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第8章 亜人大陸の開発
13 【シリーからの情報】
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<<スパニ族宰相ハリー視点>>
コリーの報告後、半年経ったが何の音沙汰もない。
コリーに何かあったのだろうか?
ヤコブに何度か捜索に行かせたが、行方知れずだったという。
ところが、先日我が家の分家筋にあたるシリーから、とある情報が入った。
シリーは元諜報機関のトップで、今は行商人として各地を回っている。
「ハリー様、ご無沙汰しております。
少しお耳に入れたいことがありまして、旅から戻ってまいりました。」
「シリー、久しぶりだな。
行商の方はどうだい?」
「スパニは相変わらずですね。
ヤライ、ロンドー、ヤコブは稀に見る好景気に沸いておりますが。」
「やはりそうか。何故突然そうなったのか、調査させているのだが、なかなか難しいのだ。」
「ハリー様、それはコリーのことではありませんか?」
「シリー、何故それを知っている?」
「ヤコブの街で、コリーを見かけたもので、もしかするとと思いまして。」
「いつコリーにあった?
詳細を話してくれ。」
「1週間くらい前に。ヤコブの酒場で見かけました。」
☆シリーの回想☆
「いらっしゃい!
あら、コリーさん。仕事終わりかい?」
「そうなんだよ。今さっき終わって、ここに直行さ。」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。
コリーさんが初めてここに来てから、そろそろ半年じゃない。
どうだいヤコブの生活は?」
「いいねぇ、美味い飯と酒があって、見たこともないような品物が次から次に出てくる。
本当、いいところだよ。
また、今お世話になってる物流センターが気に入ってるんだ。
商会の中に学校があって、タダでいろいろ教えてくれるし、食堂もタダだし、風呂もあるし、何より仕事が楽しいんだよ。
本当にヤコブに来て良かったよ。」
「そうかい、そうかい、嬉しいね。
いつまでも、いておくれよ。コリーさん。」
☆☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「こんな感じで、すっかりヤコブに馴染んでいましたので、他人の空似かとも思いましたが。」
「………しかしコリーが元気そうだったのは僥倖だが。
なんでこんなことになっているのだ?」
「ヤコブは景気が非常に良く、様々な人種が集まっております。
コリーが働いているのは、恐らくカトウ運輸だと思われます。」
「カトウ運輸とは?
聞いたことの無い商会だな。」
「2年ほど前にロンドーに店舗を構えた商会です。
ジャボ大陸最大の商会と聞いております。
まだ創立15年くらいですが、ジャボ大陸各地の商品を取り扱って、ジャボ大陸全域で卸しを中心に活動していると聞いています。
このカトウ運輸がジャボ大陸の先進的な文明をロンドー、ヤライ、ヤコブに持ち込み、それらを指導したり支援したと聞いています。
現在は、ロンドーを中心としてヤライ、ヤコブにも『物流センター』と呼ばれる大規模な建物を使って3国の特産品やジャボ大陸の特産品を3国各地の商会に卸しています。
また、3国の特産品もジャボ大陸に大量に卸しているらしく、それが3国の急速な発展に繋がっているようです。」
「しかしジャボ大陸は、我が国では、その存在が確認されていない伝説の大陸だとなっているが、
ロンドーやヤライ、ヤコブはその存在を知っておったのだろうか?」
「ハリー様、ヤコブの族長ルソン殿のことはご存知でしょうか?」
「元族長の2男で、40数年前に後継者問題が出た時に失踪したと聞いていたが、2年ほど前に突然現れて、あっという間にヤコブを統一して族長になったと聞いているが。」
「その通りです。
ただ失踪したわけではなく、ジャボ大陸に亡命していたようです。」
「なんと!では、少なくともヤコブはジャボ大陸のことを知っておったのだな。」
「はい、ルソンからの定期的な手紙により、ヤコブは早い時期から知っていたのは間違いありません。
そしてヤコブと同盟関係にあったヤライも、ヤライ、ヤコブの監視をしていたロンドーもその情報を得ていたようです。」
「うーむ、知らぬは我が国だけだったのか。
しかし、何故最近になってこんなことになったのだ?」
「どうやら我が国が原因かと。
以前、ヤライを属国化しようとしましたね。
その時にヤライはヤコブを頼ろうとしたのですが、ヤコブは後継者争いでそれどころでは無かった。
そこで、ヤライは族長の娘をジャボ大陸に派遣し、ルソン殿を頼ったのです。
ハリー様、その時に族長の娘を拉致しようと控えていた我が国の隠密も、一緒にジャボ大陸に渡ったようです。
そして、ジャボ大陸で娘を拉致しようとしたところを、カトウ運輸の関係者に阻止されたようです。
事情を聞いたカトウ運輸の代表は、ジャボ大陸の強国であるキンコー王国の重鎮であり、国としてヤライの支援をすることになったといいます。
ルソン殿もその時に、一緒に戻って来たとのことです。」
「では、ヤライ侵攻戦の時にハリスがいいようにやられたのは、そのキンコー王国の支援があったからか!」
「恐らく。
ヤコブの後継者争いやロンドーのクーデターの時も裏にキンコー王国の存在があったとの情報もあります。」
「……………そんなにまでか。
とりあえず、陛下に連絡してから対策を考えよう。」
コリーの報告後、半年経ったが何の音沙汰もない。
コリーに何かあったのだろうか?
