223 / 382
第10章 ダンジョン攻略
10 【ダンジョン再攻略4】
しおりを挟む
<<グリル視点>>
5階層目はサリの活躍もあり、無事終了した。
この間にも、ランス様やナルン達による研修が行われ、魔素を集める訓練やそれを放出するための訓練が行われている。
徐々にではあるが、それらを習得する者も増えていき、より多くの冒険者による同時攻撃が可能となった。
6階層目、7階層目と冒険者達だけで問題なく探索は行われ、8階層目にたどり着く。
8階層目は、階段を降りたところが既に川になっていた。
どうやらこのフロアは水棲の魔物エリアのようだ。
水の中は足場が取られやすく、剣士には不利な条件となる。
また火魔法も水の中から攻撃してくる魔物には効きにくい。
雷魔法なんてもってのほかで、水を介して感電してしまう。
そのため、強力な魔法の多くが制限されることとなる。
ここでの定石は、足場を確保しながら慎重に剣士を先頭として進んで行くことしかないのだが、マサル様が突拍子もない攻略方法を提案された。
『土魔法で水の下の地面自体を上昇させ有利な形で勝負をかける』というものだ。
これだけ広大な領域に対し、土魔法という比較的魔力効率の良くない魔法を使うということは通常魔法使いの魔力量から考えてあり得ない。
ただ、今の俺達は違う。
ダンジョン内の魔素を集めて魔法を使えるものが大勢いるのだ。
これだけの人数と、魔素を集めることが出来る能力があるからこそ採れる手段だった。
早速、土地を隆起させる魔法のイメージの仕方をレクチャーしてもらった。
これは案外イメージし易く、大方の者がすぐに使えるようになった。
早速30名ほど選抜してそれぞれの区画を割り振り、土魔法を発動させた。
見渡せる範囲の水底が隆起し、あたり一面平坦な土床になった。
魚や甲殻類の魔物は上がってきている。
「それ、上に上がってきた魔物を殲滅するのだ。」
土魔法を使った30人以外の冒険者に号令を出し、水から出されて動きの鈍い魔物を殲滅していく。
小1時間ほどで辺り一面の魔物は片付いた。
同じ調子で次の水エリアも攻略していく。
魔物の中には、雷魔法を発して広範囲の冒険者を行動不能にしてしまうウナギや、小さいながらも大群で襲いかかり鋭い牙で骨まで食らいつくしてくるピラニーと呼ばれる狂暴種までいて、皆は驚愕していた。
こんな狂暴な奴らも土に上がってしまえば大した敵ではない。
次々に撃破していき、ついに8階層目も突破できた。
さすがにここまで来ると皆の疲労の色も隠せない程になってくる。
「そろそろこの辺で今日の探索を終了したいと思います。」
マサル様の了承を取り、いつものように転移の魔道具で庁舎に戻るのであった。
<<解体室長ベンチ視点>>
ダンジョン攻略部隊が帰って来やがった。
今日も順調だったみたいだな。
「さあ、解体作業を始めるか。
今日は大漁だったからな。
解体が大変だぜ。」
大変だと言いながらも嬉しそうにしてやがる。
この前ランス様の研修があり、皆んなの魔法能力が飛躍的に向上したらしい。
あの魔力ゼロって言われてた剣士のナルンでさえ、魔法が使えるようになったって聞いたが。
おかげで、解体室はホクホク顔の冒険者達でいっぱいになっちまった。
この調子じゃあ、朝までここは使えねぇな。
久しぶりに早く帰って寝るとするか。
<<マサル視点>>
執務室にグリルさんが来ている。
「マサル様、本当にありがとうございます。
マサル様とランス様のおかげで、うちの冒険者達の力はかなり向上しました。
おかげさまで、討伐した魔物の解体処理で、皆大騒ぎしています。
それで相談なのですが、解体した魔物の素材を販売するルートを決めておきたいと思っています。
今のうちに決めておかないと、後で揉める可能性がありますので。
せっかくですから、カトウ運輸で一括引き取りをお願い出来ませんでしょうか?」
「それだと、カトウ運輸の仲介料分高くなってしまいませんか?」
「そうなのですが、どこに販売しても、地消分以外は運送費が高くつくので、あまり変わらないかと。
逆にカトウ運輸の運送網を使えば、安くなる可能性もあります。」
「分かりました。ヤングさんに話しておきますね。
詳細な話しはヤングさんとお願いします。
国内で流通する分については、卸値を抑えるように言っておきます。」
「マサル様、ご配慮ありがとうございます。」
「いえ、ダンジョン自体、『棚ぼた』みたいなものですからね。
皆さんの暮らしが良くなるのでしたら、何の問題も無いですよ。」
「『棚ぼた』?何でしょうか、それは?」
「ああ、わたしの出身地のことわざですよ。『棚から牡丹餅』を略してるんですがね、『突然棚の上からパンが落ちて来てラッキーだ』って意味ですね。」
「確かに、予想もしなかったところからダンジョンが出てきたのですからね。
しかも、結構な高級食材になりそうな物が多いですし。
確かに『棚ぼた』ですな。ははははは。」
笑いながらグリルさんは帰って行った。
さあ、ヤングさんに連絡を入れて、わたしも帰りますか。
5階層目はサリの活躍もあり、無事終了した。
この間にも、ランス様やナルン達による研修が行われ、魔素を集める訓練やそれを放出するための訓練が行われている。
