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第3部 恋するウサギはくじけないっ!
第22話 ぱんぱかパーンツ! の、ぱんパンティー♪
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『警告、警告! 本館に不審者が侵入、警備員は今すぐ玄関に集合せよ! 繰り返す。本館に不審者が侵入、警備員は今すぐ――』
ウォン、ウォン、ウォン、ウォン! と甲高い音が屋敷中に響き渡る。
さらに耳を澄ませば、バタバタッ!? と人が忙しなく動き回っていることが、簡単に聞き取れた。
司馬ちゃんの咆哮が闇夜を切り裂いた、5分後の司馬家にて。
現在俺たちは、弾かれたように司馬ちゃんの部屋から脱出し、2階の長い廊下を必死で駆けながら、全速力で司馬邸からに逃げ出そうと、1階へと走り向かっていた。
「チクショウ! うさみんがパンツなんかに気をとられるから、バレちまったじゃねぇか!」
「ワガハイのせいか!? もとはといえば、古羊同級生が大きな声を出すから!」
「ご、ごごごご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁいっ!?」
「終わったことをグチグチ言っている場合ではありませんよ、みなさんっ! 口を動かしているヒマがあるなら、足を動かしてください!」
お互いに悪態を吐きながら(若干1名泣いているが)全力疾走で廊下を駆け抜ける。
その間にも、後ろの方から野太い男の「居たぞ! 2階の中央廊下だ!」と叫ぶ声が聞こえてくる。
ビリビリとした緊張感が、肌を粟立てる。
自然と呼吸が荒いものへと変わっていくのに、そう時間はかからなかった。
「ヤバいぞ、どんどん人が集まってくるのじゃ! このままでは、捕まるのも時間の問題じゃぞ!?」
「えぇ~んっ!? 助けてお母さぁ~んっ!」
「泣くな、よこたん! まだ諦めるような時間じゃない!」
「士狼っ!」
芽衣が鋭く俺の名前を呼び、前方の窓に視線を向けた。
その窓は、どういうわけか開けっ放しで、頑張れば3人一緒に通れるくらいの大きさだ。
……なるほど、そういうことか!
俺はすぐさま芽衣のやろうとしていることを理解し、小さく頷いた。
瞬間、パワードスーツの恩恵を得た芽衣の身体がグンッ! と加速。
その勢いのまま、どこからともなく取り出したハイブリッド偽乳パッド――通称ハイパッド1号を地面に力いっぱい叩きつける。
「全員、目を瞑りなさい!」
芽衣の掛け声と共に、激しい閃光が廊下を包み込む。
その目が眩むほどの圧倒的な光を前に、俺たちを追いかけていた使用人たちが「うぅっ!?」と目元を押さえて、うずくまる。
俺は『なんでパッドに閃光弾なんか仕込んでるの? バカなの? イカレなの?』というツッコミをグッと抑え、廊下を駆ける。
使用人たちの視力が回復した頃には、すでに芽衣は勢いよく窓の外へと身を放り投げていた。
そのまま真下にあった木を利用して、器用に降りると、何事も無かったかのように塀の傍へと走り出す。
それに続くように、俺もよこたんとうさみんを小脇に抱きかかえ、窓から弾丸の如く身を投げ出した。
「ひゃわーっ!?」
「ナニをするんじゃ1号ぉぉぉッッ!?!?」
「喋ってると舌噛むぞっ!」
一瞬の浮遊感のあとに、自由落下という名の不自由な加速が俺たちの身を襲う。
悲鳴をあげる巨乳とロリ巨乳のお乳さまが、重力に逆らうかの如くブルン♪ と大きく揺れるのと同時に、俺は芽衣と同じくパワードスーツの能力をフルに活用して地面へと着地する。
2階の窓からは俺たちを追っていた警備員たちが、驚きの声をあげていた。
「な、なんだ、あの身のこなしは!? あの2人、本当に人間か!?」
「なんて運動神経してやがるんだ!? 普通に気持ち悪いわ!」
酷い言われようである。
ちょっと司馬ちゃん?
使用人の教育が行き届いていませんわよ?
もっとしっかりしてください!
