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第8章 亜人大陸の開発
4 【水車とハンバーグ2】
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<<カーン視点>>
ハーバラ村の視察を終え村の中心にある広場に戻ってきました。
わたし達の歓迎会の準備をしてくれています。
まだ見足りない者達は、村内に散らばって行きましたが、わたしは広場に残って歓迎会の準備を手伝うことにしました。
もっと村人に近づいて村人の素に近いところを知りたかったのです。
わたしは近くで獲物を解体している男性に話し掛けました。
「お手伝いしますよ。」
「お客人、助かりますよ。
こっちのオドラビット、数が多いのでお願いできるかい。」
「承知。しかし、このオドラビット食えるのかい?」
「ははは、それは食べてみてからのお楽しみだね。
こんだけの量があれば、ひとり1枚あると思うよ。」
オドラビットと呼ばれるこの動物は亜人大陸にもいる。
あれは食べられない。
肉は硬く臭いのだ。
10数年前に発生した大飢饉の時に食べたことがあるが、どうしても飲み込むことが出来なかった。
何か食べる工夫があるにしても、あのまずさを消し去ることは出来まい。
とは言え、あれだけ村人が自信を持っているのだ。
それなりに食べれるようになるのだろう。
「よし、全て終わったぞ。」
「助かったよ。あんた早いな。」
「これでも猟師歴120年だからな。」
「120年?!あんた、そうかエルフだな。
長生きとは聞いているが120年とはな。
こりゃ俺達には絶対敵わねえや。」
俺はこの肉の処理方法が気になったので、肉に付いて調理場に向かった。
「あんたお客人だね。何か用かい?」
「この肉が旨く食べられると聞いて来たんだが、調理法を見せてくれないかい。」
「オドラビットだね。
美味いよ。今から調理してあげるから見といでよ。」
この豪快な女性は、わたしが渡した肉を包丁で細かく刻み始めた。
原形を留めないほどに細かくなったところで、塩と黒い小さな粒を振りかけた。
それを手のひらくらいの大きさにまとめて焼いていく。
ほど良いくらいに焼き色が付いたところで完成のようだ。
「ほら、オドラビットのハンバーグだよ。
美味しいよ。食べてみな。」
女性はその肉をわたしに薦めた。
ひと口食べてみる。
柔らかい。そして美味い。
外は少し歯応えあるが硬く無い。
噛むと中は柔らかく肉汁が口の中に広がる。
そして気付く。臭く無い。
ヤライでは食したことの無い美味さだ。
「美味い!」
「そうだろう。ありがとうね。
オドラビットって奴は、硬くって不味くってね、6年前までは誰も食べなかったんだよ。
でもね、マサルさん達がやって来て改革ってのを始めたんだ。
わたし達も一緒に頑張ってね。
この調理法もその時に見つけたんだよ。
今じゃ大陸中で食べられている有名な食べ方だよ。」
「こいつらはわたしの国にもいる。
この調理法さえあれば、食糧事情は大幅に改善されるかもしれんな。」
「あんたの国のことはよく分からないけど、この国じゃオドラビットっていうのはね、害獣なんだよ。
繁殖力が異常に強くてね、いくら狩っても減らないんだよね。
こうして食べられるようになるまでは大変な思いをして駆除しても焼却処分するしか無かったんだよ。
それが食べられるようになったんだからねぇ。
美味しいしね。
肉だから栄養もいっぱいだ。
おかげで、作物よりも天候に左右されることも無く、食糧を確保することが出来たんだよねえ。」
ヤライでは温暖な気候と水利にも恵まれて、作物の収穫量は多い。
ただ森が少なく、人口減の影響もあり肉類が不足している。
このオドラビットであれば、我等のところでも害獣として駆除しているので充分な量を確保できるのではないだろうか。
「ところで塩と一緒に入れていた黒い小さな粒は、何ですか?」
「ああ、あれはペッパーって言うんだよ。
森で採れる木の実を擦り潰したものさ。
ペッパーを入れると臭いを抑えてくれるし、味も引き締まるんだ。」
そう言うと緑色の粒と、それより少し小さめの黒い粒を見せてくれた。
「この緑の状態で木になっているのを収穫して乾かすんだ。
そうするとこの黒い色になる。
そしたら擦り潰して使うんだよ。」
この緑の木の実ならヤライの森にもあるかも知れない。
後でマサル殿に確認してみよう。
しかしこの村は本当に驚かされる。
水車による治水といい、新しい食材の開拓と調理方法の研究。
