100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~

まーくん

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ムーン大陸でも国造り

いったいどうなったんでしょうか

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「......デニス王とはこの国再興の祖と言われるデニス王のことだか?いやマリヤ様が后というのであれば間違いあるまいて。

しかし、それは200年以上前の話しなんだがや。」


ミケツカミ様に戻してもらった世界で目覚めた俺は、そこで出会ったおじいさんから驚くべき話しを聞かされたんだ。

俺がムーン大陸に送ったデニス王が200年以上前の人だなんて、どういうことなんだ?

となるとあれから200年以上の年月が経っているということか。

当時の人で残っている人はもういないだろうな。...うん?ミーアとシルベスタさんならまだ生きているに違いない。

そうだ、ミーアに会いに行こう。

「おじいさん、ありがとうございました。おかげで助かりました。」


俺はミーアに会いに行くと決めると、いても立ってもいられなくて急いでベッドから飛び起きて挨拶もそこそこに外へ出た。


外に出てすぐに空へと舞い上がる。

高く上がっていくと広い大地の上にちらほらと街がいくつも見えてきた。

更に上がっていくと、ムーン大陸全体が見えてきた。

俺は目に魔力を集め視力を高める。

ボーッとしか見えていなかった地表がだんだん鮮明になってきて、芥子粒のような家の屋根が見えてきた。

地表を嘗め回すように見ていくとひときわ高い塔がある。

あれは見覚えがあるぞ、クルステ様の塔だ。

俺はその塔を目指して飛んでいった。

塔の4階にある秘書室の窓から中を覗いてみようとした。

ここまで来てふと思う。
200年以上経っているからね、もちろんオシンさん達はいないはずだし、クルステ様もいるはずがないじゃないか。

そう考えると中を見るのが怖くなったんだけど、ここしか知っているところが無いんだからしようが無い。

思い切って中を見てみると普通にオシンさんが手帳を開いていた。

「あっ、ヒロシさん。お久しぶりですねえ。」

オシンさんがこちらを見て少し驚いて、そしてすぐに手招きしてきた。

窓から中に入る。

「オシンさん?」

「ええオシンですよ。3年振りですかねえ。向こうの世界から戻ってこないってミーアちゃん達が騒いで大変だったんですよ。」

3年?

「オシンさん、さっきであったおじいさんは200年以上経っているような口ぶりだったんですけど。」

「ああ、外の人達ですね。
そうなんです。元々島としてあった地域、この塔付近ですね。それとヒロシさんが時間を巻き戻して復元させた地域では時間の進み方が違うんです。

時間が早く進む地域、このムーン大陸の大部分なんですが、そこでは240年くらい経っていると思いますよ。

ちなみにここでは3年ほどです。

詳しくはよく分からないんですが、外の世界がヒロシさん達がいた世界と同じ時間の流れのようです。

そうだ、クルステ様が詳しいかも知れないんで、聞いてみて下さい。」

俺はオシンさんに促されてクルステさんの部屋の扉をたたく。

「はい、どうぞ。」

クルステさんの声が聞こえ、俺は扉を開けて中に入った。

「あら、ヒロシさん。良かった、ご無事だったのですね。皆さん心配されていたんですよ。

あの後、各国の王族のご尽力もあって、ヒロシさんが転移させた一般の民達も無事にこの地に定住できたようですよ。」

「クルステさん、ご無沙汰?ですね。俺は一瞬のことなんであまりご無沙汰だとは思っていないんですが、こっちでは3年経っているんですよね。」

「ええ、この塔の周り、旧島の範囲は3年ですね。でも不思議なことに、その外のエリアは240年くらい経っているんです。不思議ですよね。」

「さっきオシンさんに聞きました。

恐らく時間操作で無理やり時間を巻き戻したんで、元の時間がそのまま経過するようになったのでしょうね。」

「そうかもしれませんね。でも外の人がこちらに入ることはありませんから、皆さんは普通に生活を過ごしておられますよ。


あっそうだ。ミーアさんやイリヤさんは、昔あなたが住んでいた家に今も住んでおられると思いますよ。

早く行って顔を見せてあげて下さい。」


俺はムーン大陸の家に向かった。

森を抜けると懐かしい家が見えてきた。

屋根の上から突き出ている煙突からは煙が真上に上がっていた。

トントン

「はーい。今出まーす。」

ドアをノックすると中から懐かしい声が聞こえる。

カチャ

「ヒロシさん?ヒロシさん、ヒロシさん、お、お帰りなさい。」

「えっ、ヒロシ!ヒロシが返ってきたのか!」

イリヤに続いてミーアの声も聞こえる。

「さあ、早く入って。」

イリヤに促され俺は室内に入る。

「ヒロシー」

いきなり飛びついてきたミーアの頭が胸に直撃し、後ろに倒れかけたけど、何とか耐えてミーアを抱きしめる。

イリヤの方を見ると、目にいっぱい涙をためてこちらを見つめているので、両手を広げて迎える。

イリヤは少し遠慮気味にでも嬉しそうに近づいてきてミーアの横からゆっくりと抱き着いてきた。

「ただいま、イリヤ、ミーア。遅くなってすまなかったね。」

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