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インディアナ神国で無双
インディアナ神国が心配です
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クルステさんが水晶に映し出した映像は、俺達3人にとって衝撃的なものだった。
ぼろぼろに崩壊したインディアナ神国の大神殿。
あれほど美しかった庭園も今は見る影もない。
逃げ惑う民達の足元で花を散らしていた。
「こ、これはいったい!?」
スペルさんが水晶を今にも壊しそうなくらい強く握り少しでも状況を知ろうとする。
スマル様も呆然自失といったところだ。
本殿の方角が映るとそこには巨大な亀の魔物が立ち上がって口から炎を吐いている。
怪獣映画のガ〇ラを想像して欲しい。まさしくあれが本殿にしがみ付いてスマル様の部屋辺りを壊そうとしていた。
神軍も騎士団も必死に応戦しているが、あの巨大な魔物には攻撃が全く効いていないようで、逆に放たれた炎により人数を減らされている状況だ。
「早く戻らねば!!!クルステ殿、ヒロシ殿戻る手立てはないのか!」
俺は我に返り魔方陣を描く。
「スペルさん、スマル様、向こうに戻りますよ! 良いですか!」
「「おう。」」
俺はクルステさんへの挨拶もそこそこにインディアナ神国に戻った。
魔方陣から吐き出された先はあの巨大ガメのすぐ後ろ。
魔力を最大限に込めて風魔法ウインドカッターを放つ。
甲羅に当たるが、傷をつけることすらできない。
ならば、火魔法なら!
練りに練ったファイヤーボールを発射。いくらかのダメージを与えられたようだがこんなレベルじゃだめだ。
俺の攻撃に気付いた巨大ガメは俺を狙って炎を吐く。
空中に浮いたままその炎を避け、カメに近づくと首の辺りに掌底をお見舞いする。
小学生から近くの道場で習っている程度だが、魔力を掌に集めたその威力はかなりデカい。
カメの首が一瞬折れ、ばねのようにぶらぶらしている。
一瞬かもしれないが意識を刈り取れたようだ。
俺はカメの甲羅と体の隙間の柔らかい場所に風魔法で穴を空け、そこから中に入った。
皮膚に穴を空けられたカメはその痛みで意識を取り戻すが、その間に俺は甲羅の奥深くに侵入し、皮膚の最も柔らかそうなところを目掛け火魔法をぶっ放す。
強烈な熱気が襲ってくるが結界でふさぎながら連続で火魔法をぶっ放していると、ただれた皮膚の下が丸見えになった。
そこには強固な筋肉に包まれた心臓が見えた。
俺はその中を進んでいく。心臓までの行く手を遮る筋肉は風魔法で片っ端から切り裂いていくと、巨大な心臓にたどり着いた。
「掌底!!」
魔力を掌に充填し、カメの心臓に沿わせた手を通してありったけの魔力を心臓に流し込む。
ドクンドクンとマガマガしく鼓動を打っていたカメの心臓は俺の渾身の掌底を受け、ビクッ!!と大きな鼓動を最後にその動きを完全停止した。
ドスン!!と勢いよく倒れた巨大ガメの中で頭をグワングワン揺られ、ふらふらになりながら俺はカメの体から抜け出したのだった。
「ヒロシ殿大丈夫か?」
スペルさんが声を掛けてくれる。
「ちょっとグワングワンしますけど大丈夫です。
それより皆さんは?」
「ああ、神軍、騎士団共に被害は甚大だが、民の多くは先に逃したようだ。
とりあえずは街の復興と戦力の立て直しだな。
いつ他の国が襲って来るか分からんからな。」
スペルさんが寂しそうに話す。
そうだった。この世界はそういう世界なのだ。
疑心暗鬼で他人の足元をすくってやろうと手ぐすねを引いて待っている奴らがウヨウヨしているのだ。
「大変です。スワリング教国が国境辺りまで攻めて来ています!」
>>>>>>>>>>>>>
スワリング教国の教皇アフロはその夜、夢の中で神の啓示を受けていた。
「アフロよ。我が子アフロ。わたしの声が聞こえるだろうか?
