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インディアナ神国で無双
インディアナ神国建国秘話
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「わたしの中にはもう一人の人格がいるんだよ。」
スマル様の突然の告白に俺もスペルさんも驚く。
「兄上、もう一人の人格とは?」
「そういえばスペルにも言っておらなかったかな。
すまなかったな。
彼の名はスペランク。
そう、我がインディアナ神国の元となったインディアナ王国の建国の祖だ。」
インディアナ王国の祖?
そういやステファンさんの授業で習ったっけ。
少数部族のインディアナの民を回復のスキルだけで数々の勝利に導き、インディアナ王国建国を成し得た謎の男がいたと。
それがスペランクという人か。
「スペランク様はわたしが父の後をついで大神官になった日に、わたしの元へやって来られた。
そしてわたしに言われたのだ。
『この世界はまもなく闇に包まれるであろう。
その闇を祓うには救世主が必要だが、残念ながら未だ現れずだ。
そして闇の訪れを少しでも遅らせるのがお前の役目であり、わたしはそのサポートをするために神より遣わされたのだ。
そのために、お前には神の世界にて修行してもらう。』とな。
それからわたしは神の世界に度々修行に行っているのだ。」
スマル様はひと息入れて俺達ふたりを見つめている。
「わたしが神の世界にいる間、わたしの身体にはスペランク様が入っておられる。
スペル、これまで気付かなかったのか?」
「俺は武辺一辺倒の粗忽者ですから。
細かいことは苦手で。」
頭をかきながらそう話すスペルさんも、お兄さんの前では威厳のカケラも無いね。
「神の世界とはどのような世界でしょうか?」
俺の質問にスマル様が答えてくれる。
「素晴らしく進んだ世界さ。
建物や道具なんかはもちろん、学術や医療技術なんかもこの世界からは想像もつかないほどのレベルだし、社会システムなんかはわたしでさえ理解しきれないほどだ。そしてそれらを支ている電気というものの存在が素晴らしいんだ。」
電気?元の世界?でも時間の流れがおかしい?
混乱した俺は脳内アシスタントさんに助けを求めるが、情報不足とだけ答えが帰ってきただけだった。
分からないものは仕方がないか。
頭を切り替えて、別の質問をする。
「それは素晴らしい世界ですね。
ところで、スペランク様がこの世界に現れてから建国までにどんなことがあったのか興味があるのですが。」
「うむ。スペランク様が語られる建国物語には俺も興味があります。」
スペルさんも前のめりになっている。
「では、スペランク様から聞いた建国時の話しをしようか。
スぺランク様のおられた世界、つまり『神の世界』は彼らの言葉で『異世界管理局』と呼ばれている。
そこには各星を創造したり管理しておられる神がたくさんおられるのだ。
わたし達のこの世界も元々は異世界管理局の担当者が創造したものらしい。
だが、この世界では超古代文明が栄えていた時代があり、その文明の崩壊と共にこの星を創造した担当者が管理を放棄してしまった。
そのためこの星は管理者つまり神のいないまま長い時を過ごさなければならなかった。
スぺランク様は異世界管理局の監査部に所属する監査官で、放棄された星の状況を監査するためにこの世界に来られたのだ。
担当者の職務怠慢による放棄も中には存在するらしいからな。
スぺランク様がこの星に来てみると、いないはずの人類が存在し互いに争っている光景を目の当たりにされた。
ミケツカミ様に問いただすと、担当者は人類が滅亡したものと思い込みこの世界を放棄したが、その後生き残りの人類が確認されたため、守護者であるミケツカミ様が人類を存続させたと分かった。
せっかく生き残っていた人類であったが、3強国と1弱小国になっている状況を鑑み悩んだ。
そこでスぺランク様は人数の少なさ故迫害されていたインディアナの民に力を貸すことで4強国によるバランスを作ることにしたという。
ただスぺランク様の圧倒的な神の力を用いてインディアナの民に勝利を齎したとしてもそれによる力関係は長続きしないだろうと考えたスぺランク様は、インディアナの民自身が力を付けて3強国に対抗できるよう、回復のスキルだけを使うことにされたのだという。
結果4強国となったこの世界はその後500年にわたり力の均衡が図られ、今に至ることとなったのだ。
だが、この世界はたびたび人類滅亡の危機に晒されてきたという。
今もこの国以外で悪意が蔓延しているのもその一つだとスぺランク様はおっしゃっていた。
今ミケツカミ様はその原因が超古代文明を滅ぼしたものと同じだと考えられており、今もその調査をされているらしいが、今のところ分かっていないのが実情だ。
わたしが神の世界で修業しているのも、この事態を何とかするために、民を正しい方向に導くための様々な教育を受けているのだ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界管理局については拙著「最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~」にも出てきます。
第1章8話目から閑話として書かれていますのでお読みいただければと思います。
ちなみに電気は今は庶務課所属のゼウスさんが地球から持ち込んだ技術です。
スマル様の突然の告白に俺もスペルさんも驚く。
「兄上、もう一人の人格とは?」
「そういえばスペルにも言っておらなかったかな。
すまなかったな。
彼の名はスペランク。
そう、我がインディアナ神国の元となったインディアナ王国の建国の祖だ。」
インディアナ王国の祖?