徐々にではあるが、それらを習得する者も増えていき、より多くの冒険者による同時攻撃が可能となった。
6階層目、7階層目と冒険者達だけで問題なく探索は行われ、8階層目にたどり着く。
8階層目は、階段を降りたところが既に川になっていた。
どうやらこのフロアは水棲の魔物エリアのようだ。
水の中は足場が取られやすく、剣士には不利な条件となる。
また火魔法も水の中から攻撃してくる魔物には効きにくい。
雷魔法なんてもってのほかで、水を介して感電してしまう。
そのため、強力な魔法の多くが制限されることとなる。
ここでの定石は、足場を確保しながら慎重に剣士を先頭として進んで行くことしかないのだが、マサル様が突拍子もない攻略方法を提案された。
『土魔法で水の下の地面自体を上昇させ有利な形で勝負をかける』というものだ。
これだけ広大な領域に対し、土魔法という比較的魔力効率の良くない魔法を使うということは通常魔法使いの魔力量から考えてあり得ない。
ただ、今の俺達は違う。
ダンジョン内の魔素を集めて魔法を使えるものが大勢いるのだ。
これだけの人数と、魔素を集めることが出来る能力があるからこそ採れる手段だった。
早速、土地を隆起させる魔法のイメージの仕方をレクチャーしてもらった。
これは案外イメージし易く、大方の者がすぐに使えるようになった。
早速30名ほど選抜してそれぞれの区画を割り振り、土魔法を発動させた。
見渡せる範囲の水底が隆起し、あたり一面平坦な土床になった。
魚や甲殻類の魔物は上がってきている。
「それ、上に上がってきた魔物を殲滅するのだ。」
土魔法を使った30人以外の冒険者に号令を出し、水から出されて動きの鈍い魔物を殲滅していく。
小1時間ほどで辺り一面の魔物は片付いた。
同じ調子で次の水エリアも攻略していく。
魔物の中には、雷魔法を発して広範囲の冒険者を行動不能にしてしまうウナギや、小さいながらも大群で襲いかかり鋭い牙で骨まで食らいつくしてくるピラニーと呼ばれる狂暴種までいて、皆は驚愕していた。
こんな狂暴な奴らも土に上がってしまえば大した敵ではない。
次々に撃破していき、ついに8階層目も突破できた。
さすがにここまで来ると皆の疲労の色も隠せない程になってくる。
「そろそろこの辺で今日の探索を終了したいと思います。」
マサル様の了承を取り、いつものように転移の魔道具で庁舎に戻るのであった。
<<解体室長ベンチ視点>>
ダンジョン攻略部隊が帰って来やがった。
今日も順調だったみたいだな。
「さあ、解体作業を始めるか。
今日は大漁だったからな。
解体が大変だぜ。」
大変だと言いながらも嬉しそうにしてやがる。
この前ランス様の研修があり、皆んなの魔法能力が飛躍的に向上したらしい。
あの魔力ゼロって言われてた剣士のナルンでさえ、魔法が使えるようになったって聞いたが。
おかげで、解体室はホクホク顔の冒険者達でいっぱいになっちまった。
この調子じゃあ、朝までここは使えねぇな。
久しぶりに早く帰って寝るとするか。
<<マサル視点>>
執務室にグリルさんが来ている。
「マサル様、本当にありがとうございます。
マサル様とランス様のおかげで、うちの冒険者達の力はかなり向上しました。
おかげさまで、討伐した魔物の解体処理で、皆大騒ぎしています。
それで相談なのですが、解体した魔物の素材を販売するルートを決めておきたいと思っています。
今のうちに決めておかないと、後で揉める可能性がありますので。
せっかくですから、カトウ運輸で一括引き取りをお願い出来ませんでしょうか?」
「それだと、カトウ運輸の仲介料分高くなってしまいませんか?」
「そうなのですが、どこに販売しても、地消分以外は運送費が高くつくので、あまり変わらないかと。
逆にカトウ運輸の運送網を使えば、安くなる可能性もあります。」
「分かりました。ヤングさんに話しておきますね。
詳細な話しはヤングさんとお願いします。
国内で流通する分については、卸値を抑えるように言っておきます。」
「マサル様、ご配慮ありがとうございます。」
「いえ、ダンジョン自体、『棚ぼた』みたいなものですからね。
皆さんの暮らしが良くなるのでしたら、何の問題も無いですよ。」
「『棚ぼた』?何でしょうか、それは?」
「ああ、わたしの出身地のことわざですよ。『棚から牡丹餅』を略してるんですがね、『突然棚の上からパンが落ちて来てラッキーだ』って意味ですね。」
「確かに、予想もしなかったところからダンジョンが出てきたのですからね。
しかも、結構な高級食材になりそうな物が多いですし。
確かに『棚ぼた』ですな。ははははは。」
笑いながらグリルさんは帰って行った。
さあ、ヤングさんに連絡を入れて、わたしも帰りますか。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ!
「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた!
俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる