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第10章 ダンジョン攻略
16 【ダンジョン踏破1】
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<<ナルン視点>>
竜族の長に出会ってから2週間経ち、ダンジョンも65階層目に到達した。
少しペースは落ちているが、ダンジョンの難易度から見れば、順当だと言えるだろう。
55階層を過ぎてからは、ゴーレムが中心となった。
力のある巨大ゴーレム、剣を持った剣士ゴーレム、炎や水、風の魔法を使う魔法ゴーレム、素早い動きで翻弄してくる神速ゴーレム等その種類は多彩だ。
そして何より厄介なのは、コイツ等は仲間を召喚するのだ。
これらのゴーレムは、明らかになんらかの意図を持って作為的に作られた物のようだ。
ゴーレム達は3体以上の隊列を組んで規則正しく巡回している。
これが最低でも100組み以上はいると思われる。
どの通路にいても、1分と間を置かず巡回に来るのだ。
いちばん初め交戦した時は、まともに剣士ゴーレム達と対峙したが、仲間を呼ばれ、あちこちから現れた応援ゴーレムに囲まれてしまい、危ういところだった。
転移の魔法陣を使い、なんとか脱出出来たのだが。
とにかく、遭遇したら仲間を呼ばれる前に早く3体を仕留めないと、先に進め無さそうだ。
それからは前衛の攻撃部隊を強化して、敵1隊を素早く殲滅することにして、なんとか前進出来るようになった。
5度のゴーレムのスタンピードを乗り越えて、ようやく今日65階層に辿り着いた。
「この階層はまた他とは違った雰囲気があるな。」
横にいるサリが話しかけてくる。
「サリも気付いたか。
俺もそう思った。最下層の匂いがぷんぷんするぞ。」
サリはこの攻略隊の前衛として、初期の頃から参加している。
俺にとっては、既に欠かせない相棒になっている。
「ナルン、慎重に進もう。
トラップや隠し扉、幻惑等が多そうだ。」
たしかに俺の経験上、階段を降りたところが静かなダンジョンは、仕掛けが多く、最後の部屋に辿り着くのに時間が掛かることが多い。
「よし、探索スキルを持つ者達、前に出ろ。
ここが最深部の可能性が高い。
この階層は、仕掛けや隠し扉等見逃さないように頼むぞ。」
俺は過去の経験に基づく注意事項を彼等に与えて、前に送り出した。
案の定、罠や仕掛けがワンサカと出てくる。
中には罠を解除しようとすると、毒ガスが出てくる罠もあり、危険この上無い。
100メートルを10分掛けて進むくらいのペースで進んでいるから、遅々として進まない。
皆に苛立ちが訪れるが、焦りは禁物だ。
この焦らせること自体が罠であることも経験上、知っている。
皆を焦らさないように落ち着かせながら、慎重にダンジョンを進んで行く。
「サリ、皆んなの疲労はどんなもんだ?」
「適度なところで、ローテーションさせているから、疲労感は少ないと思う。
ただ、景色が変わらないから、怠惰感は広がっているわね。
それよりもナルン、あなたが休んだら。
もう、何時間も最前線で気を張っているでしょ。」
「俺はまだまだ大丈夫だ。」
「そんな無理をしないで。
あなたが休まないと、前を行く彼等も休めないじゃない。」
「そうだな。
おーい、少し休憩するぞ。
第3隊は、前の警戒を、第4隊は後ろの警戒をおこたるなよ。」
俺達が今いるのは、65階層の階段から5キロメートルほど奥に歩いたとこら辺だ。
他の階層から考えて、間もなく降りる階段に当たる頃だと思う。
「なぁサリ、この階層が最深部だとして、最後に何があると思う?」
「そうね、他のダンジョンだと各階層の終わりにボスが現れるんだけど、このダンジョンには見当たらないからねぇ。
案外何も無かったりして。」
そうなんだよな。
普通ダンジョンは奥に入るほど魔素が強くなっていき、各階層の降り口辺りが一番濃くなっている。
そしてそこには、その階層で一番強い奴がいるもんなんだ。
そいつのことをボスって呼んでいる。
そのボスがこのダンジョンには見当たらないんだ。
そのかわり、全ての魔物が他のダンジョンよりも強くて、統制が取れた動きをしているように思う。
「サリ、お前の推測は正しいかも知れねぇな。
ここの魔物は、まるで何かを守っているような感じがするしな。」
休憩に入って30分くらい経った。
「よし皆んな、休憩は終わりだ。
先に進むぞ。」
少しの時間だったが、前を行くメンバーのリフレッシュにはなったようだ。
探索は順調に進んで行く。
やがて、前方に大きな門が見えた。
慎重に門まで進む。
赤い棒を4本組み合わせたような形で、扉も無いのにその下を潜れない。
透明な何かに阻まれてしまうのだ。
「ナルンさん、この門どうしても潜れませんぜ。」
探索スキルを持っていても出来ないようだ。
しかたねえ。
俺はトランシーバーで、ギルド長に連絡を入れる。
「こちらグリルだ。
ナルンか、どうした。」
「グリルさん、65階層の最奥に、妙な門があってそこから先に進めないんでさあ。」
「どんな門だ。」
「赤くて丸い巨大な丸太が4本で、横に2本、縦に2本がクロスしている感じだな。」
「それって、上の方に横棒が2本あって、上の棒を突き抜けないように、縦棒が2本垂直にクロスしていますか?」
やや興奮気味のマサル様の声が聞こえてきた。
「そうです。そんな感じです。
