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Main story
バッドエンドその二
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とりあえず今は羽那子を何とか落ち着かせ、里奈を遠ざけて、俺の部屋で伊千香と三人で話す。腰を据えてゆっくり丁寧に話せば、羽那子も分かってくれるかもしれない。
「羽那子、家に帰ってからゆっくり話そう。俺の今までの態度も悪かったんだ。認めるよ。
とりあえず今は落ち着いてくれ。俺は逃げないから、腕を離してくれ」
「里奈さんの前ではっきり言う。あたしはいっくんから離れないから!
あたしはいっくんの幼馴染なんだから当然だよね!?
別にいっくんはあたしのものだって言いたいんじゃないんだよ、里奈さんは恋人かもしれないけどあたしは幼馴染なの!」
どれだけ幼馴染というものを特別視しているのか。羽那子が言う幼馴染という言葉は、俺が思う幼馴染という言葉の意味するものとは違った概念なのではないだろうか。
そんな言葉を突き付けられた里奈は相変わらず無表情で俺達を見ている。それは諦めなのか、それともこれから俺がどういう対応をするのかの観察なのか。
少なくとも俺に対して期待しているような、応援しているような表情ではない。
「はなちゃん、里奈さんは関係ないよ。あくまでお兄ちゃんとはなちゃんの関係の話でしょ?
里奈さんは関係ないの、だから家で話そ? 幼馴染なんだから」
「幼馴染だから何? あたしがそんな言い回しで納得するとでも思った?
あたしは里奈さんにいっくんの幼馴染として認めさせたいの!
あたしといっくんは特別なんだよ、いつも一緒だったし楽しい事も悲しい時も苦しい時も気持ちの良い時もいつも一緒だったの!!
それが当たり前だったしこれからも続いて行くの、その中に里奈さんが入ってくればいいだけじゃん!!」
さらっと肉体関係を公言された気がするが、それでも里奈の無表情は崩れない。知っていたのか勘付いていたのか。しかし公認している訳でない事は分かる。
これ以上言ってもダメだと思ったのか、伊千香が俺と羽那子を引き離そうとする力を強めた。
させまいと羽那子が伊千香を突き飛ばし、地面に尻もちをついてしまった。
「いっかちゃん!」
伊千香の友達のみっちゃんが伊千香を抱き起し、大丈夫かと声を掛ける。
里奈だけでなく、みっちゃんの目にも触れていたのだ。もう止めよう。とにかくこの場を離れなければならない。
「さっきから聞いてたら何なんですか!? 幼馴染がそんなに偉いんですか!?
いっかちゃんだってあなたの幼馴染なんですよね? だったらいっかちゃんの言ってる事にも耳を傾けるべきじゃないですか!!」
え……? みっちゃんが伊千香を背にし、羽那子に食って掛かる。話した事ないけどこんな子だったのか。
「いっかちゃんはいつもあなたの事を気にかけて、どうにかしてあげられないかって考えてたんですよ。
お兄さんとあなたの関係は良くないって、何とかしなきゃっていつも悩んでたんです!」
そう言えば伊千香が誰かに電話で俺達の事を話していたな。あの相手はみっちゃんだったのか。
「それなのにあなたは駄々をこねて人の話は聞かないで。恥ずかしくないんですか!?」
「あんたは関係ないでしょ!」
羽那子がみっちゃんの肩を押す。手を上げさせてはダメだ。羽那子の腕を掴もうとしたらするりと離れていった。
「あんたもいっくんに近付こうっていう訳? いっくんの特別はあたしだけなの!!」
「さっきと言ってる事違うじゃないですか。彼女さんにとってはあなたはただただ仲の良い恋人の邪魔をしているだけなんですよ!!」
「何ですって!?」
羽那子とみっちゃんが揉み合いになる。肩を掴み怒鳴り合っている。
間に入ろうとすると学ランが引っ張られた。後ろから里奈が裾を掴み、無表情で見つめて来た。
「ごめん里奈、みっちゃんにあんな事させたくないんだ。本当なら俺が……」
キキーッ、ドンッ!!!
けたたましく鳴り響くブレーキ音。車のボディーに何かがぶつかる音。少し後に地面に何かが叩きつけられるような音。
振り向くとバンパーが凹んだ車。
車のすぐ横で腰を抜かしているみっちゃん。
茫然と立ち尽くしている伊千香。
二人の目線の先。地面に仰向けに横たわっている……
「羽那子!?」
地面に足を着き、羽那子の頭を抱える。俺を見上げる羽那子。いつか見たような至って普通のその表情。
「前回は何て言ったっけ。
痛いとか死にたくないとかは面白くないよね?」
前回……、伊千香に刺された時の事か?
「いっくん……、あたしはいっくんの特別だよね? あたしを抱き締めて離さないで……」
抱きかかえた羽那子の頭からは、血がドクドクと流れ出している。
目の前で起きている事は現実だ。時間が巻き戻されるとしても、このまま放っておく事なんて出来ない!
