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Main story
知らない親友
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里奈が家に来て、四人で学校へ向かう。
俺が誰にも声を掛けず家を出たのに気付いた羽那子が、慌てて玄関から飛び出して来た。
それに続き伊千香も出て来て三人で里奈を待つ形になっていた。
これもいずれ里奈と二人だけで登校するように持って行くべきだろう。伊千香は理解を示してくれるだろうから、問題は羽那子だけだ。
「あ、そう言えばノートを写させてもらうの忘れてたわ」
里奈のノートを写メで撮ったが、それを元に書き写すのを忘れていた。
「それは仕方ないよ。昨日は体調が悪かったんだから。
教室に着いてから授業が始まるまでにやればいいよ」
里奈はそう言うが、一限目が始まるまでに書き写せるかどうか分からない。
授業中にスマホを見ながら書き写す訳にもいかないからな。
「昨日ノートを預かっておけばあたしが写してあげられたんだね……」
ぼそっと呟く羽那子。いや、そういう献身的なヤツはいらないです。
そもそもノートなんてものは自分で書かないと意味がないから。授業を聞いて、黒板を見て、手で書く。この課程で頭に入って行くものだから。
人任せにしても身にならない。
「みっちゃん、おはよう!」
高校と中学の分かれ道である十字路に着くと、伊千香が友達を見つけて走って行った。
みっちゃんは俺達に気付いてペコリと頭を下げ、伊千香を待たずに歩き出す。
「待ってよみっちゃん! じゃあ行ってきまーす!!」
「気を付けてな」
俺が伊千香の背中へ声を掛けると、驚いたようにみっちゃんが振り返る。
クズの俺は妹への気遣いをするような性格ではなかったのだろうか。俺の持つイメージを変えていくのは先が長そうだ。
伊千香が抜けた後、三人になった俺達。すごく微妙な空気を感じる。
チラチラと俺の顔色を窺う羽那子と、その様子を目にしながらもその事には触れない里奈。
俺を真ん中として、右に彼女。左に幼馴染み。男なら憧れるシチュエーションなのかもしれないが、俺はもうお腹いっぱいです。
「よー伊千郎、調子戻ったか?」
民人が俺と羽那子の間に割り込んで、俺の肩に手を回して来た。
朝から変なノリだなぁと思いつつ民人を見ると、髪の毛が金髪だった。
「……民人、雰囲気変わったか?」
「は? そんな二日や三日会わないだけで人は変わんねーだろ」
よく見れば左耳にピアス穴が開いている。香水の匂いもするし、ズボンも腰までずらしてダボっとした履き方。
こうも分かりやすいチャラ男、高校生ではなかなかいそうにないだろうというようなスタイル。
「うわヤリチンコンビが来た」
「彼女いるくせに合コンばっかしてるらしいね」
「女の敵だ」
「男にとっても敵だから。何であんなのばっかモテるんだよ」
「二人とも顔だけはいいからね」
そしてこの周りの扱いの変化。以前はただ話のネタにされてるだけだったが、今では完全に悪評になっている。
民人はその悪評を流している女の子の方へ近付いて行き、ちょっかいをかけている。
「俺はフリーなんだよ。今度みんなで遊びに行こうよ」
声を掛けられてまんざらでもなさそうな表情の女の子三人組。その子達と話していた男二人が露骨に嫌そうな顔をして離れる。
男二人は俺を睨み付けて去って行った。いやいや、今は俺全く関係ないだろ。
民人が女の子達とスマホを取り出して連絡先の交換をしている。
以前の伊千郎はどうだったか知らないが、俺は今の民人の事は知らない。あんなチャラ男は友達ではない。
「伊千郎、待たなくていいの?」
民人を放って歩き出した俺に里奈が尋ねる。以前の俺がどうしたか知らないが、俺は待つつもりはない。
「うん、先に行こう。ノート写す時間がなくなる」
民人を俺の知っている民人へと改造するつもりはないが、俺自身のイメージの為、あの民人とは距離を保った節度ある付き合いをしなければならないかもしれない。
ズボンのポケットに入れていたスマホがバイブする。取り出して見てみると、民人からの新着メッセージの通知が。
ロックを解除して確認すると三人分のメッセージIDと共に、『ゲットだぜ!』というとても分かりやすいスタンプが送られて来た。
いやいらねーよ!
