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第8部 ぽんこつMy.HERO
第22話 メイちゃんと一緒♪ ~ドキドキ1人かくれんぼ編~
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い、今起こった事をありのまま話すぜ?
生徒会室の掃除用ロッカーを開けたら、俺のブレザーを着た生徒会長が、そこに居た。
なに言ってるのか分からないと思うが、俺もナニ言ってるのか分からない。
分かるのは、俺の上司が俺のブレザーを着こんで『1人かくれんぼ』をしているという事実だけ。
……なにやってんの、コイツ?
「……お疲れ」
「お、お疲れ様です……」
ブスッ! とした表情でそう告げるなり、ロッカーの妖精ことメイ・コヒツジは、何事もなかったかのように器用に扉を閉めた。
バタンッ! と閉じていく、ロッカーの扉。
しばしの静寂が、生徒会室を支配する。
「……ふぅ~。よし」
やがて、一方的に覚悟を決めた俺が、再びロッカーの神様と対面するべく、扉へと指先を向ける。
ほんの少し力を籠めるだけで、またしても簡単に開くロッカーの扉。
そして中から現れるのは、男物のブレザーに身を包んだ亜麻色の髪が目に眩しい、我が校きっての美少女姉妹『双子姫』のお姉さま。
俺は双子姫あらため、芽衣の紅玉のごとき光を放つ瞳をまっすぐ見据えると、同じくまっすぐ見返していた彼女の視線が、気まずそうに横へ逸れた。
「……あによ?」
ぶっきらぼうに、そう口を開く会長閣下。
あぁ、聞きたくないけど、聞かずにはいられない。
俺は何とも言えない表情を浮かべる女神さまに、ストレートに疑問をぶつけてみた。
「一応聞くね? ……なに、してるの?」
「ひ、ひなたぼっこ」
「日、当たってないけど……?」
「こ、心の太陽にあたってたのよ」
ヤダ、めっちゃ素敵なこと言ってる。
何この子?
いつも心に太陽なの?
ヤベェ、ヴァンパイアとか倒しそう。オテンコォォォッ!
「というか、ソレ、俺のブレザーじゃ――」
「違います。見間違いです」
「いやでも? 明らかに、おまえのサイズと合ってないし。それに、すげぇ見慣れた汚れもついてるし。あと――」
「士狼?」
「なんだよ?」
「そろそろ、泣くわよ?」
「ごめん、やっぱ気のせいだった。それは俺のブレザーじゃないわ、断言する」
よろしい、と満足気に頷く芽衣。
例え黒だとしても、コイツが白と言えば白なんだよ!
おいおい?
どこのプリンセスだよコイツ?
暴君極めてんじゃん?
なんて思考逃避していると、芽衣の白魚のような綺麗な指先が、俺の襟首へと伸びてきた。
「いいこと士狼? この事をみんなに、とくに洋子に喋ったらブチ殺すわよ? キチンと墓まで持っていきなさいよゴルァ!」
「えっ、ウソ? この状況で強気? どういうメンタルしてんの、おまえ?」
「いいから! 早くロッカーの扉を閉めなさいゴルァ!?」
「強気というか、もうチンピラじゃん……」
ロッカーの女神さま改め、チンピラ生徒会長をその場に残して、大人しくロッカーの扉を閉める。
その間も『このことは誰にも言うんじゃないわよ?』と、瞳だけで念押ししてくる、我らがチンピラ女神さま。
再び、バタンッ! と重苦しい音が生徒会室に木霊する。
そして3度目の静寂が、俺の身体を包み込んだ。
「……さて、と。選挙活動に戻りますかな」
俺は制服に着替えるという当初の目的を忘れて、『I LOVE 大和田!』ちゃんジャージのまま、生徒会室をあとにした。
『~~~~ッ!? ~~~~~ッッッッ!?!?』
生徒会室の扉を閉めた3秒後。
どこかの女神さまの、声にもならない絶叫が聞こえてきた気がしたが、きっと気のせいだろう。
気のせいってことにしておこう。
頼む、気のせいであってくれ!
アイツが正気を取り戻した後が怖いなぁ……。
なんてことを考えながら、ポケットに仕舞いこんだスマホを取り出す。
そのまま目的の人物に向けて、電話をかける。
数コールもしないうちに、スピーカーからお目当ての人物の声が響いてきた。
『もしもし、ししょー? どうだった? メイちゃん居た?』
「おう、バッチリ発見したぞ。アイツなら、生徒会室に居るから、行ってみるといいぜ」
『ほんと!? 見つかってよかったぁ~っ! ……あれ? なんだか、ししょーの方から変な声が聞こえるけど、どうしたの?』
「なんでもねぇよ。ただちょっと、生徒会室で迷える思春期のワンマンライブが開催されているだけだ」
『う~ん? わんまんらいぶぅ?』
と可愛らしく納得したような、そうでないような声をあげるラブリー☆マイエンジェル。
なんだろう?
なんていうか、こう……すごく癒される。
ここの所、俺の心のオアシスが、爆乳わん娘だけになりつつあるなぁ。
なんだ、なんだ?
結婚するか? おぉ?
『とにかく、メイちゃんは生徒会室に居るんだね? わかったよ! なら、今すぐボクもソッチに向かうね!』
「あっ! ちょっと待て、よこたん。今は流石にマズイ――って、切れちゃった」
一方的に通話が切れたスマホを見下ろしながら、どうすっかなぁ? と頭をかく。
……よし、逃げよう。
森実高校が誇るバーサーカーに見つかる前に、さっさとこの場から退散しよう!
俺は軽い足取りで、生徒会室を後にした。
生徒会室の掃除用ロッカーを開けたら、俺のブレザーを着た生徒会長が、そこに居た。
なに言ってるのか分からないと思うが、俺もナニ言ってるのか分からない。
分かるのは、俺の上司が俺のブレザーを着こんで『1人かくれんぼ』をしているという事実だけ。
……なにやってんの、コイツ?
「……お疲れ」
「お、お疲れ様です……」
ブスッ! とした表情でそう告げるなり、ロッカーの妖精ことメイ・コヒツジは、何事もなかったかのように器用に扉を閉めた。
バタンッ! と閉じていく、ロッカーの扉。
しばしの静寂が、生徒会室を支配する。
「……ふぅ~。よし」
やがて、一方的に覚悟を決めた俺が、再びロッカーの神様と対面するべく、扉へと指先を向ける。
ほんの少し力を籠めるだけで、またしても簡単に開くロッカーの扉。
そして中から現れるのは、男物のブレザーに身を包んだ亜麻色の髪が目に眩しい、我が校きっての美少女姉妹『双子姫』のお姉さま。
俺は双子姫あらため、芽衣の紅玉のごとき光を放つ瞳をまっすぐ見据えると、同じくまっすぐ見返していた彼女の視線が、気まずそうに横へ逸れた。
「……あによ?」
ぶっきらぼうに、そう口を開く会長閣下。
あぁ、聞きたくないけど、聞かずにはいられない。
俺は何とも言えない表情を浮かべる女神さまに、ストレートに疑問をぶつけてみた。
「一応聞くね? ……なに、してるの?」
「ひ、ひなたぼっこ」
「日、当たってないけど……?」
「こ、心の太陽にあたってたのよ」
ヤダ、めっちゃ素敵なこと言ってる。
何この子?
いつも心に太陽なの?
ヤベェ、ヴァンパイアとか倒しそう。オテンコォォォッ!
「というか、ソレ、俺のブレザーじゃ――」
「違います。見間違いです」
「いやでも? 明らかに、おまえのサイズと合ってないし。それに、すげぇ見慣れた汚れもついてるし。あと――」
「士狼?」
「なんだよ?」
「そろそろ、泣くわよ?」
「ごめん、やっぱ気のせいだった。それは俺のブレザーじゃないわ、断言する」
よろしい、と満足気に頷く芽衣。
例え黒だとしても、コイツが白と言えば白なんだよ!
おいおい?
どこのプリンセスだよコイツ?
暴君極めてんじゃん?
なんて思考逃避していると、芽衣の白魚のような綺麗な指先が、俺の襟首へと伸びてきた。
「いいこと士狼? この事をみんなに、とくに洋子に喋ったらブチ殺すわよ? キチンと墓まで持っていきなさいよゴルァ!」
「えっ、ウソ? この状況で強気? どういうメンタルしてんの、おまえ?」
「いいから! 早くロッカーの扉を閉めなさいゴルァ!?」
「強気というか、もうチンピラじゃん……」
ロッカーの女神さま改め、チンピラ生徒会長をその場に残して、大人しくロッカーの扉を閉める。
その間も『このことは誰にも言うんじゃないわよ?』と、瞳だけで念押ししてくる、我らがチンピラ女神さま。
再び、バタンッ! と重苦しい音が生徒会室に木霊する。
そして3度目の静寂が、俺の身体を包み込んだ。
「……さて、と。選挙活動に戻りますかな」
俺は制服に着替えるという当初の目的を忘れて、『I LOVE 大和田!』ちゃんジャージのまま、生徒会室をあとにした。
『~~~~ッ!? ~~~~~ッッッッ!?!?』
生徒会室の扉を閉めた3秒後。
どこかの女神さまの、声にもならない絶叫が聞こえてきた気がしたが、きっと気のせいだろう。
気のせいってことにしておこう。
頼む、気のせいであってくれ!
アイツが正気を取り戻した後が怖いなぁ……。
なんてことを考えながら、ポケットに仕舞いこんだスマホを取り出す。
そのまま目的の人物に向けて、電話をかける。
数コールもしないうちに、スピーカーからお目当ての人物の声が響いてきた。
『もしもし、ししょー? どうだった? メイちゃん居た?』
「おう、バッチリ発見したぞ。アイツなら、生徒会室に居るから、行ってみるといいぜ」
『ほんと!? 見つかってよかったぁ~っ! ……あれ? なんだか、ししょーの方から変な声が聞こえるけど、どうしたの?』
「なんでもねぇよ。ただちょっと、生徒会室で迷える思春期のワンマンライブが開催されているだけだ」
『う~ん? わんまんらいぶぅ?』
と可愛らしく納得したような、そうでないような声をあげるラブリー☆マイエンジェル。
なんだろう?
なんていうか、こう……すごく癒される。
ここの所、俺の心のオアシスが、爆乳わん娘だけになりつつあるなぁ。
なんだ、なんだ?
結婚するか? おぉ?
『とにかく、メイちゃんは生徒会室に居るんだね? わかったよ! なら、今すぐボクもソッチに向かうね!』
「あっ! ちょっと待て、よこたん。今は流石にマズイ――って、切れちゃった」
一方的に通話が切れたスマホを見下ろしながら、どうすっかなぁ? と頭をかく。
……よし、逃げよう。
森実高校が誇るバーサーカーに見つかる前に、さっさとこの場から退散しよう!
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