ヤコブに何度か捜索に行かせたが、行方知れずだったという。
ところが、先日我が家の分家筋にあたるシリーから、とある情報が入った。
シリーは元諜報機関のトップで、今は行商人として各地を回っている。
「ハリー様、ご無沙汰しております。
少しお耳に入れたいことがありまして、旅から戻ってまいりました。」
「シリー、久しぶりだな。
行商の方はどうだい?」
「スパニは相変わらずですね。
ヤライ、ロンドー、ヤコブは稀に見る好景気に沸いておりますが。」
「やはりそうか。何故突然そうなったのか、調査させているのだが、なかなか難しいのだ。」
「ハリー様、それはコリーのことではありませんか?」
「シリー、何故それを知っている?」
「ヤコブの街で、コリーを見かけたもので、もしかするとと思いまして。」
「いつコリーにあった?
詳細を話してくれ。」
「1週間くらい前に。ヤコブの酒場で見かけました。」
☆シリーの回想☆
「いらっしゃい!
あら、コリーさん。仕事終わりかい?」
「そうなんだよ。今さっき終わって、ここに直行さ。」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。
コリーさんが初めてここに来てから、そろそろ半年じゃない。
どうだいヤコブの生活は?」
「いいねぇ、美味い飯と酒があって、見たこともないような品物が次から次に出てくる。
本当、いいところだよ。
また、今お世話になってる物流センターが気に入ってるんだ。
商会の中に学校があって、タダでいろいろ教えてくれるし、食堂もタダだし、風呂もあるし、何より仕事が楽しいんだよ。
本当にヤコブに来て良かったよ。」
「そうかい、そうかい、嬉しいね。
いつまでも、いておくれよ。コリーさん。」
☆☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「こんな感じで、すっかりヤコブに馴染んでいましたので、他人の空似かとも思いましたが。」
「………しかしコリーが元気そうだったのは僥倖だが。
なんでこんなことになっているのだ?」
「ヤコブは景気が非常に良く、様々な人種が集まっております。
コリーが働いているのは、恐らくカトウ運輸だと思われます。」
「カトウ運輸とは?
聞いたことの無い商会だな。」
「2年ほど前にロンドーに店舗を構えた商会です。
ジャボ大陸最大の商会と聞いております。
まだ創立15年くらいですが、ジャボ大陸各地の商品を取り扱って、ジャボ大陸全域で卸しを中心に活動していると聞いています。
このカトウ運輸がジャボ大陸の先進的な文明をロンドー、ヤライ、ヤコブに持ち込み、それらを指導したり支援したと聞いています。
現在は、ロンドーを中心としてヤライ、ヤコブにも『物流センター』と呼ばれる大規模な建物を使って3国の特産品やジャボ大陸の特産品を3国各地の商会に卸しています。
また、3国の特産品もジャボ大陸に大量に卸しているらしく、それが3国の急速な発展に繋がっているようです。」
「しかしジャボ大陸は、我が国では、その存在が確認されていない伝説の大陸だとなっているが、
ロンドーやヤライ、ヤコブはその存在を知っておったのだろうか?」
「ハリー様、ヤコブの族長ルソン殿のことはご存知でしょうか?」
「元族長の2男で、40数年前に後継者問題が出た時に失踪したと聞いていたが、2年ほど前に突然現れて、あっという間にヤコブを統一して族長になったと聞いているが。」
「その通りです。
ただ失踪したわけではなく、ジャボ大陸に亡命していたようです。」
「なんと!では、少なくともヤコブはジャボ大陸のことを知っておったのだな。」
「はい、ルソンからの定期的な手紙により、ヤコブは早い時期から知っていたのは間違いありません。
そしてヤコブと同盟関係にあったヤライも、ヤライ、ヤコブの監視をしていたロンドーもその情報を得ていたようです。」
「うーむ、知らぬは我が国だけだったのか。
しかし、何故最近になってこんなことになったのだ?」
「どうやら我が国が原因かと。
以前、ヤライを属国化しようとしましたね。
その時にヤライはヤコブを頼ろうとしたのですが、ヤコブは後継者争いでそれどころでは無かった。
そこで、ヤライは族長の娘をジャボ大陸に派遣し、ルソン殿を頼ったのです。
ハリー様、その時に族長の娘を拉致しようと控えていた我が国の隠密も、一緒にジャボ大陸に渡ったようです。
そして、ジャボ大陸で娘を拉致しようとしたところを、カトウ運輸の関係者に阻止されたようです。
事情を聞いたカトウ運輸の代表は、ジャボ大陸の強国であるキンコー王国の重鎮であり、国としてヤライの支援をすることになったといいます。
ルソン殿もその時に、一緒に戻って来たとのことです。」
「では、ヤライ侵攻戦の時にハリスがいいようにやられたのは、そのキンコー王国の支援があったからか!」
「恐らく。
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「……………そんなにまでか。
とりあえず、陛下に連絡してから対策を考えよう。」
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