みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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最終部 シンデレラボーイはこの『最強』を打ち砕く義務がある!

第11話 昨日は『お楽しみ』でしたね?

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 人間というのは、割りとどうでもいいモノを大切にしたがるものだ。

 例えば、小さい子どもがさして価値もない河原の小石を集めたりとか、特に遊びの要素もないお菓子のおまけのキャラクターカードを集めるのとか、いい例だろう。

 さらに具体的に言うのであれば、元気を愛しすぎて、もはや宗教の域に達していると言っても過言ではないパツキン巨乳うさみんが、元気が愛飲あいいんする飲み物だからと、飲めないクセにコーラを何本も部室にストックしていたり、元気の彼女である司馬ちゃんが、元気の脱ぎたての制服に鼻先を突っ込んでクンカクンカ♪ していたのを俺は確認している。

 極めつけのアマゾンに至っては、芽衣の抜け毛を気密パックしたうえで保存していたくらいだ。

 さすがの俺もコレにはドン引きしたので、ヤツの家に遊びに行った際にソレを見つけて、



『ち、違うんだ大神! こ、これはその……そう! あまりにも綺麗だったから、きっとコレは天照大御神あまてらすおおみかみ様の髪の毛で、持っていれば御利益があるに違いないと思って!』



 と、自分の家は天界へと繋がっていて、このあとオレは血沸き肉躍る冒険の旅へと出発するんだ! と、日本の政治家並みに内容ペラッペラなことを口走るアマゾンを無視して、目の前で燃やしてやったのを覚えている。

 このように、人間という生き物は、本当にどうでもいいモノに価値を見出す天才であると言えるだろう。

 ちなみに俺、大神士狼は同年代の奴らよりも少し大人びていたコトもあって、そういったたぐいのモノをコレクションしたことはない。

 幼少の頃より価値のあるモノ、無いモノを見極める目を持っていたことは、ちょっとした自慢でもある。

 まぁ強いて言うのであれば、アマゾンが隠し撮りした森実高校の女子生徒の写真をちょくちょく購入しているコトくらいか。

 とくに最近は、よこたんの爆乳がバインバイン♪ 揺れている写真が多いかな。

 もちろん勘違いしないで欲しいが、エロい気持ちは一切ない。

 ただ仲間たちとの青春の日々を忘れないように、記録しようとしているだけだ。
 
 よこたんの写真がアルバム3冊分くらいあるが、コレは俺が仲間想いなだけであって、けっして夜のオカズ用ではない。

 ほんとである。

 この写真では3日に1回程度にしか、オカズにしていない。

 ちなみに、このアルバムは俺の部屋の鍵つきの机の引き出しに厳重に保管されているのだが、あるとき1度だけ酔っぱらった母ちゃんが無理やり開けようとしたコトがあり……危うく親殺しの大罪を背負うハメになりかけた素敵エピソードも存在するのだが、今は関係ないので一旦脇に置いておこうと思う。

 さて、こんなに長々と語ってしまったが、要は自分にとっては大切なモノでも、他人にとってはゴミも同然のようなモノが、世の中には溢れかえっていると言いたかったワケ。

 ……なのだが、しかしして、誰もが等しく求め、極端にありがたがるモノが1つ存在する。




 ――そう、それは現役女子校生のピチピチ❤ヒップである。




 あのプニッ♪ と柔らかいくせに、押し返すような弾力が手のひら全体に伝わり、いつまでも揉んでいたくなる女子校生のお尻。

 きっと全世界の人間が女子校生のお尻を撫でまわせば、世界から戦争は消えるだろう。

 そう確信できる『何か』が、JKのピチピ❤チヒップにはあった。

 うん? なんで俺がJKのお尻の感触を知っているかだって?

 答えは簡単。




 ――俺が現在進行形で、寝巻き姿の芽衣のお尻をムニムニ❤ と撫でまわしているからだ。




 いや、ちょっと待ってくれ?