そういやステファンさんの授業で習ったっけ。
少数部族のインディアナの民を回復のスキルだけで数々の勝利に導き、インディアナ王国建国を成し得た謎の男がいたと。
それがスペランクという人か。
「スペランク様はわたしが父の後をついで大神官になった日に、わたしの元へやって来られた。
そしてわたしに言われたのだ。
『この世界はまもなく闇に包まれるであろう。
その闇を祓うには救世主が必要だが、残念ながら未だ現れずだ。
そして闇の訪れを少しでも遅らせるのがお前の役目であり、わたしはそのサポートをするために神より遣わされたのだ。
そのために、お前には神の世界にて修行してもらう。』とな。
それからわたしは神の世界に度々修行に行っているのだ。」
スマル様はひと息入れて俺達ふたりを見つめている。
「わたしが神の世界にいる間、わたしの身体にはスペランク様が入っておられる。
スペル、これまで気付かなかったのか?」
「俺は武辺一辺倒の粗忽者ですから。
細かいことは苦手で。」
頭をかきながらそう話すスペルさんも、お兄さんの前では威厳のカケラも無いね。
「神の世界とはどのような世界でしょうか?」
俺の質問にスマル様が答えてくれる。
「素晴らしく進んだ世界さ。
建物や道具なんかはもちろん、学術や医療技術なんかもこの世界からは想像もつかないほどのレベルだし、社会システムなんかはわたしでさえ理解しきれないほどだ。そしてそれらを支ている電気というものの存在が素晴らしいんだ。」
電気?元の世界?でも時間の流れがおかしい?
混乱した俺は脳内アシスタントさんに助けを求めるが、情報不足とだけ答えが帰ってきただけだった。
分からないものは仕方がないか。
頭を切り替えて、別の質問をする。
「それは素晴らしい世界ですね。
ところで、スペランク様がこの世界に現れてから建国までにどんなことがあったのか興味があるのですが。」
「うむ。スペランク様が語られる建国物語には俺も興味があります。」
スペルさんも前のめりになっている。
「では、スペランク様から聞いた建国時の話しをしようか。
スぺランク様のおられた世界、つまり『神の世界』は彼らの言葉で『異世界管理局』と呼ばれている。
そこには各星を創造したり管理しておられる神がたくさんおられるのだ。
わたし達のこの世界も元々は異世界管理局の担当者が創造したものらしい。
だが、この世界では超古代文明が栄えていた時代があり、その文明の崩壊と共にこの星を創造した担当者が管理を放棄してしまった。
そのためこの星は管理者つまり神のいないまま長い時を過ごさなければならなかった。
スぺランク様は異世界管理局の監査部に所属する監査官で、放棄された星の状況を監査するためにこの世界に来られたのだ。
担当者の職務怠慢による放棄も中には存在するらしいからな。
スぺランク様がこの星に来てみると、いないはずの人類が存在し互いに争っている光景を目の当たりにされた。
ミケツカミ様に問いただすと、担当者は人類が滅亡したものと思い込みこの世界を放棄したが、その後生き残りの人類が確認されたため、守護者であるミケツカミ様が人類を存続させたと分かった。
せっかく生き残っていた人類であったが、3強国と1弱小国になっている状況を鑑み悩んだ。
そこでスぺランク様は人数の少なさ故迫害されていたインディアナの民に力を貸すことで4強国によるバランスを作ることにしたという。
ただスぺランク様の圧倒的な神の力を用いてインディアナの民に勝利を齎したとしてもそれによる力関係は長続きしないだろうと考えたスぺランク様は、インディアナの民自身が力を付けて3強国に対抗できるよう、回復のスキルだけを使うことにされたのだという。
結果4強国となったこの世界はその後500年にわたり力の均衡が図られ、今に至ることとなったのだ。
だが、この世界はたびたび人類滅亡の危機に晒されてきたという。
今もこの国以外で悪意が蔓延しているのもその一つだとスぺランク様はおっしゃっていた。
今ミケツカミ様はその原因が超古代文明を滅ぼしたものと同じだと考えられており、今もその調査をされているらしいが、今のところ分かっていないのが実情だ。
わたしが神の世界で修業しているのも、この事態を何とかするために、民を正しい方向に導くための様々な教育を受けているのだ。」
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異世界管理局については拙著「最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~」にも出てきます。
第1章8話目から閑話として書かれていますのでお読みいただければと思います。
ちなみに電気は今は庶務課所属のゼウスさんが地球から持ち込んだ技術です。
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