100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~

まーくん

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ムーン大陸で大冒険

とりあえず歩きましょう。

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俺とミーアはミケツカミ様に草原に飛ばされた。

見渡す限り草だらけだ。

最初にたどり着いたでっかい蚊のいる草原に似ていなくも無い。

まあ、草原なんてどこも同じようなものか。

風魔法を使ってジャンプしてみる。

10メートルくらい飛び上がったけど、やっぱり草原ばかりだ。

「ヒロシ、腹減ったな。」

ミーアがボソッと言う。

そう言えば、あれから結構時間経ったと思うけど、何にも食べてないや。

前方に半径5メートルくらいで結界を張り、中に収納に入れっぱなしの除虫菊を入れて火魔法で火を付ける。

燻された除虫菊の煙が結界の中に充満し、やがて酸素不足で火が消える。

しばらく待って結界を解除すると、煙で真っ白だった場所がだんだんクリアになってきた。

「さあ、ミーア虫を拾うぞ。」

焼けた蚊や昆虫達がわさわさいるよ。

俺もこの世界にずいぶんと馴染んだもので、焼けた虫が美味しそうに見えるんだからしょうがないじゃないか。

とりあえず近くにあるものから順番に食していった。

「ふー、食った食った。

ミーア美味かったか?」

「そうだな。調味料でもあれば良かったんだが、贅沢も言うまいだね。」

「同感だ。やはり調味料は欲しいよな。

人里まで遠いようだったら、調味料も探さなきゃな。」

俺は食べきれていない虫を収納に入れ、ミーアと共に歩き出した。

「しかし、どこまで草原が続くんだろうな。

おんなじ景色ばかりで方角も分からないや。

うん?人の気配がするぞ。」



歩き続けて3日目、全開にしていた気配察知に人の気配を感じた。

「どうやら戦いをしてるみたいだな。

結構な人数の気配がするけど。

ミーアどうする?」

「もちろん行くよ。

最近さあマッタリばっかだったから、少しプニブニになっちゃったからな。

少しだけだぞ。ほんとだぞ。」

そのプニプニが良いんだけどな。

言ったら怒られそうだけどね。

「それなら急ごう。終わっちゃう前にね。」

俺達は風魔法を足に乗せて戦いの現場へ急いだ。


争いの現場に着くと異様な光景が広がっていた。

数十人の人達が戦っているんだけど顔が違う。

違う人なんだから顔が違うのは当たり前なんだけど、そういうレベルじゃない。

首から上が犬だったり、猫だったり、カマキリだったりと様々な動物や昆虫の頭が人間の身体の上に付いているんだ。

それだけじゃない。

人の身体ではないものもいる。

例えば犬の顔に馬の身体とか。

お互い入り乱れているから誰と誰が味方同士かも分からない。

人間だったら顔の特徴や着ているもので判別できるのだろうけど、これは無理。

正義のある方に味方したいけど、それも分からないや。

「ミーア、彼ら何者か分かる?」

「うーん、知ってるような知らないような。

なんか昔聞いたことがあるんだよなー。

あっ、そうだムーンの人達じゃない?

ほらヒロシは知らないの。

ムーンだよ、ムーン大陸。

大昔に高度な文明を持っていたけど、何故か亡びちゃったムーン大陸だよ。

不老不死の研究をしていて偶然作られた人造生物達の反乱で亡んだんじゃないかって説もあるらしいんだ。

その人造生物があんな感じに様々な生き物を合成したやつって聞いた気がする。」

獣人?いや昆虫もいるし、獣&獣もいる。

どちらかというと…

キメラ!

そうラノベの世界で言うところのキメラがそうなんじゃないの。

いろいろな生き物を合成して新たな生き物を作る。

まさしくミーアの話し通りじゃない。

ここはキメラの住む国なんだ!

「ところでさ、ミーア。

そのムーン大陸っていつ頃の話しなの?」

「えーとねー、1万年くらい前だっけかな?」

ほんとかよー。

でももし本当だったら、ここは1万年前から進化していない未開の場所ってことか。

まるでガラパゴス諸島みたいだな。
ということは誰にも発見されていない島ってことになるんじゃ。

どの国にも見つかっていないということは、陸までどのくらいあるのか見当もつかないぞ。

「ご名答です。ここは超古代文明ムーンの一部です。

南北に約280キロメートル、東西に約130キロメートルで日本の九州と同じくらいの陸地以外は既に海に沈んでいますが。

この地域は磁場の関係で外の世界とは隔絶されています。

強い磁場が磁石も人の方向感覚も狂わせてしまうのです。

なお、いちばん近い陸地までは、直線距離で500キロメートル以上あり、たとえ磁場を避けたとしても、風魔法を使って辿り着くことは不可能です。」

脳内アシスタントさんの補足により、現状置かれている状況はおおよそ掴めた。

っていうか、もっと早く教えて欲しかったんですけど。

とりあえず、気配察知をMAXにして周囲を窺う。

島全体が明らかな殺意に溢れているけど、人間の欲望に塗れたドロドロしたやつじゃないから、そんなに辛くはない。

少しずつ範囲を絞って詳細に探索していくと、ごく限られた区域だけど、気配が全く感じられない場所があった。

「ミーア、なんの気配も全く感じられない場所があったけど行ってみる?」

「うん。ヒロシに付いて行く。」

即答かよ。

今居る場所からは海岸線を迂回して飛んで行けば、30分くらいで着きそうだ。

「よし行こう。」

俺はミーアの手をとって風魔法で飛び上がり目的の地を目指した。
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