70 / 132
インディアナ神国で無双
ミケツカミ様も苦悩されているようです
しおりを挟む
「今ミケツカミ様はその原因が超古代文明を滅ぼしたものと同じだと考えられており、今もその調査をされているらしいが、今のところ分かっていないのが実情だ。
わたしが神の世界で修業しているのも、この事態を何とかするために、民を正しい方向に導くための様々な教育を受けているのだ。」
スマル様の話しはスペルさんを驚愕させるには十分だった。
ただ俺にはいくつもの覚えがあり、納得できる話しでもあったのだ。
まずは超古代文明。ムーン大陸のことだろう。
ムーン大陸はマイロの研究者が突然暴走したことにより崩壊、滅亡した。
その研究者が何らかの悪意を持ったものに操られていたと考えれば合点がいく。
更にミケツカミ様が遣わした俺を殺そうとする数々の式神や俺を殺したボビーとかいう警備兵の狂乱。
日頃は些細な悪さが玉に瑕だが、面倒見の良い兄貴肌だったというボビーがなぜ衝動的に俺を殺害したのか。
ステファンさんやマティスさんが今も疑問に思っているって言ってた。
それも悪意ある存在が俺を狙ったものだとすると理解できる。
「ヒロシ様、未だ不十分ではありますが、これまでの情報より一つの仮説が立てられます。
今すぐこの国を離れて下さい!
スマル様とヒロシ様が会ってしまったことを知ったその悪意の元凶はヒロシ様達を全力で殺そうとするでしょう。
ここは危険です!」
その時俺の危機察知能力が最大級の警告を出した。
「ここは?ここはいったい?」
静かな森の中にある小さな家。
そこに俺とスマル様、スペルさんの3人がいる。
そこは俺とミーアが少しの時間過ごしたムーン大陸の家だ。
あの時危機察知が働き俺達の命が危ないと感じた俺は、ふたりを巻き込んで転移の魔法陣を起動したんだ。
でもどこに行けばいいか分からない。
同じ世界の中だったら転移先も狙われる可能性が高いし。
そこで思い付いたのがここだった。
初めて自分で転移したけど、上手くいって良かったよ。
「ここはムーン大陸です。
時代とかは分かりませんが、ムーン大陸が滅亡してから10000年くらい経った頃です。
ここが安全かどうかは分かりませんが、とりあえずは大丈夫でしょう。」
「ほおー。ここがムーン大陸か。では、ヒロシ殿が助けたというムーンの指導者の方もこの島におられるのか?」
「おそらく、おられると思います。行ってみましょうか。」
興味津々のスマル様と何が起きているのかさっぱりという顔のスペルさん。
ふたりを伴って神殿の方に進んでいく。
やがて神殿が見えてきた。
「あれが復元したムーン大陸の神殿ですよ。あそこにクルステさん達がいるはずです。」
神殿に繋がる動く歩道とエレベータを乗り継いだ先には、例の秘書室があり秘書さん達が絶賛片付け中だ。
「あら、ヒロシさん。どうされたのですか?元の世界に戻られたのではなかったでしたっけ?」
オシンさんだ。最初あった時はつっけんどんな人だと思っていたけど、人見知りだったみたい。
秘書で人見知りってどうかと思うんだけど。
「オシンさん、この状態を見る限り俺がここから転移していくらも経っていないみたいですね。」
「いくらもって、まだ1時間ちょっとですよ。」
そうか、こっちの2週間が向こうの3年だから、向こうの5日間はこっちでは1時間半くらいか。
「で、そちらの方々は?」
「あーあ、そうだった。こちらの方達は向こうの世界のインディアナ神国という国の代表の方です。
実は向こうの世界に帰ったんだけど、何者かに狙われまして。
それで危ないと思ってとっさに転移したらここに来たんですよ。」
オシンさんにふたりを紹介していたらクルステさんがやって来られた。
「あれヒロシ君、さっき転移したばかりなのにどうしたんだい?」
俺はクルステさんにこの数日間の向こうでの話しをした。
「そうかそれは大変だったね。向こうの世界がどうなっているのか見てあげようか?」
クルステさんがこともなげに言う。
「えっそんなことが出来るのですか?」
「できるよ。ヒロシ君は違う世界から来ているから難しいけど、そちらのおふたりは向こうの世界に人なんだろう?
それなら、彼らの思念を辿っていけば彼らの世界を覗くことはできるはずだよ。」
スマル様もスペルさんも是非にと前のめりだ。そりゃ心配だよね。
「じゃあ行くよ。」
スマル様とスペルさんの頭に手を置いたクルステさんが何やら呪文を唱えると、目の前にある水晶が映像を映し出した。
そこには、ぼろぼろになって崩れ落ちた大神殿が映っていたのだった。
>>>>>>>>>>>>>
「くそー、また逃がしたか?次はどこに行きやがったんだ。
たかが狐のくせに、ミケツカミの野郎余計なことばっかりしやがって。
監査が入る前に何とかしなきゃ、俺の出世が閉ざされちまうじゃねーかよ!!!
でもあんまり派手にやるとすぐに足がついちまうし。全くあんなところで監査部の調査が入るなんてついてなかったぜ。」
わたしが神の世界で修業しているのも、この事態を何とかするために、民を正しい方向に導くための様々な教育を受けているのだ。」
スマル様の話しはスペルさんを驚愕させるには十分だった。
ただ俺にはいくつもの覚えがあり、納得できる話しでもあったのだ。
まずは超古代文明。ムーン大陸のことだろう。
ムーン大陸はマイロの研究者が突然暴走したことにより崩壊、滅亡した。
その研究者が何らかの悪意を持ったものに操られていたと考えれば合点がいく。
更にミケツカミ様が遣わした俺を殺そうとする数々の式神や俺を殺したボビーとかいう警備兵の狂乱。
日頃は些細な悪さが玉に瑕だが、面倒見の良い兄貴肌だったというボビーがなぜ衝動的に俺を殺害したのか。
ステファンさんやマティスさんが今も疑問に思っているって言ってた。
それも悪意ある存在が俺を狙ったものだとすると理解できる。
「ヒロシ様、未だ不十分ではありますが、これまでの情報より一つの仮説が立てられます。
今すぐこの国を離れて下さい!
スマル様とヒロシ様が会ってしまったことを知ったその悪意の元凶はヒロシ様達を全力で殺そうとするでしょう。
ここは危険です!」
その時俺の危機察知能力が最大級の警告を出した。
「ここは?ここはいったい?」
静かな森の中にある小さな家。
そこに俺とスマル様、スペルさんの3人がいる。
そこは俺とミーアが少しの時間過ごしたムーン大陸の家だ。
あの時危機察知が働き俺達の命が危ないと感じた俺は、ふたりを巻き込んで転移の魔法陣を起動したんだ。
でもどこに行けばいいか分からない。
同じ世界の中だったら転移先も狙われる可能性が高いし。
そこで思い付いたのがここだった。
初めて自分で転移したけど、上手くいって良かったよ。
「ここはムーン大陸です。
時代とかは分かりませんが、ムーン大陸が滅亡してから10000年くらい経った頃です。
ここが安全かどうかは分かりませんが、とりあえずは大丈夫でしょう。」
「ほおー。ここがムーン大陸か。では、ヒロシ殿が助けたというムーンの指導者の方もこの島におられるのか?」
「おそらく、おられると思います。行ってみましょうか。」
興味津々のスマル様と何が起きているのかさっぱりという顔のスペルさん。
ふたりを伴って神殿の方に進んでいく。
やがて神殿が見えてきた。
「あれが復元したムーン大陸の神殿ですよ。あそこにクルステさん達がいるはずです。」
神殿に繋がる動く歩道とエレベータを乗り継いだ先には、例の秘書室があり秘書さん達が絶賛片付け中だ。
「あら、ヒロシさん。どうされたのですか?元の世界に戻られたのではなかったでしたっけ?」
オシンさんだ。最初あった時はつっけんどんな人だと思っていたけど、人見知りだったみたい。
秘書で人見知りってどうかと思うんだけど。
「オシンさん、この状態を見る限り俺がここから転移していくらも経っていないみたいですね。」
「いくらもって、まだ1時間ちょっとですよ。」
そうか、こっちの2週間が向こうの3年だから、向こうの5日間はこっちでは1時間半くらいか。
「で、そちらの方々は?」
「あーあ、そうだった。こちらの方達は向こうの世界のインディアナ神国という国の代表の方です。
実は向こうの世界に帰ったんだけど、何者かに狙われまして。
それで危ないと思ってとっさに転移したらここに来たんですよ。」
オシンさんにふたりを紹介していたらクルステさんがやって来られた。
「あれヒロシ君、さっき転移したばかりなのにどうしたんだい?」
俺はクルステさんにこの数日間の向こうでの話しをした。
「そうかそれは大変だったね。向こうの世界がどうなっているのか見てあげようか?」
クルステさんがこともなげに言う。
「えっそんなことが出来るのですか?」
「できるよ。ヒロシ君は違う世界から来ているから難しいけど、そちらのおふたりは向こうの世界に人なんだろう?
それなら、彼らの思念を辿っていけば彼らの世界を覗くことはできるはずだよ。」
スマル様もスペルさんも是非にと前のめりだ。そりゃ心配だよね。
「じゃあ行くよ。」
スマル様とスペルさんの頭に手を置いたクルステさんが何やら呪文を唱えると、目の前にある水晶が映像を映し出した。
そこには、ぼろぼろになって崩れ落ちた大神殿が映っていたのだった。
>>>>>>>>>>>>>
「くそー、また逃がしたか?次はどこに行きやがったんだ。
たかが狐のくせに、ミケツカミの野郎余計なことばっかりしやがって。
監査が入る前に何とかしなきゃ、俺の出世が閉ざされちまうじゃねーかよ!!!
でもあんまり派手にやるとすぐに足がついちまうし。全くあんなところで監査部の調査が入るなんてついてなかったぜ。」
1
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる