虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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四章 呪いと反乱

84.閑話 奇跡と呪いについて

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奇跡、それは人の力では到底成し遂げることのできない事柄。
それは、石や砂といったものから食べ物を生み出すことであったり、
例えば、一度死んで蘇ることであったり、
あるいは、謎の病を摩訶不思議な力で治すことです。

詰まる所、原因と結果の相関性を上手く説明できない手段で解決することができれば、それを人は奇跡と呼びます。
補足すると、それが好ましくない事柄と繋がる時、言葉を変えて『呪い』と呼びます。

奇跡を起こすものは聖者や天使、終には神と呼ばれます。
呪いを呼ぶものは厄介者や悪魔、時々疫病神と呼ばれます。

結局、どちらも神になるんですよね。
不思議です。

ーー閑話休題。
私は自室に戻り状況を整理します。
病に罹った方々の症状、性別、年齢、境遇、生活習慣……エトセトラエトセトラ。
羅列された情報を、別の紙に分類して記録していきます。

この病、過去のマーテルロ家の歴史を紐解いても、類似のものはありませんでした。
街のお医者さんも、一族専属のお医者さんも原因を追求していますが、成果は出ていません。
どこから来たのか、
どうして来たのか、
全く不明な病。
理解できないから『呪い』の一言で思考放棄してしまう方々もたくさんいます。
可哀想に。

叛逆することを諦めてしまえば、そこで戦いはお終い。
頑張って死んでも、
頑張らずに死んでも、
それはどちらも同じ死。
まだ生きているというチャンスが与えられているのなら、戦えばいいのに。

知恵を絞り、
手に力を込めて、
呪いの首元を締め上げればいいのに。


ーー閑話休題、改めて。
いけません、感情が昂ぶっているようです。
思考が揺らいでいます。
過去の自分と重なるようで、
妹様を出しぬき、この手で殺した時を思い出してしまいました。
彼女の命を奪ったこの手が握るのは、ただのペン。
それは、領民の命を救うために動かされています。
皮肉な話です。

いえ、違いますね。
滅ぼすために救うのですから、
皮肉といばなのはそこの部分。

結局、私の両手は救うよりも奪うためにあるんでしょうから。
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