 別にこれはセクハラとかじゃないから。

 まぁまずは一旦落ち着いて、取り出したスマホを仕舞って欲しい。

 そう、俺が芽衣のお尻を撫でまわしているのには、キチンとした理由があるのだ。

 というのも、昨日の晩、お風呂から上がった俺たちは、珍しく気まずい雰囲気のまま寝巻きへと着替えていた。

 まさか芽衣とこんな雰囲気になるなんて、露とも思っていなかっただけに、妙に居心地が悪くて仕方がない。

 だが、そんな俺たちの雰囲気なんぞお構いなしとばかりに、雷鳴は轟音をもたらしながら我が家を揺らしていく。

 もうこの時点でお風呂場の出来事など悠久の彼方へと消え去った俺は、泣きつくように芽衣に「一緒に寝てくれ」と懇願こんがん、いや哀願あいがんした。

 結果、口元をニマニマさせながら「しょうがないわねぇ~」と了承してくれた芽衣と、俺の部屋に設置されているベッドで一緒に寝ることに。

 シングルベッドという事もあり、2人身を寄せ合わないとハミ出てしまうため、しょうがなく2人して抱き合うような形でベッドイン。

 疲れていた事もあり、特にエロい雰囲気になることもなく、鼻息の荒い芽衣と共に、泥のように眠りに落ちたのが昨晩の出来事。

 そして朝、俺が目を覚ますと、いまだ寝ている芽衣の腰回り――というか、ぶっちゃけお尻なんだけど――そこをガッツリ手で撫でまわしているっていうね。

 この時点で寝惚ねぼまなこだった俺の瞳は、カッ! と見開き、一瞬で覚醒。

 瞬間、驚きのあまり思わず芽衣のお尻をムギュッ! と掴んでしまい……さらに驚きに目を見開いてしまう。

 いやね? 我が家で用意している芽衣専用の寝巻きなんだけどね?

 もうね、お尻のあたりがイイ感じでパッツンパッツン♪ でね?

 なんていうか……うん。

 逆に『そうなった』ことで、触り心地がすこぶるイイというか、ピッチピチ♪ に張っているのに触ると柔らかくて、でも手を押し返してくれるようなプリッ❤ とした弾力もあって……もう脳内麻薬がどっぴゅどぴゅ♪ だよね!

 それに1揉みするごとに、熟睡している芽衣の唇から「んっ……❤」と艶めかしい声が漏れ聞こえてきて、俺の意志に反して、両手が勝手に這いずりまわるんだよね!

 しかもパッツパツ♪ 故に、お尻に浮き出た下着のライン、いわゆるパンティラインも指先で感じることが出来て……もう俺、このまま死んじゃねぇの? って感じるくらい幸せだ!

 ちなみに、俺のお股に住むポケットモンスターは、朝の生理現象と相まって、もはや言葉にするのもおこがましいレベルの硬度へと達している。

 いやぁ、もうほんと……凄いよ?

 今ならライフル弾ですら簡単に弾き返せるんじゃねぇの? ってくらい、ご立派だぜ?

 それはそうと、そろそろ朝の準備をした方がいいかな?

 なんて思っていると、俺の中の悪魔と天使がひょっこり! と顏を出してきた。

 悪魔が言う。


 ――もうちょっとお尻コイツで楽しんじゃおうぜ! 大丈夫、バレやしねぇよ!


 そして天使が言う。


 ――やっちまいな!



「シロウ、イッきまぁぁぁぁぁぁすっ!」



 俺は別の生き物のように、芽衣のお尻を蹂躙じゅうりんしていく自分の両手に意識を向けながら、その幸せの感触を全力で楽しむ作業に戻った。



「う~ん? ……もしかしたら、俺は尻派なのかもしれない」



 新たな性癖の扉が開かれていくのを感じながら、ムニムニ❤ と芽衣のお尻を弄りまわす。

 いやぁ、ほんとパツパツ♪ に張った芽衣のお尻は、なんとも揉み心地が良くて、何なら一生揉んでいられ――ハッ!?



「待てよ? 寝巻きでコレなら……パンストでの揉み心地は、一体どうなってしまうんだ?」



 1度気になり出したら『試してガッテン!』してみたくなるのが、男子高校生という生き物だ。

 俺は溢れ出る痴的ちてき好奇心……間違えた、知的好奇心に導かれるまま、超高速で思考を加速させる。

 確かに寝ている女の子の服を脱がすなんて最低だ。

 普通に犯罪だと思う。

 だがしかし! 俺は脱がせるんじゃなくて、履き替えさせてあげようとしているだけなのだ!

