虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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三章 領主と領民

73.成れの果て

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明かりを灯し、空間に光を与えます。
柔らかな暖色系の光が、闇を追い出します。
彼女の姿がはっきりと見えていきます。

目が慣れていると言っても、色彩までははっきりしません。
モノクロの世界がカラーに彩られていきます。
視界の技術革新です。
けれど、その光景はあまり良いものではありません。
あくまで、一般論として、ですけれど。

ボロボロにはだけた衣服、
ボサボサに痛んだ髪、
新旧入り混じった傷の数々、
赤と黒の血の跡。

かつての黒かった後輩さんの姿は面影どころか見る影もなくーー
そこには酷い扱いを受けた犯罪者の姿しかありませんでした。

「お久しぶりです。レオリーゼさん」

私は彼女の名前を呼びます。
彼女は声と姿から、私が何者なのかを把握したようです。
拘束された鎖をガシャリガシャンと揺らし、怒りを露わにします。

「お前はオルコット=マーテルロ!」

あ、彼女の前では既にその名前でしたね。
ばたばたしていたので忘れていました。
けれど、フォルテシア→オルコットへの名前変更のくだりを説明しなくていいのは良いですね。
時間短縮です。

「何をしに来た!私を笑いにきたのか?」

ガシャンガシャン。
絶望に打ちひしがれ、
希望を失い、
力なく鎖に繋がれていた。
そんなさっきまでの姿はどこへ行ったのでしょう。

傷だらけでも、元気凛々。
流石は天才肌のレオリーゼさん、切り替えも早いですね。
けれど、私も負けてはいません。
彼女の気力を与えるほどの憎しみを思い出させることができたのですから。

「それとも、お前も拷問しに来たのか?殺されかけた恨みを晴らしに来たのか?」

そういえばそうでした。
彼女との別れ際、私は殺されかけていましたね。
首絞めは家族間スキンシップ、あるいは教育的指導、はたまたストレス解消の一つとして分類されていたので忘却していました。
あれほどの明確な殺意を忘れてしまうとは、いけませんね。

「あるいは、殺しに来たのか?」

そういえば彼女はどこまで話したのでしょうか?

私が妹様を殺害したことは、話したのでしょうか?

妹様と私を誤認させたことは、話したのでしょうか?

さてさて、どうなのでしょうか。
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