俺は2階の警備員たちに中指を突き立て、そのまま踵を返し、塀の傍まで走り出した。
そこには、もうすでに芽衣が準備万端とばかりに塀に背中を預け、腰を降ろし、両手を重ねて俺が来るのを待っていた。
「行くぞ!」
「来なさい!」
芽衣の掛け声とともに、俺は2人を抱きかかえたまま、全速力で走り抜ける勢いで、我らが会長さまの元まで急接近。
そのまま彼女の両手を踏み台に、カタパルトの要領で塀の上まで登りきる。
すぐさま抱えていた2人を下ろし、塀の下に手を伸ばす。
途端にパワードスーツで強化された芽衣の脚部が、ギチギチと唸りを上げ、大ジャンプ。
3メートルほどジャンプしたところで、芽衣の右手をガッツリキャッチ。
「ファイトぉぉぉぉぉぉっ!」
「いっぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!」
気合一閃。
グイッ! と芽衣の身体を強引に塀の上に引っ張り上げ、ミッションコンプリート。
そしてどこからともなく4人同時に頷くと、全員揃って司馬邸の外へと飛び降り、闇夜に溶けるようにして司馬ちゃんのお宅を後にした。
「た、助かったよぉぉぉぉぉ~」
「さ、さすがのワガハイもヒヤヒヤしたのじゃ……」
「ぶはぁ~っ!? つ、疲れたぁぁぁぁぁっ」
「ほんと冗談抜きで死ぬかと思いましたよ……」
追手が来ないことを確認し、ようやく足を止める俺たち。
途端に身体中からドッ! と汗が噴き出してきた。
それはどうやら他の3人も同じようで、覆面を脱ぎながら、荒い呼吸を繰り返している。
どうでもいいけど、荒い呼吸を繰り返す女の子って、なんかエロいよねっ!
「もうこんなコトはコリゴリだよぉ……」
「そうですね。流石に今回の件で、司馬さんの方も警戒しちゃったでしょうし、今後は司馬さんの周りをウロウロするのは控えましょうか。何か別の案を考えないといけませんね」
「あ、危ないことはもうナシだよ、メイちゃん!」
「分かっていますよ。そもそも、今回の作戦立案は士狼なんですから、わたしを責めるのは、お門違いですよ洋子」
必死の形相で、姉に釘を刺す妹。
よほど怖かったのだろう、目元が月の光に照らされてキラキラしていた。
そんな2人のやりとりを目視しながら、俺は手の甲で額の汗を乱暴に拭っていた。
「あぁ、もう緊張やら興奮やらで汗がすごい。ほんと鬱陶しい!」
「ならコレを使うか下僕1号?」
そう言って、うさみんは何故か手に持っていた布きれを俺に手渡してきた。
ほぉ、うさみんにしては珍しく優しいじゃねぇか?
さては俺に惚れたな?
「うさみんにしては気が利くじゃねぇの。よくハンカチなんて持っていたもんだ。これが乙女の嗜みってヤツか?」
「いやぁ、ワガハイも不思議なんじゃよ。本当は持ってきていないハズなのじゃがなぁ」
「……はっ? じゃあ、このハンカチは何だよ?」
綻びかけた顔がピシリッ、と固まる。
……なんだか、すげぇ嫌な予感がする。
俺は背筋に走る悪寒に突き動かされるように、ロリ巨乳から受け取ったハンカチを、その場でペロン♪ と広げてみせた。
それは明るいキャンディーカラーに、妙にスベスベした生地で作られていて、三角形で穴が三つ開いている、中央にチョコンと小さな赤いリボンがあしらわれている、とてもとてもポップでラブリーな。
「パンティーじゃねぇかぁぁぁぁぁっ!?」
グシャッ! とパンティーを握り締める。
おい、待て!
おまえ、コレまさか!?
「うさみん、テメェこれ……。司馬ちゃんのパンティーじゃねぇの!?」
「ど、どうやら気が動転して、持って来てしまったらしいのう……。どうしよう?」
「『どうしよう?』じゃねぇよ!? ほんとどうすんだ、コレ!?」
司馬ちゃんのパンティを力強く握りながら、頭を抱える。
俺達の騒ぎに気付いたのか、芽衣とよこたんが俺の握り締めているパンツを確認し「ま、まさか!?」といった表情を浮かべた。
「う、ウサミさん!? まさかソレ、持って来ちゃったの!?」
「古羊同級生……どうしよう、コレ?」
「ど、『どうしよう』って……。それはまぁ……返しに行くしかないよね?」
「洋子? アナタ、もう1度あの場所に忍び込む勇気、ありますか?」
「むむむ、無理だよぉっ!? 出来っこなよぉっ!?」
「わたしもです」
「もちろんワガハイも無理じゃっ!」
3人同時に肯定する。
もちろん俺だってMU☆RI♪
正直あの屋敷に再び忍び込むのは、もうコリゴリだ。
なら、やるべきことは1つ。
「……明日、さりげなく学校で渡すしかない」
「いや、もう普通に捨てればよくないかえ?」
「ふざけんな! 司馬ちゃんのパンティーを捨てろだと!? 貴様それでも人間かぁ!?」
「そ、そんなに怒るでない、ちょっとしたジョークであろうが」
突然男に威嚇されたからか、瞳に涙の膜を作るロリ巨乳。
チッ、これだから素人は。
コイツは知らないんだ、このパンティーに一体どれだけの価値があるのかを。
これをウチの高校の野郎共に売れば、1年間はお小遣いに困ることはないだろう。
それほどまでにプレミアムなパンティーなんだぞ!?
