みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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第7部 大乱闘スマッシュシスターズ

第25話 突撃! 司馬家のお昼ごはん!~お口の中が核弾頭編~

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 い、今起こった事をありのまま話すぜ?

 司馬ちゃんの手料理を食べたパツキン巨乳が、頭から真後ろに倒れて、痙攣してる……。

 ナニ言ってるのか分からないと思うが、俺たちも何が起きたのか分からない。



「「「……はっ?」」」



 気がつくと俺と芽衣、そしてよこたんの唇から、間の抜けた声が漏れ出ていた。

 えっ?

 なにコレ? 

 唖然とした表情で、ビクビク!? と危なげに震えるロリ巨乳を見下ろす。

 うさみんは白目を剥き、唇の端からぶくぶくと泡を吹きながら、感電したように腰をカクカクッ!? と前後させて、恋する乙女にあるまじき醜態をさらしていた。



「ほら、やっぱり! あまりの美味しさに、失神したじゃないっすかぁ!」



『どやぁ!』と、その薄い胸を反らして、得意げに微笑む司馬ちゃん。

 えっ?

 コレ、美味しいから気絶してんの?

 俺には毒殺された被害者にしか見えないんだけど?



「さぁさぁ先輩方! オカズはたくさんあるっすから、遠慮なく食べてくださいっす!」



 ズイッ! と、俺たちの方へお弁当を差し出す、司馬ちゃん。

 俺たちは顔に笑顔を貼りつけながら、お互いに視線を交差させた。



(な、ナニアレ!? ねぇ、なんなの芽衣ちゃん!?)

(知らないわよ! アンタね、何でも芽衣ちゃんが知ってると思うんじゃないわよ! 芽衣ちゃんだってね、分からないことがあんのよ! 泣きたい夜だってあるのよ!)

(お、落ち着いてよ2人とも! ほらっ、ココロちゃんって、根がリアクション芸人さんでしょ? だからリアクションが少しオーバーになっただけで、きっと食べても、ちょっとだけ『うん?』って思うだけだよ!)

(そ、そうだよな。うさみんがオーバーリアクションなだけで、きっと普通の料理だよな!)

(ちょっと待って2人とも? ……何か聞こえない?)



 芽衣が「耳を済ませろ!」と合図を送ってくる。

 俺たちは言われた通り耳を澄ませると、ボンッ! ボボンッ! と、何かの爆発音が鼓膜を震わせた。

 何の音だろう?

 どっかのチームの応援団が、練習でもしているのかな?

 俺達は小首を傾げながらも、音のした方向に目線を動かした。

 そこには、パタンッ! と倒れているロリ巨乳のお腹から、銃撃のような音が、絶えず鳴り響いていた。
 
 いや、どういう仕組みだよ?



(えっ? 何なのアイツ? お腹の中で、第2次世界大戦でもやってるの?)

(人体が発しちゃいけない音を出してるね……)

(ねぇ2人とも? これでもまだ、宇佐美さんがオーバーリアクションをしてると思う?)



 俺とよこたんの笑顔が、ピシリと固まる。

 く、くそぅ!?

 どっちだ?

 この料理はどっちなんだ?

 そ、そうだ!

 毎日司馬ちゃんの手料理を食べている元気なら、答えを知っているハズ!

 俺はさっきから何故か不自然に黙り込んだ元気にアイコンタクトを送るべく、チラっ! と視線を向け……絶句した。

 な、なんだ、あのうつろな瞳は!?

 かれこれ10年以上の付き合いになるが、アイツのあんな目は初めて見るぞ!?



(お、おい元気? その……大丈夫か?)
(相棒……先にくわ)



 そう目で言うや否や、元気はおもむろに司馬ちゃんお手製のタコさんウィンナーを箸で掴み、



「元気、逝っきまぁぁぁぁぁぁすっ!」



 と、どこかで聞いたような台詞を口にしながら、パクリと一口。

 刹那、元気の口の中から、爆竹のような絶え間ない破裂音が鳴り響いた



「うんっ!(ボンッ!) すごく美味しいで、ハニー!(ボボンッ!) ほっぺが落ちちゃいそうや!(ボボボボボボンッ!)」



 鼻からモクモク♪ と黒煙が立ち上らせながら、満面の笑みで彼女の手料理を絶賛する元気。

 でも元気?

 それならなんで、額に脂汗が浮いているんだい? 

 一噛みするごとに、ボボンッ! と、ヤツの口の中で何かが爆発する。

 おかしいな?

 俺の知っているウィンナーは、爆発なんかしないハズなんだけどな?

 あいつ、今ナニを喰ってんの? 爆竹?



「ところでハニー。申し訳ないんやけど、飲み物を買ってきてくれへんか? ちょっと喉が渇いてしもうたわ」

「あっ、これはうっかりしてたっす! 飲み物は何でもいいっすか?」

「うん、ハニーのセンスに任せるわ」



 任してくださいっす! と、持前の健脚を存分に発揮し、パピュ―ッ! と校舎の方へと消えていく司馬ちゃん。

 そんな彼女の後ろ姿が見えなくなるのを確認し終えた元気は、ゆっくりと俺たちの方に振り返り、



「――ほな、お先に」



 バタン――ビクビクビクビクビクッ!?



「げ、元気!?」
「さ、猿野くん!?」
「は、はわわっ!? はわわっ!?」



 糸が切れた人形のように、盛大に背後に倒れる我が親友。

 まるで先ほどのリプレイでも見ているかのように、激しく体が痙攣させたのち、ピクリとも動かなくなるマイフレンド。

 ま、間違いない……コイツは本物だ!



「ど、どどどどどっ!? どうすんだ、コレっ!? どうすればいいんだ、コレ!?」

「お、落ちちゅいてっ!? ししょー、落ちちゅいて!?」

「お、落ち着けって、おまえ……どうやって!?」

「そ、素数だよっ! 素数を数えて落ち着くんだよ!」

「な、なるほど」



 素数か。

 素数って確か、1と自分以外は約数を持たない正の数だから……。



「え~と、バスト86・ウェスト54・ヒップ82のFカップ!」

「それ素数じゃない! ボクのスリーサイズだよぉ!? なんで知ってるの!?」

「ちなみに身長は158センチで、体重は「わ~っ!? わ~わ~わ~わ~っ!?」キログラムと、先月に比べて600グラム増えたらしい。おそらく、ここ最近夜中に間食が増えたせいだと思われる」

「ほんと何で知ってるの!?」



 教えてないよね!? と、顔を真っ赤にしながら、俺に詰め寄ってくるラブリー☆マイエンジェル。

 すまんな、よこたん。

 情報筋を教えるワケにはいかないんだ。

 心の中で爆乳わんに謝っていると、いきなり女神様に胸倉を掴まれた。



「おい犬? キサマ、なんで洋子のスリーサイズを知っている?」

「ぐえぇっ!? と、とある筋から入手した……とだけ言っておこう」

「ボクのスリーサイズは、一体どこの闇組織で売買されているの!?」



 驚くラブリー☆マイエンジェルを尻目に、芽衣は「ふんっ!」と鼻を鳴らしながら、胸倉から手を離し、



「どうやら、その闇の組織について、調べる必要がありそうね。というワケで2人とも? アタシはこの辺りでドロンさせて貰うわね?」

「あっ! ま、待ってメイちゃん!? ぼ、ボクも! ボクも一緒に調べるよ!」

「おい待て? 逃がさんぞ、テメェら?」



 ガシッ! と腰を浮かしかけた双子姫の手首を、しっかりと握り締める。

 途端に半分泣きが入った2人が、一斉に俺に詰め寄ってきた。



「お願いよ、士狼! ここは見なかったことにしてちょうだい!?」

「あ、あんなの食べたら、ボク死んじゃうよぉ~っ!?」

「うるせぇ! 自分たちだけ助かろうなんざ、虫が良すぎるんだよ!」



 ここまできたら一蓮托生だ。

 死ぬときは、どこまでも一緒だぜ☆

 バチコン♪ と、心の中でウィンクをキメていると、



「あっ! こんな所に居たんデスネ!」



 と能天気な声が、この緊縛した空気に流れ込んできた。

 俺たちは弾かれたように声のした方向に顔を上げた。

 そこには――救いの薄幸美少女が、笑みを浮かべて立っていた。



「その様子を見るに、お昼はマダみたいデスネ! ちょうどよかったデース! 一緒に食べまショウ!」

「「「蜂谷!(ハチヤさん!)」」」



 パァッ! と、俺たちの顔が華やぐ。

 そこには、いつか見た数人の男たちを引きつれた蜂谷が、色素の薄い髪を風に靡かせて、こちらを見ていた。
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