最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

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第8章 亜人大陸の開発

14 【さてどうしようか】

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<<ランス視点>>
僕とイリヤは今カトウ運輸のロンドー物流センターにいます。

どうしてって?

最近ロンドーやヤライ、ヤコブにスパニからの亡命者がたくさん入ってきているからなんです。

カトウ運輸でも、結構な数の亡命者が働いています。

お父様曰く、『亡命者は新しい土地で働くところも住むところも無い人が多いから、そのままにしておくと、困窮してしまう人が多い。
だから、早く働き先や住居を与えてあげた方が、本人達のためにも、街の治安面からも良いことなんだよ』って。

まぁカトウ運輸なら、寮も食堂も完備だから亡命者の人達が働くには最適かも。

特にスパニの人のほとんどは獣人だから身体能力は高いし、物流センターでの作業や配送には向いているかもね。





「会頭、最近入社したスパニからの亡命者達についてなのですが。」

番頭のヤングさんは、今こちらに来ていて、新しく採用した従業員達と個人面談しているみたい。

そして、今回面談した従業員の大半がスパニからの亡命者なんだよね。

今は会議室で、面談結果をお父様に報告しているところです。

だから、何故僕達がいるんだって?

実は僕とイリヤは国際連合から亜人大陸との正式な親善大使として任命されたからなんです。

亜人大陸の各国との円滑な関係を維持・発展させていくのが僕達2人の役割です。

今ロンドー、ヤコブ、ヤライの3国は国際連合にも加盟し、非常に良好な関係にあります。

経済的にも安定し、目立ったトラブルも無いから安心なんだけど、スパニだけ孤立しているんです。

元々スパニは他の3国とずっと対立しているから、孤立しているのは前からなんだけど、3国が同盟を結びジャボ大陸との国交まで出来てしまったから、亜人大陸におけるスパニの立ち位置が微妙なんだよね。

親善大使としては、少しでも亜人大陸に懸念があるなら、スパニの情報も掴んでおきたいんだけど、なかなかその機会が無かったんだ。

今日ヤングさんがお父様にスパニからの亡命者の面談結果を報告するって聞いたから、お父様にお願いして一緒に聞かせてもらっています。


「まずスパニの状況ですが、ここ数年の急激な軍備の増強のために、税が国民の限界を超えるほどに上昇しているようです。

また、2年前のヤライ出兵で、数万人単位の兵力を失ったため、その補充として無理な徴兵も行われています。

村々からは若い男性が兵士として徴発され、耕作自体が滞る有様にも関わらず高い税を要求されて、疲弊した農民が大量に亡命しているようです。

また軍においても、軍隊上層部の腐敗が激しく、兵に倦厭気分が蔓延しているそうで、今回面談した中にも、多数の元兵士が混じっていました。」

「そうですか。スパニもひどいことになっているようですね。
ただそんな中でも軍備の増強をしているということは、他国への侵攻を諦めていないということですね。」

「恐らくそうだと思われます。」

「ヤングさんありがとうございます。一度国際連合の会議にかけて、今後の対応について検討してみます。」


ヤングさんの報告が終わり、別の話しがあるとのことで、僕達はその場を後にしました。



「お父様も大変なことになっているみたいね。わたし達にも何かできることはないでしょうか?」

「うん~ん。難しいよね。国レベルの話しになっちゃうと、僕達じゃまだまだ無理だよね。」

「でもね、困っている人達がたくさんいるのが分かっているのに、何もしないなんて嫌だわ。」

「イリヤの言うことは良く分かるよ。

せっかく国際連合から親善大使なんてたいそうな肩書をもらったんだから、何かしたいよね。

何が出来るか、よく考えてみようか。」

今回の問題は、明らかにスパニの内部的な問題です。

スパニに抗議して亡命者を返すことは出来ますが、そんなことをすると、亡命者に待っているのは死のみでしょう。

『スパニがこちらに何か言って来ない以上、こちらから手を出すのは内政干渉となり、それを口実にスパニは戦争を仕掛けてくるだろう。』ってお父様が言っていました。

本当に厄介な問題だと思います。

そんなことを話しながら、イリヤとロンドーの街を抜けて、スパニとの国境付近の村までやって来ました。

実はロンドー王妃になったデカさんから、美味しいスイーツを作っている店がこの村にあると聞いていたので、イリヤの沈んだ気持ちを何とかしたいと思って、ここまで来たのです。

「イリヤ、前にデカさんが言ってた美味しいスイーツのある村に着いたよ。

食べて行こうよ。」

「うん。お兄ちゃん、優しいね。大好きだよ。

さあ早く行こうよ。」

イリヤは俯いていた顔を上げて、満面の笑みを浮かべると、僕の腕をとって走り出した。

はっきり言おう。
美味しかった。この店のスイーツは天下一品と言って過言ではない。

至福の顔をしながら食べていたイリヤだったが、食べ終わってからの残念な顔が面白かったのは内緒。

もちろんお土産にたくさん買ったのは当然だよね。





「く、来るなー、やめろー」

遠くから女の人の声がかすかに聞こえます。

イリヤも聞こえたようで、2人で顔を見合わせ確認すると、声のした方へ急いで飛んでいきました。


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