テメェの染みつき汚パンツとは、ワケが違うんだよ!
率直に言えば、我が家の家宝にしたいくらいだ!
まぁ、芽衣とよこたんが殺戮者のような目で睨んでくるから、しないけどさ!
「とりあえず、司馬ちゃんの弱味を握るのは後回しだ。まずはこのパンティーを、無事に司馬ちゃんに返すことを最優先目的とする。異論は認めん!」
「えぇ~、それってワガハイも絶対に手伝わないといけないヤツかえ?」
「当たり前だろうが!」
当然だ、と首を縦に振る。
瞬間、ガクッ、と肩を落とす、ガッカリうさみん。
「こんなの天才のワガハイがする仕事じゃない……」なんて愚痴りながら、俺の隣をトボトボ歩く。
そんな彼女と家路につきながら、どうやってパンティーを返すべきか、俺はずっと頭を悩ませ続け――
「ところで士狼? そのポケットに仕舞い込んだ司馬さんのパンツは、一体どうするつもりですか?」
「まさか、ししょーが持って帰るつもりじゃないよねぇ?」
「お、おいやめろ! 満面の笑みで俺に近づくな! ちょっ、やめ!? やめてぇぇぇぇぇっ!?」
不自然なくらい笑顔な古羊姉妹に、お宝をボッシュートされる。
瞬間、俺のお股に住んでいたシロウジュニアが「あぁっ!?」と切ない声をあげた。
ごめんよ、パパが不甲斐ないばかりに……。
ホントごめんよっ!?
結局、司馬ちゃんのパンツは、うさみんが保管するという納得いかない形で、今夜はお開きという流れになった。
ふと見上げた星空は、雲1つない綺麗な夜空なハズなのに、なんでか俺には滲んで見えた。
ウォン、ウォン、ウォン、ウォン! と甲高い音が屋敷中に響き渡る。
さらに耳を澄ませば、バタバタッ!? と人が忙しなく動き回っていることが、簡単に聞き取れた。
司馬ちゃんの咆哮が闇夜を切り裂いた、5分後の司馬家にて。
現在俺たちは、弾かれたように司馬ちゃんの部屋から脱出し、2階の長い廊下を必死で駆けながら、全速力で司馬邸からに逃げ出そうと、1階へと走り向かっていた。
「チクショウ! うさみんがパンツなんかに気をとられるから、バレちまったじゃねぇか!」
「ワガハイのせいか!? もとはといえば、古羊同級生が大きな声を出すから!」
「ご、ごごごご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁいっ!?」
「終わったことをグチグチ言っている場合ではありませんよ、みなさんっ! 口を動かしているヒマがあるなら、足を動かしてください!」
お互いに悪態を吐きながら(若干1名泣いているが)全力疾走で廊下を駆け抜ける。
その間にも、後ろの方から野太い男の「居たぞ! 2階の中央廊下だ!」と叫ぶ声が聞こえてくる。
ビリビリとした緊張感が、肌を粟立てる。
自然と呼吸が荒いものへと変わっていくのに、そう時間はかからなかった。
「ヤバいぞ、どんどん人が集まってくるのじゃ! このままでは、捕まるのも時間の問題じゃぞ!?」
「えぇ~んっ!? 助けてお母さぁ~んっ!」
「泣くな、よこたん! まだ諦めるような時間じゃない!」
「士狼っ!」
芽衣が鋭く俺の名前を呼び、前方の窓に視線を向けた。
その窓は、どういうわけか開けっ放しで、頑張れば3人一緒に通れるくらいの大きさだ。
……なるほど、そういうことか!