 そうっ! つまり、眠っている芽衣の寝巻きを脱がして、パンストに履き替えさせてあげる行為は、何ら問題はないワケで……ハハッ!

 これはアレだ。決して『いやらしい』コトが目的のアレじゃなくて、朝の準備を俺がちょっとだけ手伝ってあげる善意の行いなのだ!

 そのときパンストを装着した芽衣のお尻に、偶然お手々が触れてしまうかもしれないが、それはあくまで事故。

 そう事故なのだ!

 事故だから偶然、撫でまわしたり、揉みし抱いたり、なんなら顔をうずめたりしても、なんら問題ないワケで……よしっ、勝った!



「確か60デニールのパンストの予備が、制服のポケットの中に入っていたハ……ズ……えっ?」
「「…………」」



 俺がさっそく行動を開始しようと顏を上げたら……なんか居るのね、部屋に。女の子2人が。

 というか、メチャクチャ見知った2人なのよね、コレが。

 というか、よこたんと大和田ちゃんなんだよね、コレが。



「……えっ?」
「ふふっ♪ おはよう、ししょーっ」
「シロパイ、おはっ♪」
「お、おはようございます……えっ?」



 不気味なくらいニコニコ♪ している2人から、爽やかな朝の挨拶の声が俺の部屋に木霊する。

 それはいい、別にいい。

 なんなら朝から女の子に挨拶できるなんて、最高ですらある。

 問題なのは、何故2人が朝1番から我が家に居るのかという事だ。

 しかもね?

 2人の周りだけね、雰囲気が全然違うの。

 もう「ド ド ド ド ド」って文字が浮いて見えるくらい、ブチ切れてんのよね、2人とも。

 つぅかもう「ド ド ド ド ド」っていうより「怒 怒 怒 怒 怒」な感じなのよね、コレが。

 う~ん?

 コレはもう、アレじゃないかな?

『おはよう♪』したばっかりだけど、強制的に永遠のオヤスミに突入するんじゃねぇかな、俺?



「あ、あの2人とも? どうやって我が家に? ふ、不法侵入ですか? は、犯罪ですよ、ソレ!?」
「ふふふっ♪ 犯罪だなんて、そんな。寝ている女の子のお尻を撫でまわしている、ししょーには言われたくないなぁ」
「そ、それに関しては誠に申し訳ありません……って、えっ? えっ?」
「とりあえずシロパイ、揉むの、やめたら?」



 ハッ!? 俺としたことが、つい気が動転してしまい、芽衣のお尻を無我夢中で揉みしだいてしまった!

 それにしても、どうして女の子のお尻は、こうも揉んでいると心が落ち着くのだろうか?

 これはもう『リラックスするためには、女の子のお尻を揉むのが1番効果的だ!』という論文を学会で発表した方がいいのだろうか?



「ししょー? いつまでメイちゃんのお尻を揉んでいるつもりなのかな?」
「ヒィッ!?」



 瞬間、不気味なまでにニコニコ♪ している爆乳わん娘と大和田ちゃんの背後に、運慶うんけい快慶かいけい作の金剛力士像が姿を現し……ぇっ!?

 超怖ぇよっ!?

 何なの!?

 この2人なんなの!?

 どうやって背後に金剛力士像を召喚したの!?

 リンク召喚なの?

 というか、なんでずっと笑顔なの?

 なんで声だけは上機嫌なクセに、そんなにブチ切れた雰囲気を醸し出すことが出来るの?

 もうこの2人が怖くて仕方ねぇよ!

 助けて、お母ちゃぁぁぁぁぁぁぁんっ!?



「す、すいません! ごめんなさいっ! でもあの……ほ、本当にどうして2人が我が家ウチに?」

「昨日、メイちゃんがオオワダさんのお家に泊まるっていうから、昨晩オオワダさんにお礼の電話をかけたんだけどね?」

「おかしな事に、ウチの家に会長は泊まりに来てないんだよねぇ。なら会長はどこに『お泊り』したんだろうねぇ? って、古羊パイセンと話し合ってたら、すぐピーンッ! ときて、慌ててシロパイのウチに駆けこんだら、まさかのビンゴっていうね。……ところでシロパイ? 何か申し開きはある?」



 ズアッ! と、部屋の温度が3度ほど下がったのが分かった。

 その凍てつく波動といい、瞳の奥の冷たさといい、もしかしたら彼女たちは氷結系の魔法が使えるのかもしれない。

 そこから先の展開は、もう……凄いぞ?