そして行き届いた教育による高い文化水準。
こんな小さな村でさえこの状態だとは。
亜人大陸では手をつけるべき所が山積みのようだな。
ハーバラ村の視察を終え村の中心にある広場に戻ってきました。
わたし達の歓迎会の準備をしてくれています。
まだ見足りない者達は、村内に散らばって行きましたが、わたしは広場に残って歓迎会の準備を手伝うことにしました。
もっと村人に近づいて村人の素に近いところを知りたかったのです。
わたしは近くで獲物を解体している男性に話し掛けました。
「お手伝いしますよ。」
「お客人、助かりますよ。
こっちのオドラビット、数が多いのでお願いできるかい。」
「承知。しかし、このオドラビット食えるのかい?」
「ははは、それは食べてみてからのお楽しみだね。
こんだけの量があれば、ひとり1枚あると思うよ。」
オドラビットと呼ばれるこの動物は亜人大陸にもいる。
あれは食べられない。
肉は硬く臭いのだ。
10数年前に発生した大飢饉の時に食べたことがあるが、どうしても飲み込むことが出来なかった。
何か食べる工夫があるにしても、あのまずさを消し去ることは出来まい。
とは言え、あれだけ村人が自信を持っているのだ。
それなりに食べれるようになるのだろう。
「よし、全て終わったぞ。」
「助かったよ。あんた早いな。」
「これでも猟師歴120年だからな。」
「120年?!あんた、そうかエルフだな。
長生きとは聞いているが120年とはな。
こりゃ俺達には絶対敵わねえや。」
俺はこの肉の処理方法が気になったので、肉に付いて調理場に向かった。
「あんたお客人だね。何か用かい?」
「この肉が旨く食べられると聞いて来たんだが、調理法を見せてくれないかい。」
「オドラビットだね。
美味いよ。今から調理してあげるから見といでよ。」
この豪快な女性は、わたしが渡した肉を包丁で細かく刻み始めた。
原形を留めないほどに細かくなったところで、塩と黒い小さな粒を振りかけた。
それを手のひらくらいの大きさにまとめて焼いていく。
ほど良いくらいに焼き色が付いたところで完成のようだ。
「ほら、オドラビットのハンバーグだよ。
美味しいよ。食べてみな。」
女性はその肉をわたしに薦めた。
ひと口食べてみる。
柔らかい。そして美味い。
外は少し歯応えあるが硬く無い。
噛むと中は柔らかく肉汁が口の中に広がる。
そして気付く。臭く無い。
ヤライでは食したことの無い美味さだ。
「美味い!」
「そうだろう。ありがとうね。
オドラビットって奴は、硬くって不味くってね、6年前までは誰も食べなかったんだよ。
でもね、マサルさん達がやって来て改革ってのを始めたんだ。
わたし達も一緒に頑張ってね。
この調理法もその時に見つけたんだよ。
今じゃ大陸中で食べられている有名な食べ方だよ。」
「こいつらはわたしの国にもいる。
この調理法さえあれば、食糧事情は大幅に改善されるかもしれんな。」
「あんたの国のことはよく分からないけど、この国じゃオドラビットっていうのはね、害獣なんだよ。
繁殖力が異常に強くてね、いくら狩っても減らないんだよね。
こうして食べられるようになるまでは大変な思いをして駆除しても焼却処分するしか無かったんだよ。
それが食べられるようになったんだからねぇ。
美味しいしね。
肉だから栄養もいっぱいだ。
おかげで、作物よりも天候に左右されることも無く、食糧を確保することが出来たんだよねえ。」
ヤライでは温暖な気候と水利にも恵まれて、作物の収穫量は多い。
ただ森が少なく、人口減の影響もあり肉類が不足している。
このオドラビットであれば、我等のところでも害獣として駆除しているので充分な量を確保できるのではないだろうか。
「ところで塩と一緒に入れていた黒い小さな粒は、何ですか?」
「ああ、あれはペッパーって言うんだよ。
森で採れる木の実を擦り潰したものさ。
ペッパーを入れると臭いを抑えてくれるし、味も引き締まるんだ。」
そう言うと緑色の粒と、それより少し小さめの黒い粒を見せてくれた。
「この緑の状態で木になっているのを収穫して乾かすんだ。
そうするとこの黒い色になる。
そしたら擦り潰して使うんだよ。」
この緑の木の実ならヤライの森にもあるかも知れない。
後でマサル殿に確認してみよう。
しかしこの村は本当に驚かされる。
水車による治水といい、新しい食材の開拓と調理方法の研究。
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