100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~

まーくん

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ムーン大陸でも国造り

イリヤもミーアも身体を大切にね

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「ウップ!」「ウップ!」……

朝からエズキの合唱が続いている。

いや今日だけじゃないな。

10日前くらいからイリヤが「気分が悪い」って言い出した。

風邪をひいたのかなっと思い、1日寝てもらったけど良くならない。

治らないまましばらくしたら、今度はミーアの調子が悪くなり出した。

イリヤと状況が似ているようだ。

えっ伝染病?!

「イリヤ、ミーア、ごめんね。鑑定するよ。」

俺は慌ててふたりに確認した後、ふたりを鑑定してみた。

『妊娠による悪阻』

えっ?

「ヒロシ様、おめでとうございます。

おふたりはどうやら妊娠されたようですね。

ヒロシ様の頑張りの成果がでましたね。」

頑張りの成果って言われたら、ちょっと引いちゃうけど、でも嬉しい。

「でもノアさん、ふたりがほぼ同時にですか?」

「さすがはヒロシ様です。

さすがにおふたり同時にお相手されて、同時に妊娠させるとは通常はまず考えられない確率だと思います。

ヒロシ様の平等の精神とそれだけの回数をこなすためのあくなき努力は脱帽せざるを得ないところです。」

ノアさんに淡々と話されると無茶苦茶恥ずかしい。

いや間違ってないよ。

俺はふたりとも大好きだし、ふたりも子供を欲しがったから確かに頑張ったけどね。

でもさ、脱帽せざるを得ないって言われてもねー。

俺とノアさんのやり取りを横でエズいているイリヤの顔が真っ赤になっていた。

ミーアはそれどころじゃないみたいだけど。

イリヤは最初の吐き気から5週間くらいで吐き気は治ったみたいだ。

2週間遅れでミーアもようやく終わった。

お腹がだいぶ目立って来た頃、フランシス王子とオハルさん、シルベスタさんとクルステさんの2組が一緒にやって来た。

もちろんスノウ君の可愛い顔もあるよ。

「だいぶ大きくなってきましたね。」

「魔人はなかなか妊娠しないんだけどな。

さすがはヒロシ君だな。」

俺に超人的な能力があるように揶揄するシルベスタさんの言葉に皆んな真剣な顔をして頷いている。

揶揄したつもりなのに皆んなに真剣に受け取られたシルベスタさんは困り顔で苦笑しているし。

おい、シルベスタさんのは揶揄なんだからね。

俺が揶揄われただけで、ここ笑うところだからね。

「さあさあ、皆さんそのくらいにして、お茶にでもしませんか?」

メイド服を着込んだノアさんがお茶とお菓子を持って入って来た。

ノアさん、実体化してからすっかり人間味が出て来たよね。

メイド服は初めてだったから、俺も驚いたけど。

「でもイリヤ様、少しお腹が大き過ぎませんか?」

「オハルさん。イリヤ様って言うのは止めて下さいね。

お兄様の奥さんなんですから、わたし達のお姉様になるのですし。」

「そうですよ、オハルさん。イリヤもやり難いんだと思いますよ。」

「そういうフランシス様もさん付けは止めて下さいね。

他人行儀みたいで困ります。」

「ごめんね、オシンさん。」

「ほら、また言った。」


途中から夫婦のお惚気みたいになっているんだけど、気のせいかな。

スノウ君は、お腹が大きいのが珍しいのか、ミーアの横でチラチラとお腹を見ているから、ミーアがスノウ君にお腹を触らせている。





その日は突然きた。

十月十日っていうのは知っていたから、予定日を想定していたんだけど、その1カ月前にイリヤが苦しみ出したんだ。

全然分からないからノアさんに尋ねると、もう産まれるって言われた。

慌てて塔に向かう。

お産を手伝ってくれるオキクさんに来てもらうだめだ。

オキクさんはだいたい想定していたみたいで、すぐに準備して家まで来てくれた。

「さあイリヤ様、大丈夫ですよ。
さあ、体を楽にして…」

オキクさん、元々実家が産院だったそうで、自身も医師免許を持っていたらしい。

オハルさんのお産も手伝っているから、安心してお願い出来るよ。

オハルさんも来てくれてお産の準備も万端。



痛みが来る間隔が短くなってきて、男は外に出される。

イリヤの苦しそうな声だけが聞こえてくるけど、何も出来ないのがもどかしい。

「オギャー、オギャー、オギャー」

部屋の中から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

オハルさんが出てきて俺を中に入れてくれる。

布に包まれた小さな赤ちゃん。がふたり。

双子?

「男の子と女の子の双子ですね。
おめでとうございます。」

新しい生命を授かったんだなという感慨が溢れてくる。

赤ちゃんを抱いているイリヤに話しかける。

「イリヤ、お疲れ様。大丈夫?」

「ヒロシ様、双子ですね。頑張りましたよ。ふふふ。」

母子共に元気そうで良かった。

「イタ~イ、イタイよ~、ヒロシ~イタイよー。」

ミーアも?

「どうやらミーアさんも産気づかれたようですね。

続けて取り上げちゃいますね。」

後から聞いたんだけど、人族は9カ月で、魔人は8カ月くらいで出産するみたいだ。

俺が知らなかっただけみたい。

ミーアの出産は呆気なかった。

準備をしてから20分くらいかな。

シルベスタさんに聞くと「魔人はなかなか妊娠しないけど、出産は楽なんだ」って。


この日、俺の家族はふたりから5人になりました。






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