虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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四章 呪いと反乱

90.胸の高鳴りと病

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時間は傷を癒し、
富は外傷を塗り消します。

随分と小綺麗な姿になりました。
妹様も、少し経てばこのような感じになっていたのでしょう。
中身は我儘なままだったかもしれませんが。

けれど、こうして見れば私も捨てたものではありません。
そこそこに、
自分で言うのもアレですがそれなりに、
物語のヒロインを演じる程度の外見は、持っているように感じます。

自画自賛、と言うと言葉は悪いですけれど。
こうして、化粧や衣装や被り物で整えれば、ある程度は観れる外見のようです。

ーーですが、もし私もお父様たち同様、病に冒されていたとするならば、この姿を保ち続けることは容易ではありません。
呪われたように朽ち果て、
呪いの少女に逆戻り。

確かめる手段はありません。
この胸の高鳴りのような異変が、何によるものなのか判断することはできません。
ならば、受け入れるしかありません。
受け入れた上で、行動を続けるしかありません。

気にしたところで、
悩んだところで、
現実は何も変わりません。
自身の感情や願いが、現実に干渉しないという事実は痛いほど知っています。
この身にしみて、痛みと共に。

だから、私は今できることをします。
生きている今を続けるために、
生活に支障が出ない状態で症状が止まっているうちに。

今できる最善手を打つのです。
私はお風呂に入り、
歯を磨き、
体を伸ばし、
灯を消して。

「おやすみなさい」

ベットに入ります。
睡眠、それが今の最善手。
下手な思案をするならば、すぐに寝ろ。
書物にもありました。

起きる頃には、この鼓動が正常に戻っていることを願って。
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