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第二章

50.こんな恥ずかしい格好……

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 濡れた髪をまとめ雫を垂らしているスエンは色気ダダ漏れな様子。
 彼は森羅の真正面に。ウトゥが背後に周り、
「何するんですか?ウトゥさん?!」
 なぜか、ウトゥは森羅の脇の下に手を入れてきて身体を羽交い締めにしてきた。
(こんな恥ずかしい格好……)
 胸をぴんとはらされ、スエンに向かって乳首を差し出しているような。
「シンラ。最初は少ししんどいと思います。遠慮なく声を出して下さい」
 スエンがさらにシンラの脇腹をしっかり抑えてきて、胸の間から唾液の塗布が始まると、湯屋に森羅の声が響き渡る。
「う、あああんっ」
 確かに遠慮も何もあったもんじゃなかった。
 まるで軽い火傷みたいに舐められた部分がピリピリし始める。
 臍の下、薄い下生えの辺りまでスエンの舌は降りていって、そこで止まる。
 湯を含んで吐き出すと、黒い煤のようなものが湯面に散る。
 対する森羅の肌は、先程より本来の肌に近くなっていた。
「これの繰り返しだ」
と耳元でウトゥ。
 一箇所、一舐めでは終わらないらしい。
「む、無理。無理ぃっ」
「慣れりゃあ、よくなるって」
とウトゥが、森羅の項や肩のあたりを舐めながら参戦してくる。
 スエンの舌はその間も、森羅の腹の上を行き来する。脇腹も浮いた骨に沿って丁寧に舐め上げられた。
「あ、んっ」
 ピリピリはもう快楽に変わりつつあった。
 常識の範囲を越えた初体験は、童貞には辛すぎる。
 身体を上下左右に降って快楽から逃れようとすればするほど、二人にがっちりと押さえつけられる。
 森羅からすれば、大男二人に食べられているような感覚だ。
 残るは乳首だけになった。
「いいですか?森羅。敏感な部分なので、今までで一番刺激が強いと思います」
 真顔で言いながらスエンが尖らせた舌を近づけてくる。
「あうっ」
 ―――何この感覚。
 温かいを通り越して熱い。
 スエンの舌が軟体動物みたいに動き変わっている。
「ほう。薄い赤なんだなあ、お前のそこ。スエンに舌でいじられて固くなっている」
 耳元では意地悪な声。
 当然、童貞は言葉責め態勢なんて無い。
 上半身どころか、腰までくねくねし始めてしまった。
 もう一方の乳首もくまなく舐められた。
「大分、焦げが薄くなったな」
「ええ。でも、あと二舐めぐらいは必要でしょう」
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