 今にも虐殺が始まらんばかりに殺気を放っている女の子2人に、俺は全てを話した。

 それはもう昨日の生徒会での話から、轟く雷鳴にビビる俺、果ては世界経済の展望についてまで包み隠すことなく、まるっと全て話たさ!

 俺が口を開くたびに、2人の怒気がこの空間を支配していき、風もないのに窓がビリビリ!?と震えだしたときは、もう覚悟を決めたよね。

 はっは~ん?

 恐らくこれから、俺は死ぬんじゃないかな?



「むぅ~ッ? うるさいわねぇ~。何事よ、もう……?」
「あっ、芽衣! ちょうどいい所に!」
「んん~? ……あれ、士狼? おはよぉ~。というか……あれ?」



 あれれ? と、いまだ本調子はではない芽衣の微睡まどろんだ瞳が俺を捉えた。

 そのままトロンッ❤ とした瞳で俺の部屋をグルリと見渡し、すぐ傍で浮気Gメンのように絶対零度の怒気を放っている乙女2人を視界に納め、自分の寝巻き姿を見下ろし、再び俺の顔を凝視する。

 徐々に意識がハッキリしてきたのか、その重そうな瞳がゆっくり、ゆっくりと見開いていき、気がつくと驚愕の顔を浮かべたメイ・コヒツジがそこに居た。

 どうやら自分の置かれている状況を理解したらしい。

 芽衣は再びマイ☆エンジェルと大和田ちゃんを見返し、そのままニッコリ♪ と微笑みながら……布団を被り直した。って、おい!



「おはよう、メイちゃん。もう朝だよぉ? 起きなきゃ遅刻しちゃうよ?」
「お、おはよう洋子。い、いい朝ね?」



 にゅっ! と顏を布団からハミ出させながら、ぎこちない笑みを浮かべる我らが女神さま。

 おそらく『対大和田ちゃん』対策なのだろう、盛っていない胸を見られないように、必死に布団を抱きしめていた。

 が、よこたんも大和田ちゃんも芽衣のそんな行動などどうでもいいらしく、まるで狙撃手がスコープを覗く時のような鋭い眼差しで、



「ところで会長? いくつか質問してもいい?」
「な、なんでしょうか大和田さん? で、出来れば学校へ遅刻してしまうので、着替えてからにして貰ってもいいですかね?」
「大丈夫、すぐ済むから」



 パイセン、と大和田ちゃんが短く爆乳わん娘の名を呼ぶと、よこたんは普段のポワポワとした喋り方ではなく、真実を追求しようとする名探偵のような口ぶりで、こう言った。



「昨日の電話の件なんだけどね? どうしてメイちゃんは、オオワダさんの家に『お泊り』するって、ボクに嘘をついたのかなぁ? んん~?」

「そ、それは……ほら! あれですよ! 洋子を心配させたくないという、お姉ちゃんの親心ですよ! 雷鳴が凄かったですからね、迂闊に外に出て欲しくなかったんですよ」

「なるほど。それじゃ質問を変えるね? ……オオワダさん、お願い」



 了解、と大和田ちゃんは天使と見間違うほどの惚れ惚れする笑みを顔に張りつけながら、ポケットからスマホを取り出してみせた。

 どうやらソレで何かを撮影していたらしく、簡単な動作で『とある』1つの動画を俺たちに見せてくる。

 ソレは俺と芽衣がまだ眠っていたときの映像だった。

 芽衣は俺の首筋に鼻先を埋めながら、むにゃむにゃ♪ と小声で寝言を口走っているようで、俺たちはスマホから聞こえてくる女神さまの声に耳を傾けた。
 


『――んん~。しろぉ、いい匂いするぅ~。しゅきぃ~、大好だいしゅきぃ~、えへへ~……❤』



 瞬間、我らが女神さまは、布団を抱きかかえたまま、窓から投身自殺を図ろうとした。
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