俺が誰にも声を掛けず家を出たのに気付いた羽那子が、慌てて玄関から飛び出して来た。
それに続き伊千香も出て来て三人で里奈を待つ形になっていた。
これもいずれ里奈と二人だけで登校するように持って行くべきだろう。伊千香は理解を示してくれるだろうから、問題は羽那子だけだ。
「あ、そう言えばノートを写させてもらうの忘れてたわ」
里奈のノートを写メで撮ったが、それを元に書き写すのを忘れていた。
「それは仕方ないよ。昨日は体調が悪かったんだから。
教室に着いてから授業が始まるまでにやればいいよ」
里奈はそう言うが、一限目が始まるまでに書き写せるかどうか分からない。
授業中にスマホを見ながら書き写す訳にもいかないからな。
「昨日ノートを預かっておけばあたしが写してあげられたんだね……」
ぼそっと呟く羽那子。いや、そういう献身的なヤツはいらないです。
そもそもノートなんてものは自分で書かないと意味がないから。授業を聞いて、黒板を見て、手で書く。この課程で頭に入って行くものだから。
人任せにしても身にならない。
「みっちゃん、おはよう!」
高校と中学の分かれ道である十字路に着くと、伊千香が友達を見つけて走って行った。
みっちゃんは俺達に気付いてペコリと頭を下げ、伊千香を待たずに歩き出す。
「待ってよみっちゃん! じゃあ行ってきまーす!!」
「気を付けてな」
俺が伊千香の背中へ声を掛けると、驚いたようにみっちゃんが振り返る。
クズの俺は妹への気遣いをするような性格ではなかったのだろうか。俺の持つイメージを変えていくのは先が長そうだ。
伊千香が抜けた後、三人になった俺達。すごく微妙な空気を感じる。
チラチラと俺の顔色を窺う羽那子と、その様子を目にしながらもその事には触れない里奈。
俺を真ん中として、右に彼女。左に幼馴染み。男なら憧れるシチュエーションなのかもしれないが、俺はもうお腹いっぱいです。
「よー伊千郎、調子戻ったか?」
民人が俺と羽那子の間に割り込んで、俺の肩に手を回して来た。
朝から変なノリだなぁと思いつつ民人を見ると、髪の毛が金髪だった。
「……民人、雰囲気変わったか?」
「は? そんな二日や三日会わないだけで人は変わんねーだろ」
よく見れば左耳にピアス穴が開いている。香水の匂いもするし、ズボンも腰までずらしてダボっとした履き方。
こうも分かりやすいチャラ男、高校生ではなかなかいそうにないだろうというようなスタイル。
「うわヤリチンコンビが来た」
「彼女いるくせに合コンばっかしてるらしいね」
「女の敵だ」
「男にとっても敵だから。何であんなのばっかモテるんだよ」
「二人とも顔だけはいいからね」
そしてこの周りの扱いの変化。以前はただ話のネタにされてるだけだったが、今では完全に悪評になっている。
民人はその悪評を流している女の子の方へ近付いて行き、ちょっかいをかけている。
「俺はフリーなんだよ。今度みんなで遊びに行こうよ」
声を掛けられてまんざらでもなさそうな表情の女の子三人組。その子達と話していた男二人が露骨に嫌そうな顔をして離れる。
男二人は俺を睨み付けて去って行った。いやいや、今は俺全く関係ないだろ。
民人が女の子達とスマホを取り出して連絡先の交換をしている。
以前の伊千郎はどうだったか知らないが、俺は今の民人の事は知らない。あんなチャラ男は友達ではない。
「伊千郎、待たなくていいの?」
民人を放って歩き出した俺に里奈が尋ねる。以前の俺がどうしたか知らないが、俺は待つつもりはない。
「うん、先に行こう。ノート写す時間がなくなる」
民人を俺の知っている民人へと改造するつもりはないが、俺自身のイメージの為、あの民人とは距離を保った節度ある付き合いをしなければならないかもしれない。
ズボンのポケットに入れていたスマホがバイブする。取り出して見てみると、民人からの新着メッセージの通知が。
ロックを解除して確認すると三人分のメッセージIDと共に、『ゲットだぜ!』というとても分かりやすいスタンプが送られて来た。
いやいらねーよ!
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