくて、良かったです。
また一つ、勉強なりました。
身をもって。
「ど、どうします、先輩?」
「焦るな、状況は悪いが最悪には程遠い。利用できる『モノ』もいくつかあるからな」
黒かった先輩さんは、扉から離れ妹様のところへ向かいます。
既に命が終わった、妹様のところへ。
「俺は正直、呪いとかそういうの、あまり信じないタイプでね」
そう言って、刃物を妹様の腕に突き立てます。
振動で、彼女ーー彼女だった体が震えます。
「さっきの嬢ちゃんの話が本当なら、嬢ちゃん自身にやってもらいたいが、時間が足りねぇ。解体作業は女には……お嬢様には時間がかかるからな」
ざくり、
ざくり、
ざくり。
「死んじまったなら仕方がねぇ。最大限利用させてもらう」
黒かった先輩は、妹様の濁った血を浴びながら言います。
取り急ぎ、切り取った右腕を見つめながら。
「私にも分かりません。武装動物なんて、噂には聞いてましたけど、あんな感じなんですか?」
外を覗きながら、2人が叫んでいます。
武装動物……ということは、間違いなくマーテルロ家の強襲部隊。
私も直に見たことはありませんが、存在していることは知っていました。
「いや、移動手段としての動物利用なら、俺たちだって経験も知識もある。だが、あれは何だ?最早兵団じゃねぇか?あの猿、剣とか槍とかーー弓まで持っているやつもいる」
「おい、お前!あれが何か分かりますか!?」
黒い後輩さんが私に尋ねます。
何か分かったところで、どうにもならないと思いますが。
まずは何をするか、その行動選択の優先順位の決定が大事でしょう。
籠城か、
撤退か、
戦闘か。
どれを選んでも、死あるいは苦痛、はたまたその両方について、早いか遅いかの違いしかないとは思いますが。
私を人質にして籠城を選べばジリ貧でしょうし、
あの謎の箱で撤退をしても、どこかで追いつかれて終了でしょうし、
戦闘を行えば、物量差で押しつぶされる。
ーーこの人たちに、先はない。
支援していると言っていた黒幕は気になりますが、この状況はその助けを待つ暇を与えてはくれないでしょう。
となれば、今考えるべきは、私がどう生き残るか。
妹様亡き今のマーテルロ家での扱いに期待をかけるか、というところですかね。
「地面に伏せていては視界が悪いです。大方、予想はつきますが、ちゃんと見て確認しないと、確実なことは言えません」
「面倒な奴だなっ!」
舌打ちしつつ、黒い後輩さんは私の首根っこを掴み、扉の隙間部分へと連れて行きます。
縦長の視界に映る世界。
犬さんに騎乗した、武装したお猿さん。
嘴を鋭利に研がれた、鳥さん。
空と大地の戦力。
それぞれ、15~20。
……いや、違いますね。
その背後に、馬さんに乗った多数の人の姿が見えます。
武装動物はその先遣隊、といったところでしょうか。
「お前を追って来たんだよな、あいつらは」
「間違い無いでしょうね。どういう原理でこの場所が分かったのかは不明ですが、あんな部隊を持っているのは我が家くらいなものでしょう」
そこだけは分かりかねます。
いくら犬さんたちの嗅覚が優れているとはいえ、これだけ離れてしまえば追跡は不可能なはず。
血の匂いと言っても、その索敵範囲は限度があるはずです。
不用意に家出を計画しなくて、良かったです。
また一つ、勉強なりました。
身をもって。
「ど、どうします、先輩?」
「焦るな、状況は悪いが最悪には程遠い。利用できる『モノ』もいくつかあるからな」
黒かった先輩さんは、扉から離れ妹様のところへ向かいます。
既に命が終わった、妹様のところへ。
「俺は正直、呪いとかそういうの、あまり信じないタイプでね」
そう言って、刃物を妹様の腕に突き立てます。
振動で、彼女ーー彼女だった体が震えます。
「さっきの嬢ちゃんの話が本当なら、嬢ちゃん自身にやってもらいたいが、時間が足りねぇ。解体作業は女には……お嬢様には時間がかかるからな」
ざくり、
ざくり、
ざくり。
「死んじまったなら仕方がねぇ。最大限利用させてもらう」
黒かった先輩は、妹様の濁った血を浴びながら言います。
取り急ぎ、切り取った右腕を見つめながら。
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