354 / 414
最終部 シンデレラボーイはこの『最強』を打ち砕く義務がある!
第8話 会長と番犬くん
しおりを挟む
――小鳥遊大我は真性のヤリチン野郎で、女子生徒を喰うべく森実高校へやってきた犯罪者に違いない。
その日の放課後、2年A組だけではなくC組、はては有志により集まってくれた男子生徒たちだけで開かれた会合での結論が、コレであった。
満場一致で「間違いない。ヤツは森高の女子生徒を食い散らかしに来た、性犯罪者だ!」と可決された。
ちなみに全員何故か「彼女居ない歴=年齢」の奴らが集まったが……まぁ誰か集まったところで結果は同じだっただろう。
この瞬間、『ヤリチンは殺せ!』のキャッチフレーズのもと、俺たちは小鳥遊大我の魔の手から学校の女の子を守り抜こう! と意志を確認し合った。
ただ会合が2年A組の教室のど真ん中で行われたため、話し合いの内容がおもっくそ女子に聞かれていたのだが、俺達はそんなこと気にしなかった。
蛇塚女子からの可愛らしい唇から発せられる「き、キモい……」の一言ですら、俺たちはポジティブに受け入れられた。
そう、嫌われたとしても構わない。
いくら彼女たちに嫌われようと、俺達は死んでも彼女たちを守りきる!
あえて泥を被り正義を貫くダークヒーローとして、自分の幸せではなく、彼女たちの幸せと純潔を守るために、俺たちはスポットライトが当たらない蛇の道を征くことを決めた。
それからの俺たちの行動は早かった。
俺達は小鳥遊転校生の近くに同士の仲間を配置し、女子生徒との交流を疎外するという合理的かつ神の1手とも言える手段に打って出た。
とくにコレには女子生徒から圧倒的不人気のアマゾンが多大なる戦果を残したコトを、級友である俺が奴の誉として語っておこうと思う。
このシンプル故に完璧な作戦が功を奏したのか、小鳥遊大我転校生に喰われたという女子生徒の報告は0。
「――かくして俺達は、この1週間、無事に学校の風紀を守り抜いたのであった、まる!」
「……それはようございましたね、まる」
「もうっ! 真面目に聞いてんのか、芽衣!? 俺の、俺たちの血と汗と涙のヒューマン・ストーリーを!」
聞いてるわよぉ、といつもの生徒会長の席で頬杖を突きながら、かったるそうな生返事を返す我らが女神さま。
場所は2年A組の教室から打って変わって生徒会室。
そこで俺は我が偉大なる仲間にして苦楽を共にしてきた生徒会役員たちを招集し、この1週間、俺達がどれだけ頑張ってきたかを物語調で説明しようとしていたのだが……集まったのは芽衣1人だけっていうね。
もう自分の人望の無さにビックリだよね!
みんな、俺のコト嫌いなのかな?