って、マサル様、この門ご存知なのですか?」
「いや、知っている物に似ているなって思ったんで。
わたしも今からそっちに行きます。
すぐに行くので、そのまま動かないで下さいね。」
竜族の長に出会ってから2週間経ち、ダンジョンも65階層目に到達した。
少しペースは落ちているが、ダンジョンの難易度から見れば、順当だと言えるだろう。
55階層を過ぎてからは、ゴーレムが中心となった。
力のある巨大ゴーレム、剣を持った剣士ゴーレム、炎や水、風の魔法を使う魔法ゴーレム、素早い動きで翻弄してくる神速ゴーレム等その種類は多彩だ。
そして何より厄介なのは、コイツ等は仲間を召喚するのだ。
これらのゴーレムは、明らかになんらかの意図を持って作為的に作られた物のようだ。
ゴーレム達は3体以上の隊列を組んで規則正しく巡回している。
これが最低でも100組み以上はいると思われる。
どの通路にいても、1分と間を置かず巡回に来るのだ。
いちばん初め交戦した時は、まともに剣士ゴーレム達と対峙したが、仲間を呼ばれ、あちこちから現れた応援ゴーレムに囲まれてしまい、危ういところだった。
転移の魔法陣を使い、なんとか脱出出来たのだが。
とにかく、遭遇したら仲間を呼ばれる前に早く3体を仕留めないと、先に進め無さそうだ。
それからは前衛の攻撃部隊を強化して、敵1隊を素早く殲滅することにして、なんとか前進出来るようになった。
5度のゴーレムのスタンピードを乗り越えて、ようやく今日65階層に辿り着いた。
「この階層はまた他とは違った雰囲気があるな。」
横にいるサリが話しかけてくる。
「サリも気付いたか。
俺もそう思った。最下層の匂いがぷんぷんするぞ。」
サリはこの攻略隊の前衛として、初期の頃から参加している。
俺にとっては、既に欠かせない相棒になっている。
「ナルン、慎重に進もう。
トラップや隠し扉、幻惑等が多そうだ。」
たしかに俺の経験上、階段を降りたところが静かなダンジョンは、仕掛けが多く、最後の部屋に辿り着くのに時間が掛かることが多い。
「よし、探索スキルを持つ者達、前に出ろ。
ここが最深部の可能性が高い。
この階層は、仕掛けや隠し扉等見逃さないように頼むぞ。」
俺は過去の経験に基づく注意事項を彼等に与えて、前に送り出した。
案の定、罠や仕掛けがワンサカと出てくる。
中には罠を解除しようとすると、毒ガスが出てくる罠もあり、危険この上無い。
100メートルを10分掛けて進むくらいのペースで進んでいるから、遅々として進まない。
皆に苛立ちが訪れるが、焦りは禁物だ。
この焦らせること自体が罠であることも経験上、知っている。
皆を焦らさないように落ち着かせながら、慎重にダンジョンを進んで行く。
「サリ、皆んなの疲労はどんなもんだ?」
「適度なところで、ローテーションさせているから、疲労感は少ないと思う。
ただ、景色が変わらないから、怠惰感は広がっているわね。
それよりもナルン、あなたが休んだら。
もう、何時間も最前線で気を張っているでしょ。」
「俺はまだまだ大丈夫だ。」
「そんな無理をしないで。
あなたが休まないと、前を行く彼等も休めないじゃない。」
「そうだな。
おーい、少し休憩するぞ。
第3隊は、前の警戒を、第4隊は後ろの警戒をおこたるなよ。」
俺達が今いるのは、65階層の階段から5キロメートルほど奥に歩いたとこら辺だ。
他の階層から考えて、間もなく降りる階段に当たる頃だと思う。
「なぁサリ、この階層が最深部だとして、最後に何があると思う?」
「そうね、他のダンジョンだと各階層の終わりにボスが現れるんだけど、このダンジョンには見当たらないからねぇ。
案外何も無かったりして。」
そうなんだよな。
普通ダンジョンは奥に入るほど魔素が強くなっていき、各階層の降り口辺りが一番濃くなっている。
そしてそこには、その階層で一番強い奴がいるもんなんだ。
そいつのことをボスって呼んでいる。
そのボスがこのダンジョンには見当たらないんだ。
そのかわり、全ての魔物が他のダンジョンよりも強くて、統制が取れた動きをしているように思う。
「サリ、お前の推測は正しいかも知れねぇな。
ここの魔物は、まるで何かを守っているような感じがするしな。」
休憩に入って30分くらい経った。
「よし皆んな、休憩は終わりだ。
先に進むぞ。」
少しの時間だったが、前を行くメンバーのリフレッシュにはなったようだ。
探索は順調に進んで行く。
やがて、前方に大きな門が見えた。
慎重に門まで進む。
赤い棒を4本組み合わせたような形で、扉も無いのにその下を潜れない。
透明な何かに阻まれてしまうのだ。
「ナルンさん、この門どうしても潜れませんぜ。」
探索スキルを持っていても出来ないようだ。
しかたねえ。
俺はトランシーバーで、ギルド長に連絡を入れる。
「こちらグリルだ。
ナルンか、どうした。」
「グリルさん、65階層の最奥に、妙な門があってそこから先に進めないんでさあ。」
「どんな門だ。」
「赤くて丸い巨大な丸太が4本で、横に2本、縦に2本がクロスしている感じだな。」
「それって、上の方に横棒が2本あって、上の棒を突き抜けないように、縦棒が2本垂直にクロスしていますか?」
やや興奮気味のマサル様の声が聞こえてきた。
「そうです。そんな感じです。
って、マサル様、この門ご存知なのですか?」
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