みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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第10部 ボクの弟がこんなにシスコンなわけがない!

第5話 えっちなコトはイケナイと思います!

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 かくして、金髪ロリ巨乳のヘンテコな薬により、俺とよこたん(プラス芽衣)の奇妙な同居生活が始まるコトになった、その日の帰り道。

 俺たちはトコトコと大神家へと続く家路をゆったりと歩きながら、うさみんが用意してくれた『相手に触れていないと電流が走る薬❤ 取扱い説明書♪』なるものを芽衣が熟読していた。



「……なるほど。どうやらこの薬には、様々なルールがあるみたいね」
「るーるぅ?」



 俺と手を繋ぎながら、舌足らずな感じで小首を捻る爆乳わん娘。

 そのあまりのプリティさに、強引に抱きしめて、イタリアの伊達男よろしく「ジュテ~ムッ!」と愛の言葉を囁きたい衝動に駆られるが、芽衣が居る手前グッ! と我慢する。

 そんな俺の葛藤など、もちろん知らない芽衣は、よこたんに向かって、その『ルール』とやらを噛み砕いて説明していた。



「どうやらこの薬は『相手の素肌』に触れていれば、別に手じゃなくても良いみたい。ぶっちゃけた話、腕でも足でも顔でもいいから、素肌に触れていれば、電気が流れることはないわ」



 なるほど。

 ソレはつまり、俺が偶然、事故でマイ☆エンジェルのおっぱいを生でモミモミ♪ したとしても、全然まったく問題ないという事だ――あっ、何でもないでぇ~す。

 ジロリッ! と、カタギの目とは思えない瞳で芽衣に睨まれたため、思考を停止する。

 う~ん、今は変な妄想をしない方がよさそうだ。

 俺は思考を放棄したまま、素に戻った芽衣の言葉に耳を傾けた。



「ただ、薄手のシャツなんかは、ギリギリ許容の範囲内らしいわね。もちろん厚手の服の上からはアウト。他にも色々あるけど、まぁこれだけ覚えておけば充分ね。あとはそうねぇ……アタシ達だけの『ルール』も決めといた方がよさそうね」

「ボク達だけの『ルール』? メイちゃん、ソレはどういう感じのヤツなの?」

「そうねぇ、例えば『士狼が洋子のお風呂を覗いたら切腹』とか『士狼が洋子のトイレを覗いたら切腹』とか『とにかく士狼は切腹』とか、そんな感じの『ルール』かしら」

「ねぇ芽衣さん? アナタはどこの時代の人なのかな?」



 局中きょくちゅう法度はっとも真っ青な鉄の掟に、もはやこの女に畏敬の念を覚えざるを得ない。

 あの、なんでその『ルール』は俺限定なの?

 俺、集中砲火じゃん……。

 俺だけ砲火後ほうかごティータイムじゃん。

 ヤダ、バンドとかしてそう。



「というか、最後の『ルール』に至っては、俺ナニもしていないのに切腹してんじゃん……。何なの、おまえ? シロウ絶対殺すウーマンなの?」

「いや、士狼のことだから、蓮季さん達が居ても、開き直って『グェッへっへっへ! いくら母ちゃんとて、俺の部屋までは監視できまい! そう! 今宵のシロウルームは治外法権! 何をしても許される夢の国じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』とか思ってそうだったから、つい、ね。一応釘でも刺しておこうかと」

「り、理性の塊である英国紳士のこの俺が、そんなゲスい事を考えるワケないじゃないかぁ! ハハッ!」



 千葉にあるくせに東京をうたう、治外法権にして夢の国と称する施設の某マスコットキャラクターのような甲高い声が、自然と口からまろび出る。

 気がつくと、毛穴という毛穴から、冷や汗やら脂汗やら、よく分からん汁が大量に噴き出ていた。

 いや、マジで違うからね?

 そんな女性の尊厳を奪うようなマネ、紳士の俺がするワケないからね?

 ほ、ほんとだよ?

 誰に言い訳しているのか、胸の内でそう呟いているうちに、いつの間にか大神ハウスへと到着していた。



「それじゃアタシは洋子と自分の分の着替えやら何やらを持ってくるから、先にあがって蓮季さんにコトの事情を説明しておいてね。蓮季さん、この時間ならもう帰ってるでしょ?」



 じゃあよろしく! と、人差し指と中指をピッ! と俺たちの方に向けながら、あの高級マンションへと続く道を駆け足で通り過ぎていく、我らが女神さま。

 さらっと母ちゃんのタイムスケジュールを把握しているあたり、あの女への若干の畏怖の念を抱かざるを得ないが……いまさらだ、気にしないでおこう。

 いちいち引っかかっていたら、身がたないしね!



「さて、そんじゃま、芽衣の言う通り、母ちゃんに説明しに行くか」
「う、うん。そ、それじゃ……お、おじゃましまぁ~す」



 このまま玄関で突っ立っておくのもアレだったので、俺は何故か若干頬を染めているマイ☆エンジェルの手を引いて、家の中へと足を踏み入れた。

 すると当然、いつもの『おぉっ、シロウおかえり。そのままターンバックして、夕飯買って来いやテメェ』という、お母様の素敵な言葉が耳をつんざいて……あれ?



「……誰も居ないね?」
「ありぃ? おかしいなぁ? この時間は、父ちゃん以外はとっくに帰って来ているハズなんだけど?」



 母ちゃんどころか、姉の気配すらしない我が家に、しきりに首を傾げてしまう。

 よこたんと顏を見合わせながら、とりあえず居間まで移動してみる。

 が、やはりそこには誰も居ない。



「んん~? もしかして母ちゃん、今日は残業か? でも、そんな連絡なかったしなぁ」
「あっ!? 見て見て、ししょーっ! 机の上に手紙が置いてあるよ!」
「んにゃ? おっ、ほんとだ」



 よこたんの声に導かれるまま、我が家のテーブルに視線を落とすと、そこには1枚の紙切れがポツンと置かれていた。

 おそらく母ちゃんから俺宛てへの手紙だろう。

 俺は爆乳わん娘の手を繋いでいる手の反対側で、ソレを取り上げ、彼女にも聞こえるように、書かれている文章を読み上げてみた。



「え~と、なになに? 『パパが商店街で【熱海温泉】行きのペアチケット(3名限定)をゲットしたので、千和も連れて家族旅行へ行ってきます! おそらく帰るのは2週間後くらいになりそうだから、家のコトよろしく。偉大なる母より~愚かなる愚息にむけて~』かぁ。なるほど、なるほど。……風が吹いている」

「うわわっ!? どうしたの、ししょーっ!? えっ? 泣いてる!? 泣いてるの、ししょーっ!? ほんとにどうしたの!?」



 母ちゃんからの手紙を握り締め、膝から崩れ落ちつつも、天高くガッツポーズを決める俺! 

 それはさながら、見る者すべてに、脱獄に成功した銀行員の姿を彷彿とさせたに違いない。

 歓喜の涙で顔を濡らす俺の横で、よこたんがオロオロッ!? と慌てふためいていたが、今はそんなこと気にして――いや待てっ!?

 落ち着け、俺!

 こんな所で歓喜に震えている場合じゃないぞ!

 芽衣は自分たちの荷物を持ってくるために、一旦自宅へと帰っている。

 つまり今現在、我が家には俺と無防備な爆乳わんしか居ないという事だ!

 おいおい?

 やりたい放題じゃないか❤

 このチャンスをかさずして、いつ活かすというのか!

 そうだ、泣いている時間は俺にはないぞ!



「我が家から芽衣の家まで、おおよそ往復して40分。すでにもう5分はロスしているんだ。これ以上ドリームタイムを削るワケにはいかない。しかしナニをすれば?」

「こ、今度は急にブツブツ呟きだしたけど……ど、どうしたの? って、ひゃあっ!?」
「ッ!? ど、どうした、よこたん!? そんな可愛い声をあげて!? 誘っているのか!?」
「む、虫!? 虫が足下に! ふ、太ももの方に這い上がって来てる!?」
「虫ぃ?」



 こんな季節に? と思考を放棄して、よこたんの足下へと意識をむける。

 いや、正確には爆乳わん娘の純白の太ももへと視線を向け……ほほぅ?

 実に肉感のある良い太ももだ。

 ぜひとも彼女にはニーソを履いて貰いたい所だ。

 と、大天使よこたんの太ももに見惚れていると、チロチロと『何か』がマイ☆エンジェルの太もものあたりで、右往左往しているのを発見する。

 それは虫と呼ぶにはあまりにもクリクリした瞳に、灰色がかった身体の。



「虫じゃねぇよ、コレ。ヤモリだわ」
「ど、どっちでもいいからっ! 獲って、獲ってぇ~っ!?」
「へいへい。ジッとしてろよぉ?」



 俺はさっそくヤモリを確保するべく身をかがめ、片手を伸ばすのだが、思いのほかヤモリがすばしっこく、中々片手では捕まえる事ができない。



「し、ししょ~っ! それじゃ多分、れないよぉ……」
「まぁ待て、落ち着け? もう少しで……ハッ!?」



 俺は半泣きの爆乳わん娘を落ち着かせるべく、彼女の顔を見上げようとして……今、自分がすごい体勢であることを自覚した。

 涙目の美少女を立たせ、その前にしゃがみこみ、太ももに指先を這わせつつ、あとちょっと顔を下げれば、スカートの奥に広がるワンダーランドを覗こうとしている益荒男ますらおに見えなくもないだろう。

 コレ、ゼッタイ公園とかでやったら、白と黒でデコレーションされたオシャンティーなツートンカラーの車が飛んでくるヤツだわ。間違いない。



「ししょー、はやく……。メイちゃんが、帰ってきちゃう」



 いや、別に見られてマズイことなんて、何1つしてないよね? 

 なんでコイツはそんな台詞を……?

 頬を染め、扇情的な表情で俺を見下ろす爆乳わん娘。

 う~ん?

 本格的に国家権力の動きが気になり始めてきたぞぉ?

 なんて考えていると、ヤモリの野郎、太ももの内側に移動しやがった!

 俺は「逃がすか!」と声をあげながら、よこたんの太ももの内側へと差し込むようにして、指先を沿わせた。



「ひゃわっ!? し、ししょーっ!? そ、それはちょっと!?」
「待て待てっ! 逃げるな、逃げるな! あとちょっとなんだから!」



 俺の行動に驚いたのか、急に内股になり、腰が引けるラブリー☆マイエンジェルマイ。

 マイ☆エンジェルは俺の頭を片手で押さえながら、吐息を少し乱れさせた。

 きめ細かく、吸いつくような爆乳わん娘の太ももを、縦横無尽に蹂躙しながら、ヤモリを追跡する。

 ……なんかもう、アレだな?『俺、このあと死ぬんじゃねぇの?』という、よく分からん気分のまま、よこたんの内側の太ももを撫でまわしつつ、ヤモリを無事捕獲。



「よし、捕まえた! もう少しだぞ、よこたん!」
「う、うん……」



 顔を真っ赤に染め上げ、身を硬くする爆乳わん娘に、若干興奮しながら、彼女の太ももを傷つけないように、そっと指先を抜いていく。

 ……のだが、その際、スカートの中に手が入り込むような形になり……なんというか、背徳感にまみれた興奮が俺の心臓をギュッ! と握りしめてきた。

 あぁっ、今なら甘んじて『変態』というののしりを受けたってかまわんね!

 例え世間に石を投げられようが、俺はこの一瞬を全力で楽しむ!

 そんな熱い想いと共に、俺はヤモリをスカートの中からそっと引き抜いた。

 よこたんはスカートの裾を押さえながら、顔を真っ赤にして、



 ――ペタンッ!



 と、腰が抜けたように、その場に座ってしまう。



「うぅ~……。今のは大胆すぎるよ、ししょー」
「わりぃ、わりぃ。でもホラ、こうしてちゃんとヤモリも捕獲できた事だし、良しとしようぜ! ……って、うん?」



 ちょっとだけ批難するような上目使いで、俺を見上げてきた爆乳わんの懐から、



 ――コロコロ♪ ポテンッ!



 と『何か』が転がり落ちてきた。
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