100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~

まーくん

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インディアナ神国で無双

ミケツカミ様も苦悩されているようです

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「今ミケツカミ様はその原因が超古代文明を滅ぼしたものと同じだと考えられており、今もその調査をされているらしいが、今のところ分かっていないのが実情だ。

わたしが神の世界で修業しているのも、この事態を何とかするために、民を正しい方向に導くための様々な教育を受けているのだ。」

スマル様の話しはスペルさんを驚愕させるには十分だった。

ただ俺にはいくつもの覚えがあり、納得できる話しでもあったのだ。

まずは超古代文明。ムーン大陸のことだろう。

ムーン大陸はマイロの研究者が突然暴走したことにより崩壊、滅亡した。

その研究者が何らかの悪意を持ったものに操られていたと考えれば合点がいく。

更にミケツカミ様が遣わした俺を殺そうとする数々の式神や俺を殺したボビーとかいう警備兵の狂乱。

日頃は些細な悪さが玉に瑕だが、面倒見の良い兄貴肌だったというボビーがなぜ衝動的に俺を殺害したのか。

ステファンさんやマティスさんが今も疑問に思っているって言ってた。

それも悪意ある存在が俺を狙ったものだとすると理解できる。

「ヒロシ様、未だ不十分ではありますが、これまでの情報より一つの仮説が立てられます。

今すぐこの国を離れて下さい!

スマル様とヒロシ様が会ってしまったことを知ったその悪意の元凶はヒロシ様達を全力で殺そうとするでしょう。

ここは危険です!」

その時俺の危機察知能力が最大級の警告を出した。






「ここは?ここはいったい?」

静かな森の中にある小さな家。

そこに俺とスマル様、スペルさんの3人がいる。

そこは俺とミーアが少しの時間過ごしたムーン大陸の家だ。

あの時危機察知が働き俺達の命が危ないと感じた俺は、ふたりを巻き込んで転移の魔法陣を起動したんだ。

でもどこに行けばいいか分からない。

同じ世界の中だったら転移先も狙われる可能性が高いし。

そこで思い付いたのがここだった。

初めて自分で転移したけど、上手くいって良かったよ。

「ここはムーン大陸です。
時代とかは分かりませんが、ムーン大陸が滅亡してから10000年くらい経った頃です。

ここが安全かどうかは分かりませんが、とりあえずは大丈夫でしょう。」

「ほおー。ここがムーン大陸か。では、ヒロシ殿が助けたというムーンの指導者の方もこの島におられるのか?」

「おそらく、おられると思います。行ってみましょうか。」

興味津々のスマル様と何が起きているのかさっぱりという顔のスペルさん。

ふたりを伴って神殿の方に進んでいく。

やがて神殿が見えてきた。

「あれが復元したムーン大陸の神殿ですよ。あそこにクルステさん達がいるはずです。」

神殿に繋がる動く歩道とエレベータを乗り継いだ先には、例の秘書室があり秘書さん達が絶賛片付け中だ。

「あら、ヒロシさん。どうされたのですか?元の世界に戻られたのではなかったでしたっけ?」

オシンさんだ。最初あった時はつっけんどんな人だと思っていたけど、人見知りだったみたい。

秘書で人見知りってどうかと思うんだけど。

「オシンさん、この状態を見る限り俺がここから転移していくらも経っていないみたいですね。」

「いくらもって、まだ1時間ちょっとですよ。」

そうか、こっちの2週間が向こうの3年だから、向こうの5日間はこっちでは1時間半くらいか。

「で、そちらの方々は?」

「あーあ、そうだった。こちらの方達は向こうの世界のインディアナ神国という国の代表の方です。

実は向こうの世界に帰ったんだけど、何者かに狙われまして。

それで危ないと思ってとっさに転移したらここに来たんですよ。」

オシンさんにふたりを紹介していたらクルステさんがやって来られた。

「あれヒロシ君、さっき転移したばかりなのにどうしたんだい?」

俺はクルステさんにこの数日間の向こうでの話しをした。

「そうかそれは大変だったね。向こうの世界がどうなっているのか見てあげようか?」

クルステさんがこともなげに言う。

「えっそんなことが出来るのですか?」

「できるよ。ヒロシ君は違う世界から来ているから難しいけど、そちらのおふたりは向こうの世界に人なんだろう?

それなら、彼らの思念を辿っていけば彼らの世界を覗くことはできるはずだよ。」

スマル様もスペルさんも是非にと前のめりだ。そりゃ心配だよね。

「じゃあ行くよ。」

スマル様とスペルさんの頭に手を置いたクルステさんが何やら呪文を唱えると、目の前にある水晶が映像を映し出した。

そこには、ぼろぼろになって崩れ落ちた大神殿が映っていたのだった。




>>>>>>>>>>>>>

「くそー、また逃がしたか?次はどこに行きやがったんだ。

たかが狐のくせに、ミケツカミの野郎余計なことばっかりしやがって。

監査が入る前に何とかしなきゃ、俺の出世が閉ざされちまうじゃねーかよ!!!


でもあんまり派手にやるとすぐに足がついちまうし。全くあんなところで監査部の調査が入るなんてついてなかったぜ。」




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