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第10部 ボクの弟がこんなにシスコンなわけがない!
第4話 ぼくの冬休み~抹殺編~
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「――ということじゃ、分かったか?」
「うん、ごめん。ちょっとさっきの話を整理してもいいですかい?」
構わんぞい、と科学部室にあった適当な椅子に腰を下ろしてふんぞり返る、うさみん同級生。
そんなパツキン巨乳から視線を切るように、俺はギュッ! と握りしめている爆乳わん娘の柔らかいお手々を彼女に見せつけるように持ち上げながら、先ほど聞いた説明を反復するように口をひらいた。
「つまり、当初の計画では、うさみんが作ったこの『相手に触れていないと電流が走る薬❤』なるモノを元気に飲ませて、冬休みずっと一緒にいようと画策したはいいが、元気が飲まずに司馬ちゃんの手伝いに行ったため、アイツが帰ってくるのをお行儀よく待っていたと」
「そうじゃ」
「んで。そのタイミングで俺がやって来てしまい、元気に飲ませるハズだった薬を、誤って俺が飲んでしまったと」
「そうじゃ」
「結果、俺とよこたんは、お互いの素肌に触れていないと、体内電気が暴走し、感電したような症状を起こしてしまうと。……これでよろしいでしょうか?」
「うむ、パーフェクトじゃ」
「『パーフェクトじゃ』じゃねぇんだよ! この金髪ロリ巨乳がぁっ!? どうすんだよ、コレ!? 明日から冬休みなんだぞ!?」
戯言ばかりほざくマッドサイエンティストの唇を、俺の唇で塞ぐべく、彼女に近づこうと立ち上がるナイスガイ・俺。
しかし、そんな俺の様子を見て、何故かマイ☆エンジェルの方が慌てて「お、落ち着いて、ししょーっ!?」と宥めにかかる始末だ。
「落ち着けだとぉ!? おまえ、この状況がどういう事か分かってんのか!? つまりおまえ、これから先の人生、常に俺と一緒って事だぞ? 『おはよう』から『おやすみ』まで。『揺りかご』から『墓場』まで。トイレやお風呂、挙句の果てには、寝るときまでずっっっっっと! 一緒ってことだぞ? 何ソレ、最高かよ? ありがとうございます!」
「急にお礼を言い始めたぞい、この男?」
「あまりの手のひら返しに、寝首がねじ切れそうですね」
「あぅあぅ……っ!? ず、ずっと一緒……はぅぅ」
おっとぉ?
よこたん以外の女性陣の視線が冷たいぞぉ?
どうした? どうした?
俺はただ、よこたんが入浴する際は彼女の石鹸の代わりとして、トイレに行くときはトイレットペーパーの代わりとして、そして就寝するときは抱き枕の代わりとして、天寿を全うしようとしているだけなのに。
なのにどうして、みんなそんな異常性癖者を見るような目で、俺を見るのだろうか?
甚だ不本意である。
俺が可愛く『ぷくぅっ!』と膨れていると、頬を染めてスカートの裾を片手でギュッ! と握りしめる爆乳わん娘の姿が目に入った。
おいおい、なんだコイツ?
プリティ過ぎないか?
このまま結婚式まで挙げてしまうか? おぉっ?
いや待て? 俺はまだ17。せめてあと10カ月は待って貰わないと、日本国内で合法的な夫になることは不可能でイデデデデデデデデッ!?
「ちょっ!? 芽衣さん!? 脇腹を抓らないデデデデデデデデデッ!?」
「鼻の下が伸びてる……士狼のバカ」
むぎゅぅ~っ! と、俺の右側を陣取っていた芽衣が、キリキリッ! と我が鋼の贅肉を摘み上げていく。
その様子は、なんだかイジけて見えデデデデデデデデデッ!?
ダメだ、痛すぎて頭が回らねぇ!?
そんな涙目の俺を横目に、芽衣が「ハァ……」と小さく溜め息をこぼした。
「まぁ終わってしまった事をいつまでもグチグチ言っても、何も始まりませんからね。とりあえず、現状確認も終わったことですし、今後のお話でもしましょうか」
「流石はお姉さまじゃ! そうじゃぞ、下僕1号よ。終わった事をいつまでも引きずるでないわい。そもそもキサマがあの薬を飲んだのが悪いんじゃからな?」
反省しろよ? と、ふてぶてしさ全開で鼻を鳴らす、我らがパツキンロリ巨乳。
まったく、この場にいるのが俺のような理性の塊である英国紳士でなければ、おまえ今頃エロマンガのメスガキみたいに、涙を流して俺にお礼を言っている所だぞ?
この場に居たのが俺であることに感謝し、フレンチなキスを頬に1つくらいしても、罰はあたらんだろうに。
なんてことを考えていたのが、マイ☆エンジェルに伝わったのだろう。
思った以上に強い力で、
――ぎゅぅぅぅぅぅ~ッ!
と、繋いだお手々を握り締められた。
う~ん、純粋に痛い。超痛い。あと痛い。
身体の右半身では、芽衣に脇腹を全力でツネられ、左半身では爆乳わん娘に左手を握り潰されようとしている現在。
ねぇ? コレって『大神士狼をシバきあげよう♪』とか、そういう催しだったっけ?
「それで宇佐美さん。その薬の解毒薬は、どこにあるんですか?」
「うっ!? じ、実はのぅ……この薬に解毒薬はないんじゃ。というか、作っておらんのじゃ。なんせ失敗するなんて微塵も思っていなかったからのぅ……」
「では、今から解毒薬を作るとしたら、どれくらいで作れますか?」
「むぅ~。この薬の解毒薬の素材は、中々手に入らんからのぅ……。完成するにしても、早くで3カ月、遅くて半年といったところじゃのう」
「は、半年……。そ、それじゃ士狼と洋子は、その間ずっと『この状態』なんですか!?」
何故か当事者たちよりも切羽詰った様子の芽衣が、パツキン巨乳に食い掛かる。
うさみんは若干身を引きながら「いや……」と、言いづらそうに口をひらいた。
「薬の効果は約2週間程度じゃ。2週間もすれば、元の2人の状態に戻るじゃろう」
「……逆に言えば、2週間はずっとこのままって事なんだね?」
「2週間ということは、ちょうど冬休みが終わる頃合いと言ったところですか、そうですか……」
苦笑を浮かべつつも、どことなく嬉しそうな表情を浮かべる、よこたん。
そんな妹とは対照的に、お姉さまの方はジッと虚空を見つめ、難しい顔でなにやら1人集中して考え事をしていた。
とりあえず、2人の邪魔にならないように気をつけつつ、俺はマッド・サイエンティストにペコリと頭を下げた。
「うさみん、いや宇佐美先生。いや、宇佐美さま。俺、一生アナタについていきます」
「キサマのその欲望に忠実なところ……ワガハイ、嫌いじゃないぞい」
「一緒……ずっと一緒……はひぃっ」
俺の隣で何故か瞳をグルグル巻きにして、ポピーっ! と顏から湯気を発する、よこたん。
発熱でもしているのか、ほんのり温かい、まさに暖房いらずだ!
惚けた顔でずっと「一緒……ずっと一緒……」と呟き続ける爆乳わん娘。
「そうだぞ、よこたん。今日から俺とおまえは、一心同体だ! 小鳥のように囀りながら、ずっと傍にいるぜ!」
「ず、ずっとは困るよぉ! そ、その……し、ししょーだっておトイレするとき、ボクと一緒じゃ困るでしょ?」
「安心しろ、よこたん。おまえの股から創造したオレンジジュースなら……俺は喜んで飲ませて貰うぜぜぜぜぜぜぜぜッ!? 痛い、痛い!? 芽衣さん!? そこ骨、骨だから!」
「うふふっ、人が黙って聞いていれば、随分とまぁ面白い話をしているじゃないですか。……ねぇ士狼?」
「ゴメン、ゴメンッ!? ちょっと小粋なジャパニーズ・ジョーク、いやシロウ☆ジョークだったんダダダダダダダダダッ!?」
先ほどとは比べものにならないくらいの握撃が、俺のわき腹を襲う!
何なの芽衣さん?
花山的なアノ人なの?
まぁ確かに組の長という点では、同じだけどさ!
メキメキメキッ、アンギャーッ!? と悲鳴をあげる、助骨と俺。
ムリムリムリムリかたつむり!?
俺の骨はそっちには曲がらない、曲がらないよ芽衣ちゃん!?
「まぁ士狼への調きょ……制裁はここまでにしておきましょうか」
「えっ? 今『調教』って言いかけなかった、芽衣さん? ねぇ?」
「そんなことより、これからのことですよ士狼」
スッ! と、俺のわき腹から手を離した芽衣の顔は、何故かゾっとするほど美しかった。
な、なんだろう?
今、俺の本能が『逃げて! 超逃げて!』と警報を鳴らしているんだが、どういうことなのコレ?
困惑する俺を差し置いて、芽衣はにっこり♪ と笑みを深めながら、俺とマイ☆エンジェルをまっすぐ射抜いて、こう言った。
「こうなった以上、冬休みは2人共ずっと一緒にいなければいけません。コレはもう仕方がないことなので、諦めてください2人とも」
「了解! それじゃ今日からどうする? 俺がよこたんの家にお泊りすればいいの? お泊りすればいいんだね? お泊りすんだよ! よし決定!」
「うぅ……何か身の危険を感じるぅ」
鼻息を荒くする俺の隣で、何故か居心地悪そうにモジモジッ!? と身体を左右に揺らす、爆乳わん娘。
なんだトイレか?
なら喜んで便器になるぞ?
と、俺が口にするよりも速く、芽衣のどこか冷静に見えて怒りを含んだ声音が、俺の鼓膜を揺さぶった。
「大丈夫ですよ、洋子。洋子の身は、わたしが守ります。お姉ちゃんとして、なにより生徒会長として、若い男女を常に2人一緒にするだなんて、看過できませんからね。それに、お泊りの場所は、わたしたちの家ではなく、士狼の家にしましょう」
「ちょっ!? ウチはダメだって! 母ちゃん居るし!」
芽衣の言葉に慌てて反論する。
おいおい勘弁してくれよ!?
せっかくのドリーム☆タイムなのに、母ちゃんが居たら、絶対に邪魔されるに決まってるじゃねぇか!
いや母ちゃんだけじゃねぇ。
今、我が家には、クリスマス以降から肉体を現実世界に置き去りにしてネットへダイブしたっきり消息を絶っている姉まで居るんだぞ!?
冗談じゃねぇ!? と、俺が顔を歪ませると、芽衣も同じくニッチャリ♪ と邪悪に顔を歪ませた。
「だからですよ。蓮季さんがいれば、士狼も変なことは出来ないでしょう?」
ニッコリと微笑む芽衣を見つめながら、俺は思った。
はっはーん?
さてはコレ、夏休みと同じく、冬休みも潰れるパターンだな? ……と。
「うん、ごめん。ちょっとさっきの話を整理してもいいですかい?」
構わんぞい、と科学部室にあった適当な椅子に腰を下ろしてふんぞり返る、うさみん同級生。
そんなパツキン巨乳から視線を切るように、俺はギュッ! と握りしめている爆乳わん娘の柔らかいお手々を彼女に見せつけるように持ち上げながら、先ほど聞いた説明を反復するように口をひらいた。
「つまり、当初の計画では、うさみんが作ったこの『相手に触れていないと電流が走る薬❤』なるモノを元気に飲ませて、冬休みずっと一緒にいようと画策したはいいが、元気が飲まずに司馬ちゃんの手伝いに行ったため、アイツが帰ってくるのをお行儀よく待っていたと」
「そうじゃ」
「んで。そのタイミングで俺がやって来てしまい、元気に飲ませるハズだった薬を、誤って俺が飲んでしまったと」
「そうじゃ」
「結果、俺とよこたんは、お互いの素肌に触れていないと、体内電気が暴走し、感電したような症状を起こしてしまうと。……これでよろしいでしょうか?」
「うむ、パーフェクトじゃ」
「『パーフェクトじゃ』じゃねぇんだよ! この金髪ロリ巨乳がぁっ!? どうすんだよ、コレ!? 明日から冬休みなんだぞ!?」
戯言ばかりほざくマッドサイエンティストの唇を、俺の唇で塞ぐべく、彼女に近づこうと立ち上がるナイスガイ・俺。
しかし、そんな俺の様子を見て、何故かマイ☆エンジェルの方が慌てて「お、落ち着いて、ししょーっ!?」と宥めにかかる始末だ。
「落ち着けだとぉ!? おまえ、この状況がどういう事か分かってんのか!? つまりおまえ、これから先の人生、常に俺と一緒って事だぞ? 『おはよう』から『おやすみ』まで。『揺りかご』から『墓場』まで。トイレやお風呂、挙句の果てには、寝るときまでずっっっっっと! 一緒ってことだぞ? 何ソレ、最高かよ? ありがとうございます!」
「急にお礼を言い始めたぞい、この男?」
「あまりの手のひら返しに、寝首がねじ切れそうですね」
「あぅあぅ……っ!? ず、ずっと一緒……はぅぅ」
おっとぉ?
よこたん以外の女性陣の視線が冷たいぞぉ?
どうした? どうした?
俺はただ、よこたんが入浴する際は彼女の石鹸の代わりとして、トイレに行くときはトイレットペーパーの代わりとして、そして就寝するときは抱き枕の代わりとして、天寿を全うしようとしているだけなのに。
なのにどうして、みんなそんな異常性癖者を見るような目で、俺を見るのだろうか?
甚だ不本意である。
俺が可愛く『ぷくぅっ!』と膨れていると、頬を染めてスカートの裾を片手でギュッ! と握りしめる爆乳わん娘の姿が目に入った。
おいおい、なんだコイツ?
プリティ過ぎないか?
このまま結婚式まで挙げてしまうか? おぉっ?
いや待て? 俺はまだ17。せめてあと10カ月は待って貰わないと、日本国内で合法的な夫になることは不可能でイデデデデデデデデッ!?
「ちょっ!? 芽衣さん!? 脇腹を抓らないデデデデデデデデデッ!?」
「鼻の下が伸びてる……士狼のバカ」
むぎゅぅ~っ! と、俺の右側を陣取っていた芽衣が、キリキリッ! と我が鋼の贅肉を摘み上げていく。
その様子は、なんだかイジけて見えデデデデデデデデデッ!?
ダメだ、痛すぎて頭が回らねぇ!?
そんな涙目の俺を横目に、芽衣が「ハァ……」と小さく溜め息をこぼした。
「まぁ終わってしまった事をいつまでもグチグチ言っても、何も始まりませんからね。とりあえず、現状確認も終わったことですし、今後のお話でもしましょうか」
「流石はお姉さまじゃ! そうじゃぞ、下僕1号よ。終わった事をいつまでも引きずるでないわい。そもそもキサマがあの薬を飲んだのが悪いんじゃからな?」
反省しろよ? と、ふてぶてしさ全開で鼻を鳴らす、我らがパツキンロリ巨乳。
まったく、この場にいるのが俺のような理性の塊である英国紳士でなければ、おまえ今頃エロマンガのメスガキみたいに、涙を流して俺にお礼を言っている所だぞ?
この場に居たのが俺であることに感謝し、フレンチなキスを頬に1つくらいしても、罰はあたらんだろうに。
なんてことを考えていたのが、マイ☆エンジェルに伝わったのだろう。
思った以上に強い力で、
――ぎゅぅぅぅぅぅ~ッ!
と、繋いだお手々を握り締められた。
う~ん、純粋に痛い。超痛い。あと痛い。
身体の右半身では、芽衣に脇腹を全力でツネられ、左半身では爆乳わん娘に左手を握り潰されようとしている現在。
ねぇ? コレって『大神士狼をシバきあげよう♪』とか、そういう催しだったっけ?
「それで宇佐美さん。その薬の解毒薬は、どこにあるんですか?」
「うっ!? じ、実はのぅ……この薬に解毒薬はないんじゃ。というか、作っておらんのじゃ。なんせ失敗するなんて微塵も思っていなかったからのぅ……」
「では、今から解毒薬を作るとしたら、どれくらいで作れますか?」
「むぅ~。この薬の解毒薬の素材は、中々手に入らんからのぅ……。完成するにしても、早くで3カ月、遅くて半年といったところじゃのう」
「は、半年……。そ、それじゃ士狼と洋子は、その間ずっと『この状態』なんですか!?」
何故か当事者たちよりも切羽詰った様子の芽衣が、パツキン巨乳に食い掛かる。
うさみんは若干身を引きながら「いや……」と、言いづらそうに口をひらいた。
「薬の効果は約2週間程度じゃ。2週間もすれば、元の2人の状態に戻るじゃろう」
「……逆に言えば、2週間はずっとこのままって事なんだね?」
「2週間ということは、ちょうど冬休みが終わる頃合いと言ったところですか、そうですか……」
苦笑を浮かべつつも、どことなく嬉しそうな表情を浮かべる、よこたん。
そんな妹とは対照的に、お姉さまの方はジッと虚空を見つめ、難しい顔でなにやら1人集中して考え事をしていた。
とりあえず、2人の邪魔にならないように気をつけつつ、俺はマッド・サイエンティストにペコリと頭を下げた。
「うさみん、いや宇佐美先生。いや、宇佐美さま。俺、一生アナタについていきます」
「キサマのその欲望に忠実なところ……ワガハイ、嫌いじゃないぞい」
「一緒……ずっと一緒……はひぃっ」
俺の隣で何故か瞳をグルグル巻きにして、ポピーっ! と顏から湯気を発する、よこたん。
発熱でもしているのか、ほんのり温かい、まさに暖房いらずだ!
惚けた顔でずっと「一緒……ずっと一緒……」と呟き続ける爆乳わん娘。
「そうだぞ、よこたん。今日から俺とおまえは、一心同体だ! 小鳥のように囀りながら、ずっと傍にいるぜ!」
「ず、ずっとは困るよぉ! そ、その……し、ししょーだっておトイレするとき、ボクと一緒じゃ困るでしょ?」
「安心しろ、よこたん。おまえの股から創造したオレンジジュースなら……俺は喜んで飲ませて貰うぜぜぜぜぜぜぜぜッ!? 痛い、痛い!? 芽衣さん!? そこ骨、骨だから!」
「うふふっ、人が黙って聞いていれば、随分とまぁ面白い話をしているじゃないですか。……ねぇ士狼?」
「ゴメン、ゴメンッ!? ちょっと小粋なジャパニーズ・ジョーク、いやシロウ☆ジョークだったんダダダダダダダダダッ!?」
先ほどとは比べものにならないくらいの握撃が、俺のわき腹を襲う!
何なの芽衣さん?
花山的なアノ人なの?
まぁ確かに組の長という点では、同じだけどさ!
メキメキメキッ、アンギャーッ!? と悲鳴をあげる、助骨と俺。
ムリムリムリムリかたつむり!?
俺の骨はそっちには曲がらない、曲がらないよ芽衣ちゃん!?
「まぁ士狼への調きょ……制裁はここまでにしておきましょうか」
「えっ? 今『調教』って言いかけなかった、芽衣さん? ねぇ?」
「そんなことより、これからのことですよ士狼」
スッ! と、俺のわき腹から手を離した芽衣の顔は、何故かゾっとするほど美しかった。
な、なんだろう?
今、俺の本能が『逃げて! 超逃げて!』と警報を鳴らしているんだが、どういうことなのコレ?
困惑する俺を差し置いて、芽衣はにっこり♪ と笑みを深めながら、俺とマイ☆エンジェルをまっすぐ射抜いて、こう言った。
「こうなった以上、冬休みは2人共ずっと一緒にいなければいけません。コレはもう仕方がないことなので、諦めてください2人とも」
「了解! それじゃ今日からどうする? 俺がよこたんの家にお泊りすればいいの? お泊りすればいいんだね? お泊りすんだよ! よし決定!」
「うぅ……何か身の危険を感じるぅ」
鼻息を荒くする俺の隣で、何故か居心地悪そうにモジモジッ!? と身体を左右に揺らす、爆乳わん娘。
なんだトイレか?
なら喜んで便器になるぞ?
と、俺が口にするよりも速く、芽衣のどこか冷静に見えて怒りを含んだ声音が、俺の鼓膜を揺さぶった。
「大丈夫ですよ、洋子。洋子の身は、わたしが守ります。お姉ちゃんとして、なにより生徒会長として、若い男女を常に2人一緒にするだなんて、看過できませんからね。それに、お泊りの場所は、わたしたちの家ではなく、士狼の家にしましょう」
「ちょっ!? ウチはダメだって! 母ちゃん居るし!」
芽衣の言葉に慌てて反論する。
おいおい勘弁してくれよ!?
せっかくのドリーム☆タイムなのに、母ちゃんが居たら、絶対に邪魔されるに決まってるじゃねぇか!
いや母ちゃんだけじゃねぇ。
今、我が家には、クリスマス以降から肉体を現実世界に置き去りにしてネットへダイブしたっきり消息を絶っている姉まで居るんだぞ!?
冗談じゃねぇ!? と、俺が顔を歪ませると、芽衣も同じくニッチャリ♪ と邪悪に顔を歪ませた。
「だからですよ。蓮季さんがいれば、士狼も変なことは出来ないでしょう?」
ニッコリと微笑む芽衣を見つめながら、俺は思った。
はっはーん?
さてはコレ、夏休みと同じく、冬休みも潰れるパターンだな? ……と。
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