我は古よりこのスワリングの地に根をおろす大地神である。
アフロ、お前に啓示を与える。
1週間後、戦力1万を率いてインディアナを襲うのだ。
その頃インディアナは、巨大な災禍を受けてまともな戦力も残っておらぬゆえ、アフロ其方はインディアナの地をその手に掌握し、民を邪教から解放し、正しい方向に導いてやるのだ。
アフロ分かったか。安心しろ我がついておるゆえ、万が一つにもスワリングの負けは無いわ。」
そして翌早朝から軍備を整えたアフロは、3日後1万の軍を自ら率いてインディアナに向かったのだ。
>>>>>>>>>>>>>
スワリング教国軍推定1万。
平時であれば惰弱なスワリング兵相手に負ける数では無いだろう。
しかし今はその鍛え抜かれた兵力も巨大ガメのせいで壊滅状態なのだ。
スワリング教国の軍が来たことを伝えた兵士もこの現状を見ては顔面蒼白に成らざるを得ない。
「我が最前線で食い止める。
お前達は集められるだけの兵士を集めて追いかけて来るがよい。
早く来ねば活躍の場を我が全て奪ってしまうぞ、ガハハハハ。」
「俺も一緒に行きますよ。スペルさん。」
「おお、ヒロシ殿がいれば鬼に金棒だな。
それじゃあ、派手に蹴散らせてやるとするか。
兄上、後は頼みましたぞ。」
俺とスペルさんのふたりは、空を飛んでスワリング教国軍が攻め寄せている国境へと向かったんだ。
ぼろぼろに崩壊したインディアナ神国の大神殿。
あれほど美しかった庭園も今は見る影もない。
逃げ惑う民達の足元で花を散らしていた。
「こ、これはいったい!?」
スペルさんが水晶を今にも壊しそうなくらい強く握り少しでも状況を知ろうとする。
スマル様も呆然自失といったところだ。
本殿の方角が映るとそこには巨大な亀の魔物が立ち上がって口から炎を吐いている。
怪獣映画のガ〇ラを想像して欲しい。まさしくあれが本殿にしがみ付いてスマル様の部屋辺りを壊そうとしていた。
神軍も騎士団も必死に応戦しているが、あの巨大な魔物には攻撃が全く効いていないようで、逆に放たれた炎により人数を減らされている状況だ。
「早く戻らねば!!!クルステ殿、ヒロシ殿戻る手立てはないのか!」
俺は我に返り魔方陣を描く。
「スペルさん、スマル様、向こうに戻りますよ! 良いですか!」
「「おう。」」
俺はクルステさんへの挨拶もそこそこにインディアナ神国に戻った。
魔方陣から吐き出された先はあの巨大ガメのすぐ後ろ。
魔力を最大限に込めて風魔法ウインドカッターを放つ。
甲羅に当たるが、傷をつけることすらできない。
ならば、火魔法なら!
練りに練ったファイヤーボールを発射。いくらかのダメージを与えられたようだがこんなレベルじゃだめだ。
俺の攻撃に気付いた巨大ガメは俺を狙って炎を吐く。
空中に浮いたままその炎を避け、カメに近づくと首の辺りに掌底をお見舞いする。
小学生から近くの道場で習っている程度だが、魔力を掌に集めたその威力はかなりデカい。
カメの首が一瞬折れ、ばねのようにぶらぶらしている。
一瞬かもしれないが意識を刈り取れたようだ。
俺はカメの甲羅と体の隙間の柔らかい場所に風魔法で穴を空け、そこから中に入った。
皮膚に穴を空けられたカメはその痛みで意識を取り戻すが、その間に俺は甲羅の奥深くに侵入し、皮膚の最も柔らかそうなところを目掛け火魔法をぶっ放す。
強烈な熱気が襲ってくるが結界でふさぎながら連続で火魔法をぶっ放していると、ただれた皮膚の下が丸見えになった。
そこには強固な筋肉に包まれた心臓が見えた。
俺はその中を進んでいく。心臓までの行く手を遮る筋肉は風魔法で片っ端から切り裂いていくと、巨大な心臓にたどり着いた。
「掌底!!」
魔力を掌に充填し、カメの心臓に沿わせた手を通してありったけの魔力を心臓に流し込む。
ドクンドクンとマガマガしく鼓動を打っていたカメの心臓は俺の渾身の掌底を受け、ビクッ!!と大きな鼓動を最後にその動きを完全停止した。
ドスン!!と勢いよく倒れた巨大ガメの中で頭をグワングワン揺られ、ふらふらになりながら俺はカメの体から抜け出したのだった。
「ヒロシ殿大丈夫か?」
スペルさんが声を掛けてくれる。
「ちょっとグワングワンしますけど大丈夫です。
それより皆さんは?」
「ああ、神軍、騎士団共に被害は甚大だが、民の多くは先に逃したようだ。
とりあえずは街の復興と戦力の立て直しだな。
いつ他の国が襲って来るか分からんからな。」
スペルさんが寂しそうに話す。
そうだった。この世界はそういう世界なのだ。
疑心暗鬼で他人の足元をすくってやろうと手ぐすねを引いて待っている奴らがウヨウヨしているのだ。
「大変です。スワリング教国が国境辺りまで攻めて来ています!」
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スワリング教国の教皇アフロはその夜、夢の中で神の啓示を受けていた。
「アフロよ。我が子アフロ。わたしの声が聞こえるだろうか?
我は古よりこのスワリングの地に根をおろす大地神である。
アフロ、お前に啓示を与える。
1週間後、戦力1万を率いてインディアナを襲うのだ。
その頃インディアナは、巨大な災禍を受けてまともな戦力も残っておらぬゆえ、アフロ其方はインディアナの地をその手に掌握し、民を邪教から解放し、正しい方向に導いてやるのだ。
アフロ分かったか。安心しろ我がついておるゆえ、万が一つにもスワリングの負けは無いわ。」
そして翌早朝から軍備を整えたアフロは、3日後1万の軍を自ら率いてインディアナに向かったのだ。
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スワリング教国軍推定1万。
平時であれば惰弱なスワリング兵相手に負ける数では無いだろう。
しかし今はその鍛え抜かれた兵力も巨大ガメのせいで壊滅状態なのだ。
スワリング教国の軍が来たことを伝えた兵士もこの現状を見ては顔面蒼白に成らざるを得ない。
「我が最前線で食い止める。
お前達は集められるだけの兵士を集めて追いかけて来るがよい。
早く来ねば活躍の場を我が全て奪ってしまうぞ、ガハハハハ。」
「俺も一緒に行きますよ。スペルさん。」
「おお、ヒロシ殿がいれば鬼に金棒だな。
それじゃあ、派手に蹴散らせてやるとするか。
兄上、後は頼みましたぞ。」
俺とスペルさんのふたりは、空を飛んでスワリング教国軍が攻め寄せている国境へと向かったんだ。
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