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この子はだあれ?
「「んっ!?」」
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「先に確認させてぼしいんだけど、真鍋さんが僕の事を“のー”と呼んで、一緒に遊んでいた女の子って事で、良いんだよね?」
ゆっくりと、しっかりと、確かめる東奥南朋。私の幼馴染み。お互いの母親に連れられて家を行き来したり、2人で公園で遊んだりしていた。
そう、私はこの先輩の事を、のーと呼んで一緒に幼い時期を過ごしたんだ。
やっと会えた。やっとのーと共に同じ時間を過ごせるんだ……。
「ちょっと、真菜?」
私は隣に座っているちなちゃんに肩を揺すられるまでボーッとのーの顔を眺めていた。ダメダメ、せっかくこうして会えたんだから、聞きたい事とか言いたい事とか、色々あったはずなのに。いっぱい話をしたいと思っているのに、なかなか口から出て行ってくれないでいる。
「すみません、普段はもっとお喋りで、テンションの高いノリの良い子なんですけど……」
「え、真鍋さんが?」
え、何で聞き返したの? あ、そっか。関西弁が出ないように気を付けながらしか話していないから、普段の私がどんな感じなのか、のーには分からないんだ。
「はい、それはもうこれぞ正にザ・関西人って感じで。本人は関西弁が出ないように気を付けようとしているみたいなんですけど」
「へぇ……」
そうだよね、見た事ないもんねそんな私。ってか私の事知らないに等しいもんね。でもこれから知ってくれれば良いからね、ゆっくりでいいんだよ?
「あぁ、ダメね。目がハートになってる」
ちなちゃんが頭を抱えているけれど、どうしたんだろうか。頭が痛いんだろうか。
と、そんなやり取りをしていると小さくて可愛らしいおばあちゃんがトレイを持って私達のテーブルにやって来た。
「はい、お待たせしました。アイスコーヒー、はこちら。アイスラテ、はこちらですね。イチゴサンデーはどちらかしら?」
はいっ! と手を挙げる。何で1人だけパフェを頼んでしまったのか分からないけど、今はとっても食べたい気分。何ならのーにあ~んしてあげてもいいよっ。
「あら、その子の分の注文は頂いてなかったかしら? あの人ったらお子様用のドリンクメニューをお見せしなかったのね、ごめんなさいね。
すぐにご用意しますから、よろしければ何か頼んで下さいな」
……、えっ? っと、おばあちゃんったら何を仰っているのかしら。
「もしかしておばあさん、あの子が見えているんですか?」
っと、のー? 南朋先輩?
「あらぁ、この子は見えない子だったのね。ごめんなさい、あんまりにもはっきり見えるものですから、本当にそこにいるんだとばかり……」
「おばあさんは、幽霊を……?」
さらにのーがおばあちゃんへ問い続ける。その表情は真剣そのもので、とても2人して私をからかってやろうとしている雰囲気ではないのが分かる。
そもそもこの喫茶店を選んだのはちなちゃんで、お店の人とのーが示し合わせて私をさらに怖がらせようという仕込みなんて出来る訳がないんだ。
「ええ、割と見える方なんですよ。でもここまではっきりと見える子も珍しいわね。
私にはこの子が悪いモノなのか、悪さをしない子なのかの違いなどは分かりませんの。ただ見えるってだけで。
さて、それではごゆっくりと」
そう言って、おばあちゃんは席を離れて行ってしまわれた。えっと、私達は何しにこの喫茶店へ来たんだったかなっ!?
「やっぱりいるんだな。僕だけに見えている訳じゃないんだ、みなちゃんは」
ポツリと一言。のーが独り言を零す。その声色があまりにも穏やかで、あまりにも優しげで、あまりにも嬉しそうだった。
それが何故か私にとっても良い事のような気がして、私も釣られて嬉しくなって、思わず答えてしまったのは自然な事だった。
「妹も、嬉しいって、言っています」
「「んっ!?」」
んっ……????
ゆっくりと、しっかりと、確かめる東奥南朋。私の幼馴染み。お互いの母親に連れられて家を行き来したり、2人で公園で遊んだりしていた。
そう、私はこの先輩の事を、のーと呼んで一緒に幼い時期を過ごしたんだ。
やっと会えた。やっとのーと共に同じ時間を過ごせるんだ……。
「ちょっと、真菜?」
私は隣に座っているちなちゃんに肩を揺すられるまでボーッとのーの顔を眺めていた。ダメダメ、せっかくこうして会えたんだから、聞きたい事とか言いたい事とか、色々あったはずなのに。いっぱい話をしたいと思っているのに、なかなか口から出て行ってくれないでいる。
「すみません、普段はもっとお喋りで、テンションの高いノリの良い子なんですけど……」
「え、真鍋さんが?」
え、何で聞き返したの? あ、そっか。関西弁が出ないように気を付けながらしか話していないから、普段の私がどんな感じなのか、のーには分からないんだ。
「はい、それはもうこれぞ正にザ・関西人って感じで。本人は関西弁が出ないように気を付けようとしているみたいなんですけど」
「へぇ……」
そうだよね、見た事ないもんねそんな私。ってか私の事知らないに等しいもんね。でもこれから知ってくれれば良いからね、ゆっくりでいいんだよ?
「あぁ、ダメね。目がハートになってる」
ちなちゃんが頭を抱えているけれど、どうしたんだろうか。頭が痛いんだろうか。
と、そんなやり取りをしていると小さくて可愛らしいおばあちゃんがトレイを持って私達のテーブルにやって来た。
「はい、お待たせしました。アイスコーヒー、はこちら。アイスラテ、はこちらですね。イチゴサンデーはどちらかしら?」
はいっ! と手を挙げる。何で1人だけパフェを頼んでしまったのか分からないけど、今はとっても食べたい気分。何ならのーにあ~んしてあげてもいいよっ。
「あら、その子の分の注文は頂いてなかったかしら? あの人ったらお子様用のドリンクメニューをお見せしなかったのね、ごめんなさいね。
すぐにご用意しますから、よろしければ何か頼んで下さいな」
……、えっ? っと、おばあちゃんったら何を仰っているのかしら。
「もしかしておばあさん、あの子が見えているんですか?」
っと、のー? 南朋先輩?
「あらぁ、この子は見えない子だったのね。ごめんなさい、あんまりにもはっきり見えるものですから、本当にそこにいるんだとばかり……」
「おばあさんは、幽霊を……?」
さらにのーがおばあちゃんへ問い続ける。その表情は真剣そのもので、とても2人して私をからかってやろうとしている雰囲気ではないのが分かる。
そもそもこの喫茶店を選んだのはちなちゃんで、お店の人とのーが示し合わせて私をさらに怖がらせようという仕込みなんて出来る訳がないんだ。
「ええ、割と見える方なんですよ。でもここまではっきりと見える子も珍しいわね。
私にはこの子が悪いモノなのか、悪さをしない子なのかの違いなどは分かりませんの。ただ見えるってだけで。
さて、それではごゆっくりと」
そう言って、おばあちゃんは席を離れて行ってしまわれた。えっと、私達は何しにこの喫茶店へ来たんだったかなっ!?
「やっぱりいるんだな。僕だけに見えている訳じゃないんだ、みなちゃんは」
ポツリと一言。のーが独り言を零す。その声色があまりにも穏やかで、あまりにも優しげで、あまりにも嬉しそうだった。
それが何故か私にとっても良い事のような気がして、私も釣られて嬉しくなって、思わず答えてしまったのは自然な事だった。
「妹も、嬉しいって、言っています」
「「んっ!?」」
んっ……????
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