俺はすぐさま芽衣のやろうとしていることを理解し、小さく頷いた。
瞬間、パワードスーツの恩恵を得た芽衣の身体がグンッ! と加速。
その勢いのまま、どこからともなく取り出したハイブリッド偽乳パッド――通称ハイパッド1号を地面に力いっぱい叩きつける。
「全員、目を瞑りなさい!」
芽衣の掛け声と共に、激しい閃光が廊下を包み込む。
その目が眩むほどの圧倒的な光を前に、俺たちを追いかけていた使用人たちが「うぅっ!?」と目元を押さえて、うずくまる。
俺は『なんでパッドに閃光弾なんか仕込んでるの? バカなの? イカレなの?』というツッコミをグッと抑え、廊下を駆ける。
使用人たちの視力が回復した頃には、すでに芽衣は勢いよく窓の外へと身を放り投げていた。
そのまま真下にあった木を利用して、器用に降りると、何事も無かったかのように塀の傍へと走り出す。
それに続くように、俺もよこたんとうさみんを小脇に抱きかかえ、窓から弾丸の如く身を投げ出した。
「ひゃわーっ!?」
「ナニをするんじゃ1号ぉぉぉッッ!?!?」
「喋ってると舌噛むぞっ!」
一瞬の浮遊感のあとに、自由落下という名の不自由な加速が俺たちの身を襲う。
悲鳴をあげる巨乳とロリ巨乳のお乳さまが、重力に逆らうかの如くブルン♪ と大きく揺れるのと同時に、俺は芽衣と同じくパワードスーツの能力をフルに活用して地面へと着地する。
2階の窓からは俺たちを追っていた警備員たちが、驚きの声をあげていた。
「な、なんだ、あの身のこなしは!? あの2人、本当に人間か!?」
「なんて運動神経してやがるんだ!? 普通に気持ち悪いわ!」
酷い言われようである。
ちょっと司馬ちゃん?
使用人の教育が行き届いていませんわよ?
もっとしっかりしてください!
俺は2階の警備員たちに中指を突き立て、そのまま踵を返し、塀の傍まで走り出した。
そこには、もうすでに芽衣が準備万端とばかりに塀に背中を預け、腰を降ろし、両手を重ねて俺が来るのを待っていた。
「行くぞ!」
「来なさい!」
芽衣の掛け声とともに、俺は2人を抱きかかえたまま、全速力で走り抜ける勢いで、我らが会長さまの元まで急接近。
そのまま彼女の両手を踏み台に、カタパルトの要領で塀の上まで登りきる。
すぐさま抱えていた2人を下ろし、塀の下に手を伸ばす。
途端にパワードスーツで強化された芽衣の脚部が、ギチギチと唸りを上げ、大ジャンプ。
3メートルほどジャンプしたところで、芽衣の右手をガッツリキャッチ。
「ファイトぉぉぉぉぉぉっ!」
「いっぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!」
気合一閃。
グイッ! と芽衣の身体を強引に塀の上に引っ張り上げ、ミッションコンプリート。
そしてどこからともなく4人同時に頷くと、全員揃って司馬邸の外へと飛び降り、闇夜に溶けるようにして司馬ちゃんのお宅を後にした。
「た、助かったよぉぉぉぉぉ~」
「さ、さすがのワガハイもヒヤヒヤしたのじゃ……」
「ぶはぁ~っ!? つ、疲れたぁぁぁぁぁっ」
「ほんと冗談抜きで死ぬかと思いましたよ……」
追手が来ないことを確認し、ようやく足を止める俺たち。
途端に身体中からドッ! と汗が噴き出してきた。
それはどうやら他の3人も同じようで、覆面を脱ぎながら、荒い呼吸を繰り返している。
どうでもいいけど、荒い呼吸を繰り返す女の子って、なんかエロいよねっ!
「もうこんなコトはコリゴリだよぉ……」
「そうですね。流石に今回の件で、司馬さんの方も警戒しちゃったでしょうし、今後は司馬さんの周りをウロウロするのは控えましょうか。何か別の案を考えないといけませんね」
「あ、危ないことはもうナシだよ、メイちゃん!」
「分かっていますよ。そもそも、今回の作戦立案は士狼なんですから、わたしを責めるのは、お門違いですよ洋子」
必死の形相で、姉に釘を刺す妹。
よほど怖かったのだろう、目元が月の光に照らされてキラキラしていた。
そんな2人のやりとりを目視しながら、俺は手の甲で額の汗を乱暴に拭っていた。
「あぁ、もう緊張やら興奮やらで汗がすごい。ほんと鬱陶しい!」
「ならコレを使うか下僕1号?」
そう言って、うさみんは何故か手に持っていた布きれを俺に手渡してきた。
ほぉ、うさみんにしては珍しく優しいじゃねぇか?