「伊千香、里奈! 救急車!!」
叫んでも誰も返事をせず、地面には羽那子の血が広がっていく。
叫んでも、叫んでも、叫んでも……。
世界が真っ赤に染まり、俺の意識は闇へと落とされた。
「羽那子、家に帰ってからゆっくり話そう。俺の今までの態度も悪かったんだ。認めるよ。
とりあえず今は落ち着いてくれ。俺は逃げないから、腕を離してくれ」
「里奈さんの前ではっきり言う。あたしはいっくんから離れないから!
あたしはいっくんの幼馴染なんだから当然だよね!?
別にいっくんはあたしのものだって言いたいんじゃないんだよ、里奈さんは恋人かもしれないけどあたしは幼馴染なの!」
どれだけ幼馴染というものを特別視しているのか。羽那子が言う幼馴染という言葉は、俺が思う幼馴染という言葉の意味するものとは違った概念なのではないだろうか。
そんな言葉を突き付けられた里奈は相変わらず無表情で俺達を見ている。それは諦めなのか、それともこれから俺がどういう対応をするのかの観察なのか。
少なくとも俺に対して期待しているような、応援しているような表情ではない。
「はなちゃん、里奈さんは関係ないよ。あくまでお兄ちゃんとはなちゃんの関係の話でしょ?
里奈さんは関係ないの、だから家で話そ? 幼馴染なんだから」
「幼馴染だから何? あたしがそんな言い回しで納得するとでも思った?
あたしは里奈さんにいっくんの幼馴染として認めさせたいの!
あたしといっくんは特別なんだよ、いつも一緒だったし楽しい事も悲しい時も苦しい時も気持ちの良い時もいつも一緒だったの!!
それが当たり前だったしこれからも続いて行くの、その中に里奈さんが入ってくればいいだけじゃん!!」
さらっと肉体関係を公言された気がするが、それでも里奈の無表情は崩れない。知っていたのか勘付いていたのか。しかし公認している訳でない事は分かる。
これ以上言ってもダメだと思ったのか、伊千香が俺と羽那子を引き離そうとする力を強めた。
させまいと羽那子が伊千香を突き飛ばし、地面に尻もちをついてしまった。
「いっかちゃん!」
伊千香の友達のみっちゃんが伊千香を抱き起し、大丈夫かと声を掛ける。
里奈だけでなく、みっちゃんの目にも触れていたのだ。もう止めよう。とにかくこの場を離れなければならない。
「さっきから聞いてたら何なんですか!? 幼馴染がそんなに偉いんですか!?
いっかちゃんだってあなたの幼馴染なんですよね? だったらいっかちゃんの言ってる事にも耳を傾けるべきじゃないですか!!」
え……? みっちゃんが伊千香を背にし、羽那子に食って掛かる。話した事ないけどこんな子だったのか。
「いっかちゃんはいつもあなたの事を気にかけて、どうにかしてあげられないかって考えてたんですよ。
お兄さんとあなたの関係は良くないって、何とかしなきゃっていつも悩んでたんです!」
そう言えば伊千香が誰かに電話で俺達の事を話していたな。あの相手はみっちゃんだったのか。
「それなのにあなたは駄々をこねて人の話は聞かないで。恥ずかしくないんですか!?」
「あんたは関係ないでしょ!」
羽那子がみっちゃんの肩を押す。手を上げさせてはダメだ。羽那子の腕を掴もうとしたらするりと離れていった。
「あんたもいっくんに近付こうっていう訳? いっくんの特別はあたしだけなの!!」
「さっきと言ってる事違うじゃないですか。彼女さんにとってはあなたはただただ仲の良い恋人の邪魔をしているだけなんですよ!!」
「何ですって!?」
羽那子とみっちゃんが揉み合いになる。肩を掴み怒鳴り合っている。
間に入ろうとすると学ランが引っ張られた。後ろから里奈が裾を掴み、無表情で見つめて来た。
「ごめん里奈、みっちゃんにあんな事させたくないんだ。本当なら俺が……」
キキーッ、ドンッ!!!
けたたましく鳴り響くブレーキ音。車のボディーに何かがぶつかる音。少し後に地面に何かが叩きつけられるような音。
振り向くとバンパーが凹んだ車。
車のすぐ横で腰を抜かしているみっちゃん。
茫然と立ち尽くしている伊千香。
二人の目線の先。地面に仰向けに横たわっている……
「羽那子!?」
地面に足を着き、羽那子の頭を抱える。俺を見上げる羽那子。いつか見たような至って普通のその表情。
「前回は何て言ったっけ。
痛いとか死にたくないとかは面白くないよね?」
前回……、伊千香に刺された時の事か?
「いっくん……、あたしはいっくんの特別だよね? あたしを抱き締めて離さないで……」
抱きかかえた羽那子の頭からは、血がドクドクと流れ出している。
目の前で起きている事は現実だ。時間が巻き戻されるとしても、このまま放っておく事なんて出来ない!
「伊千香、里奈! 救急車!!」
叫んでも誰も返事をせず、地面には羽那子の血が広がっていく。
叫んでも、叫んでも、叫んでも……。
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