【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

守屋海里

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4章:十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、最愛の人が出来ました!

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 美味しい昼食を食べて、寝室に向かう。ニコロも一緒にミサンガを編むみたい。リアも誘ってみたら「行きます!」と笑顔で言ってくれた。なので三人でもくもくとミサンガを編んでから中庭へと向かった。

 ちなみにリアの作ったミサンガはとても複雑な作りだった……。楽しそうに編む姿を見て、教えて良かったなぁと思った。中庭にはリアも一緒に来てくれた。ニコロはもちろん一緒だ。



「あ、ここも暖かいんだ……」



 中庭に到着して思わず呟く。おれがそう言うのが意外だったのか、ニコロとリアはじっとおれを見た。な、なんでこっちを見るんだろう……? そう思ってふたりを見ると、「気付いていませんでしたか?」とリアが首を傾げた。



「てっきり屋敷内だけだと思っていたからさ……」

「範囲がこの屋敷全て、ですので、門を出るまでとても快適な気温や湿度ですよ」

「マジか、魔石の屋敷すごい……」



 ニコロとリアは顔を見合わせて、それからふたりして肩をすくめて「そうですね」と同時に言った。

 まぁ、それはともかく、この中庭をぐるりと一周してみようっと。花壇に囲まれて綺麗だ。色んな種類の花が咲いている。植物は詳しくないからどれがどの花かはわからないけれど、こうやって見回るのは結構好きだ。

 そんな感じで中庭を見回り、のんびりと散歩を楽しんでいるとリアが「そろそろ仕事に戻りますね」と行ってしまった。休憩中だったのか、付き合わせちゃったかな、とも思ったけど、彼女はぽんぽんとおれの頭を撫でてくれたから、とりあえず気にしないでおこう。

 ぐるぐると中庭を歩いていると、ルードの姿が見えた。今日は早いみたい。



「ヒビキ、今時間良いかい?」

「お帰りなさい、ルード。大丈夫ですよ!」

「では、ちょっと付き合ってくれないか。宝石店から連絡があった」



 指輪頼んだってついこの前じゃなかったっけ……? おれが目を瞬かせるとルードはおれに手を差し出す。その手を取っておれとルードが歩き出すと、「俺はどうしますか?」とニコロが聞いてきた。ルードは足を止めて考えるように視線を巡らせると、ニコロに向けて「今日はいい。あとは好きにしてくれ」と言った。



「かしこまりました、気を付けて行ってきてくださいねー」

「ああ、行ってくる」

「行ってきまーす」



 ルードはワクワクしているのかちょっと早足だ。でもね、ルード、おれとルードの身長差で歩くのが早いと、おれは小走りになるんだ。くいっとルードの手を引っ張ると、それに気付いて歩くスピードを緩めてくれた。



「すまない、気が急いて」

「い、いえ……大丈夫です。でも、宝石店は逃げませんし、ゆっくり行きませんか?」

「……そうだな」



 そう言ってルードは柔らかく微笑んだ。おれの歩調に合わせてくれて、本当にゆっくりとこの場所を散歩するかのように歩いていく。歩いて一時間もしないうちに宝石店についた。案外近いのか、近道があるのかはわからないけれど、ルードは迷わず宝石店に向かって行ったから、場所をきちんと把握できているんだろう。

 ちなみにおれは地図を見ても迷うから、場所を覚えるまで姉と一緒に何度もその場所に行ったなぁ……。姉からは「なんでそんなに迷うの?」と呆れられた記憶がある。



「指輪がもう出来たんですか?」

「魔石に魔力を込めるだけ。どんな色になるのか楽しみだ」



 ああ、魔石の用意が出来たのか。どんな色になるか――か。本当にどんな色になるんだろう。ちょっと楽しみになって来た。宝石店の中に入ると、すぐに店員さんがやって来て奥の部屋へと案内してくれた。



「お待ちしておりました。こちらが魔石となります」



 そう言って取り出したのは小さな黒い魔石。これに魔力を込めれば良いのかな? とじっと見つめる。



「手を翳して魔力を込めていただくと、色が変化します」



 おれとルードはそれぞれの魔石に手を翳して魔力を込める。一瞬部屋に光が満ちてすぐに消えた。見ると、魔石の色が本当に変わっていた。成功した……のかな? 翳していた手を引いてじっくりと見てみる。ルードのは彼の瞳と同じ空色になり、おれのは……ころころ色が変わる面白い魔石になった。……この色たち、見覚えあるぞ。おれに力を貸してくれる精霊さんの色だ。



「ヒビキらしい」

「ルードらしいですね」



 それぞれの石を見た感想。同じようなことを思っていてふたりで笑い合ってしまった。それを微笑ましそうに見守る店員さん。



「私が魔力を込めたものをヒビキに、ヒビキのものを私の指輪に仕上げて欲しい」

「かしこまりました。職人と掛け合い全力を尽くします」

「ああ。頼む。……それでは、ヒビキ、行こうか」

「あ、はい!」



 店員さんに「ありがとうございました」と見送られておれらは宝石店を後にした。まさかあんな風になるとは思わなかった。七色に光る指輪を身につけるのかなルード。



「ヒビキはやはり愛されているな、精霊に」

「え?」

「普通なら私のように一色だけ、その者が得意な魔法に近い色が出る」



 私の込めた石は水色だったろう? と微笑むルードに、さっきの魔石を思い出しておれはルードの腕に自分の腕を絡めた。――とても綺麗な、透き通るような空色。魔法の属性というよりは、あれはルードの心の色なんじゃないかと思うくらい、清く澄んでいた。



「良く知っていますね」

「本に書いてあった」



 ……そう言えばルードは読書家だった。魔石についての本を読んだのかな。おれ、まだあの屋敷の本も全部読めていないんだよなぁ……。



「あっ! そう言えばルード、今度の休みはいつですか?」

「休み? どこかに出掛けたくなった? もぎ取ってこようか?」

「いえ、ルードの都合に合わせるので……。その、あの部屋に家具が欲しくて。一緒に見に行きたいなぁと思って……」

「……それは……、デートのお誘い、と見ても良いのかな?」



 いたずらっぽく笑うルードに、おれは目を数回瞬かせて、それから満面の笑みを浮かべて「もちろんです」と答えた。

 ルードは嬉しそうに目元を細めておれを見て、それから上機嫌そうに口端を上げた。……おれがどこかに行きたいって言うのが珍しいからだろうか。



「じゃあ、すぐに休みをもぎ取って来るから」

「もぎ取らなくても良いので、仕事は優先してください……」



 多分、あの中で一番大変なのはヘクターさんなんじゃないかなぁとこっそり思う。おれがそう言うとちょっと残念そうに肩を落とすルード。そう言うところ、可愛いよなぁ。



「それに、日にちがわかればその日が楽しみに出来ますし」



 こういうのもデートの醍醐味なんじゃないかって思うけど、そもそもルード以外の恋人が居たことがないから全て想像だ。でも、絶対ワクワクするしドキドキすると思う。だって、誕生日の時がそうだったから。

 あの一週間の休みの日、王都観光出来るのも楽しみだったけれど……一番はルードをずっと独り占めできるのが嬉しかったのかもしれない。……おれって思っていたより独占欲あったのかな。



「……なるほど。では、明後日にしよう。明日、明後日の分の書類まで片付けるから」

「え、大丈夫なんですか、それ……? 無理や無茶はしちゃダメですよ!」

「平気平気。ああ、でも……もしも体調が崩れたらヒビキに看病して欲しいな」

「そりゃおれで良ければしますけど……、看病レベルはかなり低いので覚悟していてくださいね……!」



 元気なのが一番だけどさ。万が一ルードの体調が崩れたらちゃんと看病出来るように、リーフェたちに聞いたほうが良いのかもしれない……。



「とは言え、私はここ数年風邪のひとつも引いたことないんだけどね……」

「それは素晴らしいことなのでは……?」



 なんで残念そうに言うんだろう……。髪の毛切った後は眠そうにしていただけだったもんなぁ……。具合が悪そうなルードの想像がつかない……。
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