さては俺に惚れたな?
「うさみんにしては気が利くじゃねぇの。よくハンカチなんて持っていたもんだ。これが乙女の嗜みってヤツか?」
「いやぁ、ワガハイも不思議なんじゃよ。本当は持ってきていないハズなのじゃがなぁ」
「……はっ? じゃあ、このハンカチは何だよ?」
綻びかけた顔がピシリッ、と固まる。
……なんだか、すげぇ嫌な予感がする。
俺は背筋に走る悪寒に突き動かされるように、ロリ巨乳から受け取ったハンカチを、その場でペロン♪ と広げてみせた。
それは明るいキャンディーカラーに、妙にスベスベした生地で作られていて、三角形で穴が三つ開いている、中央にチョコンと小さな赤いリボンがあしらわれている、とてもとてもポップでラブリーな。
「パンティーじゃねぇかぁぁぁぁぁっ!?」
グシャッ! とパンティーを握り締める。
おい、待て!
おまえ、コレまさか!?
「うさみん、テメェこれ……。司馬ちゃんのパンティーじゃねぇの!?」
「ど、どうやら気が動転して、持って来てしまったらしいのう……。どうしよう?」
「『どうしよう?』じゃねぇよ!? ほんとどうすんだ、コレ!?」
司馬ちゃんのパンティを力強く握りながら、頭を抱える。
俺達の騒ぎに気付いたのか、芽衣とよこたんが俺の握り締めているパンツを確認し「ま、まさか!?」といった表情を浮かべた。
「う、ウサミさん!? まさかソレ、持って来ちゃったの!?」
「古羊同級生……どうしよう、コレ?」
「ど、『どうしよう』って……。それはまぁ……返しに行くしかないよね?」
「洋子? アナタ、もう1度あの場所に忍び込む勇気、ありますか?」
「むむむ、無理だよぉっ!? 出来っこなよぉっ!?」
「わたしもです」
「もちろんワガハイも無理じゃっ!」
3人同時に肯定する。
もちろん俺だってMU☆RI♪
正直あの屋敷に再び忍び込むのは、もうコリゴリだ。
なら、やるべきことは1つ。
「……明日、さりげなく学校で渡すしかない」
「いや、もう普通に捨てればよくないかえ?」
「ふざけんな! 司馬ちゃんのパンティーを捨てろだと!? 貴様それでも人間かぁ!?」
「そ、そんなに怒るでない、ちょっとしたジョークであろうが」
突然男に威嚇されたからか、瞳に涙の膜を作るロリ巨乳。
チッ、これだから素人は。
コイツは知らないんだ、このパンティーに一体どれだけの価値があるのかを。
これをウチの高校の野郎共に売れば、1年間はお小遣いに困ることはないだろう。
それほどまでにプレミアムなパンティーなんだぞ!?
テメェの染みつき汚パンツとは、ワケが違うんだよ!
率直に言えば、我が家の家宝にしたいくらいだ!
まぁ、芽衣とよこたんが殺戮者のような目で睨んでくるから、しないけどさ!
「とりあえず、司馬ちゃんの弱味を握るのは後回しだ。まずはこのパンティーを、無事に司馬ちゃんに返すことを最優先目的とする。異論は認めん!」
「えぇ~、それってワガハイも絶対に手伝わないといけないヤツかえ?」
「当たり前だろうが!」
当然だ、と首を縦に振る。
瞬間、ガクッ、と肩を落とす、ガッカリうさみん。
「こんなの天才のワガハイがする仕事じゃない……」なんて愚痴りながら、俺の隣をトボトボ歩く。
そんな彼女と家路につきながら、どうやってパンティーを返すべきか、俺はずっと頭を悩ませ続け――
「ところで士狼? そのポケットに仕舞い込んだ司馬さんのパンツは、一体どうするつもりですか?」
「まさか、ししょーが持って帰るつもりじゃないよねぇ?」
「お、おいやめろ! 満面の笑みで俺に近づくな! ちょっ、やめ!? やめてぇぇぇぇぇっ!?」
不自然なくらい笑顔な古羊姉妹に、お宝をボッシュートされる。
瞬間、俺のお股に住んでいたシロウジュニアが「あぁっ!?」と切ない声をあげた。
ごめんよ、パパが不甲斐ないばかりに……。
ホントごめんよっ!?
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