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season2
114話:アタックオブザ・ギラギラパンツ
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その日ワタクシはアンティークの店「蜃気楼」の店内で、東洋の魔術書を読んでいました。
「……これは興味深い。一時的に物に命を宿す魔術ですか」
日本には付喪神と言って、長い年月を経た道具などに精霊や神が宿って動き出したり喋ったりするようになる、という伝承があります。
どうやらこの魔術は、それと似たようなことを年月に関係なく強制的に行う魔術のようです。
「もし、物に命が宿るとしたら、どんな物がいいですかねぇ」
ワタクシは、店内をぐるりと見渡しました。この店には、古今東西の珍しい道具がたくさんあります。
ただのアンティークだけではなく、中には神話や伝説に登場する道具などもあるのです。
もし、それらに命が宿って語りだすようなことがあればどんなに楽しいでしょう。
「ここにある物ならきっと、ワタクシの興味を惹くような面白い話をしてくれるでしょうねぇ。ぜひお話してみたいです」
しかし、それにはひとつ問題がありました。その魔術は非常に高度な上に失敗しやすいのです。
無理に命を宿すことによって、物がその負荷に耐え切れず粉々になって失われしまう可能性もあるので大切な物に使うことは推奨しない、と本には書かれていました。
「なるほど。失敗すると粉々になるので、貴重品には使用しないほうがいいんですねぇ。せっかく面白いと思ったのに残念です」
それでも魔術を研究している身としては、多少のリスクはあってもこの魔術をぜひ試してみたいと思うのが人情ではないでしょうか。
「もし粉々になって無くなってしまっても心が痛まないような、どうでもいい物があれば実験台にするんですけどねぇ……」
――少し考えてみると、その条件に合致する物はあっさりと見つかりました。
「え、俺のギラギラパンツが欲しいって? そうかそうかぁ~、ジェルもやっとこのセクシーなパンツの良さをわかってくれたんだな!」
「あー、そーですねー。セクシーですねー」
「マジかよ! お兄ちゃんすっげぇうれしい!」
ワタクシは上機嫌の兄のアレクサンドルから、彼の愛用しているギラギラするラメの入ったビキニパンツを首尾よく入手しました。
「おい、ジェル。どうしたんだよ、俺のパンツを何に使うつもりなんだ……?」
「まぁちょっとした魔術の実験ですので。なんでしたらそこで見ててくださって構いませんよ」
ワタクシはリビングに魔法陣を描いて、そこにウザいまでに主張してギラギラと下品に輝くビキニパンツを乗せ、呪文を唱えます。
「――理に背きたる物よ、新たなる命を封じ、そこに宿したまえ」
詠唱が終わると、魔法陣が反応してパンツへと魔力が注がれていき、パンツのちょうど股間の部分にアレクの顔が浮かび上がりました。
どういう理屈かはわかりませんが、持ち主の顔が反映されているようです。
「なんと不気味な……」
「不気味って。お兄ちゃんの顔に対して酷くないか、ジェル」
「だって、パンツに顔があるなんて気持ち悪いですよ」
「そもそもなんでパンツに顔がついてんだよ」
「知りませんよ!」
言い合っている間に、パンツは手足を動かすかのように自分の生地を動かして、ふわりと宙に浮かびました。
「おぉ……体が動くぞ!」
パンツはアレクそっくりの声で話します。顔だけでなく声まで持ち主に似るようです。
「おい、なんで俺のパンツが宙に浮いてるんだよ……」
「命が宿ったからですよ。いやぁ、上手くいってよかったです」
さて、このアレクのギラギラパンツはいったいどんな話をするのでしょうか。
「……これは興味深い。一時的に物に命を宿す魔術ですか」
日本には付喪神と言って、長い年月を経た道具などに精霊や神が宿って動き出したり喋ったりするようになる、という伝承があります。
どうやらこの魔術は、それと似たようなことを年月に関係なく強制的に行う魔術のようです。
「もし、物に命が宿るとしたら、どんな物がいいですかねぇ」
ワタクシは、店内をぐるりと見渡しました。この店には、古今東西の珍しい道具がたくさんあります。
ただのアンティークだけではなく、中には神話や伝説に登場する道具などもあるのです。
もし、それらに命が宿って語りだすようなことがあればどんなに楽しいでしょう。
「ここにある物ならきっと、ワタクシの興味を惹くような面白い話をしてくれるでしょうねぇ。ぜひお話してみたいです」
しかし、それにはひとつ問題がありました。その魔術は非常に高度な上に失敗しやすいのです。
無理に命を宿すことによって、物がその負荷に耐え切れず粉々になって失われしまう可能性もあるので大切な物に使うことは推奨しない、と本には書かれていました。
「なるほど。失敗すると粉々になるので、貴重品には使用しないほうがいいんですねぇ。せっかく面白いと思ったのに残念です」
それでも魔術を研究している身としては、多少のリスクはあってもこの魔術をぜひ試してみたいと思うのが人情ではないでしょうか。
「もし粉々になって無くなってしまっても心が痛まないような、どうでもいい物があれば実験台にするんですけどねぇ……」
――少し考えてみると、その条件に合致する物はあっさりと見つかりました。
「え、俺のギラギラパンツが欲しいって? そうかそうかぁ~、ジェルもやっとこのセクシーなパンツの良さをわかってくれたんだな!」
「あー、そーですねー。セクシーですねー」
「マジかよ! お兄ちゃんすっげぇうれしい!」
ワタクシは上機嫌の兄のアレクサンドルから、彼の愛用しているギラギラするラメの入ったビキニパンツを首尾よく入手しました。
「おい、ジェル。どうしたんだよ、俺のパンツを何に使うつもりなんだ……?」
「まぁちょっとした魔術の実験ですので。なんでしたらそこで見ててくださって構いませんよ」
ワタクシはリビングに魔法陣を描いて、そこにウザいまでに主張してギラギラと下品に輝くビキニパンツを乗せ、呪文を唱えます。
「――理に背きたる物よ、新たなる命を封じ、そこに宿したまえ」
詠唱が終わると、魔法陣が反応してパンツへと魔力が注がれていき、パンツのちょうど股間の部分にアレクの顔が浮かび上がりました。
どういう理屈かはわかりませんが、持ち主の顔が反映されているようです。
「なんと不気味な……」
「不気味って。お兄ちゃんの顔に対して酷くないか、ジェル」
「だって、パンツに顔があるなんて気持ち悪いですよ」
「そもそもなんでパンツに顔がついてんだよ」
「知りませんよ!」
言い合っている間に、パンツは手足を動かすかのように自分の生地を動かして、ふわりと宙に浮かびました。
「おぉ……体が動くぞ!」
パンツはアレクそっくりの声で話します。顔だけでなく声まで持ち主に似るようです。
「おい、なんで俺のパンツが宙に浮いてるんだよ……」
「命が宿ったからですよ。いやぁ、上手くいってよかったです」
さて、このアレクのギラギラパンツはいったいどんな話をするのでしょうか。
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