「つぅか何で芽衣しか集まらないんだよ? 俺、キチンと全員に召集をかけたよね?」
「しょうがないでしょ。アタシ以外、みんな予定が入っちゃったんだから」
そう言って生徒会長の仮面を脱ぎ捨てた芽衣が、曇天の空へと視線を移しながら、その桜色の唇を動かした。
「猿野くん、司馬さん、宇佐美さんは普通に部活動。大和田さんは母親の誕生日を祝うために今日は早めに帰ったし、洋子はまぁ……野暮用よ」
「野暮用ぅ~? んだよ、他の奴らは仕方ないとして、よこたんはナニしてんだよ?」
「さぁ~てね? 今頃スーパーでチョコレートでも買い漁ってるんじゃないの?」
「はぁん? なんでチョコレート?」
知~らない、と可愛く舌をペロ♪ と出しながら、おちょくるようにチロチロ動かす女神さま。
チクショウ、可愛いじゃねぇか。
この場に居たのが紳士日本代表の俺じゃなければ、今頃その舌に吸いついている所だ。
というか、よこたんの中では優先順位は俺よりもチョコレートの方が上なのか……地味にショックだ。
まぁ確かに急な召集だった故に、1人だけでも集まってくれたコト事態に感謝するべきなのかもしれないな。
うん、そう思おう。
「それで? 用は終わった? ……そう、それじゃ帰りましょうか。ポツポツ雨も振り出してきたコトだし」
そう言って椅子から腰を上げる芽衣。
もう少し感慨に耽ってくれてもいいのになぁ。
なんて思いながらも、俺も窓の外へと視線を移す。
そこには鉛色を超えて、もはやドス黒い雲が『ゴロゴロ……』と不気味な音を立てながら、雨を地上へと撒き散らしていた。
「…………」
「ん? どうしたのよ、士狼? そんな青い顔を浮かべて?」
「は、ハァ!? べ、別にビビってねぇけど!? ただあの雲、絶対に中に滝川ク●ステルがあるなと思ってただけだし!?」
「いや、そこは天空の城でしょうに……本当どうしたのよ? いつもに増して変、というか挙動不審じゃない。お腹でも――」
痛いの? と、そう続くハズだった芽衣の言葉は、突如生徒会室を包み込んだ発光によって、簡単に掻き消された。
目の前と思考が真っ白になるほどの光。
かと思えば、数秒遅れて、
――ドォォォォォォォォォンッ! ゴロゴロゴロ……
爆発音のような雷鳴が、校舎を震わせた。
途端に芽衣が「おぉ~」と感嘆な声をあげる。
「今の雷、かなり大きかったわねぇ。こりゃどこかに落ちたかしら、ねぇ士狼? ……士狼? どうしたの? お腹を押さえて蹲ったりして?」
「ハァ!? なにが!?」
「いやだから、お腹を押さえてどうしたのよ? というか大丈夫? 顔、真っ青よ?」
「ま、まったく!? まったくもって無問題ですが、なにか!?」
――ドォンッ! ドォンッ! ドォォォォォォンッ! ゴロゴロゴロ……
「ぴえんっ!?」
「……士狼?」
「ッ!? ば、バカ芽衣! はやくポンポンを隠せ! 雷様に『おへそ』を持って行かれるぞ!?」
「雷様、おへそ……」
瞬間、芽衣は「まさか……?」といった表情で目を見開いた。
その瞳は『信じられない!?』とばかりに俺を射抜いていた。
が同時に、どこまでも強い好奇心が秘められているのが、簡単に見てとれた。
いまだゴロゴロと鳴り響く鉛空の下、芽衣は確かめるようにゆっくりとその淡い唇を動かした。
「士狼、アンタまさか……雷が怖いの?」
「はぁん!? 怖い? 雷が? なぜ? Why? というか、怖いという気持ちが分からないわ! 誰か俺に『怖い』って感情を教えてくれ!」
「そう、なら1人で帰れるわね。それじゃ雨が本降りにならないうちに、アタシ帰るわね。お疲れさまぁ~」
「ウェイト! ウェイト!? ごめん、ごめん! 怖い! 雷超怖い! だから俺を1人にしないでぇぇぇぇぇぇっ!?」
「最初からそう言えばいいものを……」
恥も外聞も関係なく、涙目で芽衣の腰に抱き着く俺。
もう四の五の言っている場合じゃねぇ!
今、ここで1人にされたら、間違いなくチビる自信がある。
というかだ、1人で家に帰れる自信がない。
芽衣は今にも泣き出しそうな俺を見下ろしながら、「でも意外ね」と驚きに満ちた声音で口をひらいた。
「まさか士狼にこんな弱点があっただなんて……。オバケが苦手なのは知ってたけど、雷もダメなの?」
コクコクコクコクッ! と、高速で首を縦に振る。
途端に芽衣が「か、可愛いわねアンタ……」と、頬を染めだす。
どうやら、さっきの仕草が彼女の母性に直撃したらしい。
相変わらず、訳の分からん所にツボがある女だ。
なんて気を抜いた一瞬を縫うように、再び雷鳴が俺たちの身体を激しく揺さぶった。
「ふぅ、まったく困った雷だ……。芽衣! 手ぇ握っててくれ! チビりそうだ!」
「強気で弱気なコトを言うんじゃないわよ。ほらっ、立って士狼。雨が小雨のウチに帰るわよ」
「こ、腰が抜けて力が出ない……」
「ビビり過ぎよ……。まさか雷1つで士狼がこんなにカワイ――ごほんっ! ……ポンコツになるだなんて。まぁ元からポンコツなんだけどね」
ちょっと?
一言余計ですわよ?
と、普段なら軽口を叩いているところだが、残念ながら今の俺にそんな余裕はない!
だが問題ない!
家にさえ帰れば、我が愛しの大神ファミリーが温かく迎えて……あっ。
「どうしたのよ、士狼? そんな『重大な事実に気づいてしまった!?』って顔は?」
「芽衣、いや芽衣さん。お、落ちついて、俺の話を聞いて欲しい」
「いや、まず士狼が落ち着きなさいよ……」
それで? 話ってなによ?
ぶっきら棒ながら、話の続きを促してくれる女神様。
どうやら最後まで聞いてくれるらしい。
俺はそんな女神さまに縋るように、今、現在進行形で我が身に降りかかっている不幸の数々を口にし始めた。
「実はですね? 本日の大神家は、大変アンタッチャブルな有様でございまして……」
「というと?」
「まず父君が会社の研修ということで、東京へ行っております。加えて姉上も、大学のテスト勉強に精を出すべく友人の家に泊まり込んで今、家にはおりません。そして我が偉大な母上に至っては、オールナイトで職場の人間と飲むらしいので、今日は帰って来ません!」
「つまり、今日は家に士狼しか居ないってことね」
「そうなります。そこで! 我が愛しの女神様である芽衣ちゃんに、1つお願いがあります!」
「あぁ~……もう何となくオチは分かったけど、一応聞いてあげる。言ってごらん?」
ありがたき幸せ! と頭を垂れながら、俺は我が主君に向かって一世一代の『お願い』を口にした。
「――一生のお願いです! 今夜、我が家に泊まってください!」
その日の放課後、2年A組だけではなくC組、はては有志により集まってくれた男子生徒たちだけで開かれた会合での結論が、コレであった。
満場一致で「間違いない。ヤツは森高の女子生徒を食い散らかしに来た、性犯罪者だ!」と可決された。
ちなみに全員何故か「彼女居ない歴=年齢」の奴らが集まったが……まぁ誰か集まったところで結果は同じだっただろう。
この瞬間、『ヤリチンは殺せ!』のキャッチフレーズのもと、俺たちは小鳥遊大我の魔の手から学校の女の子を守り抜こう! と意志を確認し合った。
ただ会合が2年A組の教室のど真ん中で行われたため、話し合いの内容がおもっくそ女子に聞かれていたのだが、俺達はそんなこと気にしなかった。
蛇塚女子からの可愛らしい唇から発せられる「き、キモい……」の一言ですら、俺たちはポジティブに受け入れられた。
そう、嫌われたとしても構わない。
いくら彼女たちに嫌われようと、俺達は死んでも彼女たちを守りきる!
あえて泥を被り正義を貫くダークヒーローとして、自分の幸せではなく、彼女たちの幸せと純潔を守るために、俺たちはスポットライトが当たらない蛇の道を征くことを決めた。
それからの俺たちの行動は早かった。
俺達は小鳥遊転校生の近くに同士の仲間を配置し、女子生徒との交流を疎外するという合理的かつ神の1手とも言える手段に打って出た。
とくにコレには女子生徒から圧倒的不人気のアマゾンが多大なる戦果を残したコトを、級友である俺が奴の誉として語っておこうと思う。
このシンプル故に完璧な作戦が功を奏したのか、小鳥遊大我転校生に喰われたという女子生徒の報告は0。
「――かくして俺達は、この1週間、無事に学校の風紀を守り抜いたのであった、まる!」
「……それはようございましたね、まる」
「もうっ! 真面目に聞いてんのか、芽衣!? 俺の、俺たちの血と汗と涙のヒューマン・ストーリーを!」
聞いてるわよぉ、といつもの生徒会長の席で頬杖を突きながら、かったるそうな生返事を返す我らが女神さま。
場所は2年A組の教室から打って変わって生徒会室。
そこで俺は我が偉大なる仲間にして苦楽を共にしてきた生徒会役員たちを招集し、この1週間、俺達がどれだけ頑張ってきたかを物語調で説明しようとしていたのだが……集まったのは芽衣1人だけっていうね。
もう自分の人望の無さにビックリだよね!
みんな、俺のコト嫌いなのかな?
「つぅか何で芽衣しか集まらないんだよ? 俺、キチンと全員に召集をかけたよね?」
「しょうがないでしょ。アタシ以外、みんな予定が入っちゃったんだから」
そう言って生徒会長の仮面を脱ぎ捨てた芽衣が、曇天の空へと視線を移しながら、その桜色の唇を動かした。
「猿野くん、司馬さん、宇佐美さんは普通に部活動。大和田さんは母親の誕生日を祝うために今日は早めに帰ったし、洋子はまぁ……野暮用よ」
「野暮用ぅ~? んだよ、他の奴らは仕方ないとして、よこたんはナニしてんだよ?」
「さぁ~てね? 今頃スーパーでチョコレートでも買い漁ってるんじゃないの?」
「はぁん? なんでチョコレート?」
知~らない、と可愛く舌をペロ♪ と出しながら、おちょくるようにチロチロ動かす女神さま。
チクショウ、可愛いじゃねぇか。
この場に居たのが紳士日本代表の俺じゃなければ、今頃その舌に吸いついている所だ。
というか、よこたんの中では優先順位は俺よりもチョコレートの方が上なのか……地味にショックだ。
まぁ確かに急な召集だった故に、1人だけでも集まってくれたコト事態に感謝するべきなのかもしれないな。
うん、そう思おう。
「それで? 用は終わった? ……そう、それじゃ帰りましょうか。ポツポツ雨も振り出してきたコトだし」
そう言って椅子から腰を上げる芽衣。
もう少し感慨に耽ってくれてもいいのになぁ。
なんて思いながらも、俺も窓の外へと視線を移す。
そこには鉛色を超えて、もはやドス黒い雲が『ゴロゴロ……』と不気味な音を立てながら、雨を地上へと撒き散らしていた。
「…………」
「ん? どうしたのよ、士狼? そんな青い顔を浮かべて?」
「は、ハァ!? べ、別にビビってねぇけど!? ただあの雲、絶対に中に滝川ク●ステルがあるなと思ってただけだし!?」
「いや、そこは天空の城でしょうに……本当どうしたのよ? いつもに増して変、というか挙動不審じゃない。お腹でも――」
痛いの? と、そう続くハズだった芽衣の言葉は、突如生徒会室を包み込んだ発光によって、簡単に掻き消された。
目の前と思考が真っ白になるほどの光。
かと思えば、数秒遅れて、
――ドォォォォォォォォォンッ! ゴロゴロゴロ……
爆発音のような雷鳴が、校舎を震わせた。
途端に芽衣が「おぉ~」と感嘆な声をあげる。
「今の雷、かなり大きかったわねぇ。こりゃどこかに落ちたかしら、ねぇ士狼? ……士狼? どうしたの? お腹を押さえて蹲ったりして?」
「ハァ!? なにが!?」
「いやだから、お腹を押さえてどうしたのよ? というか大丈夫? 顔、真っ青よ?」
「ま、まったく!? まったくもって無問題ですが、なにか!?」
――ドォンッ! ドォンッ! ドォォォォォォンッ! ゴロゴロゴロ……
「ぴえんっ!?」
「……士狼?」
「ッ!? ば、バカ芽衣! はやくポンポンを隠せ! 雷様に『おへそ』を持って行かれるぞ!?」
「雷様、おへそ……」
瞬間、芽衣は「まさか……?」といった表情で目を見開いた。
その瞳は『信じられない!?』とばかりに俺を射抜いていた。
が同時に、どこまでも強い好奇心が秘められているのが、簡単に見てとれた。
いまだゴロゴロと鳴り響く鉛空の下、芽衣は確かめるようにゆっくりとその淡い唇を動かした。
「士狼、アンタまさか……雷が怖いの?」
「はぁん!? 怖い? 雷が? なぜ? Why? というか、怖いという気持ちが分からないわ! 誰か俺に『怖い』って感情を教えてくれ!」
「そう、なら1人で帰れるわね。それじゃ雨が本降りにならないうちに、アタシ帰るわね。お疲れさまぁ~」
「ウェイト! ウェイト!? ごめん、ごめん! 怖い! 雷超怖い! だから俺を1人にしないでぇぇぇぇぇぇっ!?」
「最初からそう言えばいいものを……」
恥も外聞も関係なく、涙目で芽衣の腰に抱き着く俺。
もう四の五の言っている場合じゃねぇ!
今、ここで1人にされたら、間違いなくチビる自信がある。
というかだ、1人で家に帰れる自信がない。
芽衣は今にも泣き出しそうな俺を見下ろしながら、「でも意外ね」と驚きに満ちた声音で口をひらいた。
「まさか士狼にこんな弱点があっただなんて……。オバケが苦手なのは知ってたけど、雷もダメなの?」
コクコクコクコクッ! と、高速で首を縦に振る。
途端に芽衣が「か、可愛いわねアンタ……」と、頬を染めだす。
どうやら、さっきの仕草が彼女の母性に直撃したらしい。
相変わらず、訳の分からん所にツボがある女だ。
なんて気を抜いた一瞬を縫うように、再び雷鳴が俺たちの身体を激しく揺さぶった。
「ふぅ、まったく困った雷だ……。芽衣! 手ぇ握っててくれ! チビりそうだ!」
「強気で弱気なコトを言うんじゃないわよ。ほらっ、立って士狼。雨が小雨のウチに帰るわよ」
「こ、腰が抜けて力が出ない……」
「ビビり過ぎよ……。まさか雷1つで士狼がこんなにカワイ――ごほんっ! ……ポンコツになるだなんて。まぁ元からポンコツなんだけどね」
ちょっと?
一言余計ですわよ?
と、普段なら軽口を叩いているところだが、残念ながら今の俺にそんな余裕はない!
だが問題ない!
家にさえ帰れば、我が愛しの大神ファミリーが温かく迎えて……あっ。
「どうしたのよ、士狼? そんな『重大な事実に気づいてしまった!?』って顔は?」
「芽衣、いや芽衣さん。お、落ちついて、俺の話を聞いて欲しい」
「いや、まず士狼が落ち着きなさいよ……」
それで? 話ってなによ?
ぶっきら棒ながら、話の続きを促してくれる女神様。
どうやら最後まで聞いてくれるらしい。
俺はそんな女神さまに縋るように、今、現在進行形で我が身に降りかかっている不幸の数々を口にし始めた。
「実はですね? 本日の大神家は、大変アンタッチャブルな有様でございまして……」
「というと?」
「まず父君が会社の研修ということで、東京へ行っております。加えて姉上も、大学のテスト勉強に精を出すべく友人の家に泊まり込んで今、家にはおりません。そして我が偉大な母上に至っては、オールナイトで職場の人間と飲むらしいので、今日は帰って来ません!」
「つまり、今日は家に士狼しか居ないってことね」
「そうなります。そこで! 我が愛しの女神様である芽衣ちゃんに、1つお願いがあります!」
「あぁ~……もう何となくオチは分かったけど、一応聞いてあげる。言ってごらん?」
ありがたき幸せ! と頭を垂れながら、俺は我が主君に向かって一世一代の『お願い』を口にした。
「――一生のお願いです! 今夜、我が家に泊まってください!」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる