みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

文字の大きさ
404 / 414
真・最終部 みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

第19話 女神さまだと思った? ざんねぇ~ん! 後輩ちゃんでした!(まさにエンジェル!)

しおりを挟む
 本当に珍しく姉ちゃんが良い事を言った、数十分後のリビングにて。

「さぁて! それじゃ一眠りしますかなぁ!」と、元気よく2階の自室へ帰って行った姉ちゃんの後ろ姿を見送りながら、俺は先ほど聞いた言葉を、胸の内で何度も反芻はんすうしていた。



「愛……か」



 うん、我ながらキメェ独り言だと思う。

 恥ずかしさのあまり、またお尻がビクンビクンッ!? しそうになる。

 こんなの知的でクールなナイスガイである所の、大神さん家の士狼くんがする事じゃない。

 ……ほんと、俺らしくない。

 なんてことを考えていると、


 ――ピンポーンッ!


 と、我が家の呼び鈴がリビングへと木霊した。

 姉はたった今『夢の世界』へ出航したばかりだし、両親は朝早くから2人で出かけたので、やはりというか何というか、対応できるのが俺しか居なかった。



「……はぁ~い」



 俺は約12時間ぶりに重い身体を動かして、のそのそと玄関へと移動する。

 ガチャリッ! と、妙に重たく感じる扉を開けると、そこには制服姿に桃色の髪をした美少女がプンスコッ! と言った様子で頬を膨らませていた。



「おっそ~いっ!? もうシロパイ、今何時だと思ってんの!」

「えっ? えっ? お、大和田ちゃん? な、なんで我がウチに? 今日、遊ぶ約束とかしてたっけ?」

「ハァ? 寝ぼけているワケ? 今日は生徒会役員総出の町内清掃でしょ? いつまで経ってもシロパイが『いつもの場所』に来ないから、迎えに来たんだし!」

「町内清掃? ……あっ」



 大和田ちゃんに言われて、思い出す。

 そう言えば先週、芽衣にそんな事を言われていた気がする。

 先週は爆乳わん娘をデートに誘うので、いっぱいおっぱい……違う、一杯一杯だったから、すっかり忘れてたわ。



「あぁーっ!? その顔『すっかり忘れてたぜ、ベイベー』って思ってる顔だ! もうっ! シャキっとしてよね、シロパイッ!」

「ねぇ、たまに思うんだけどさ? 大和田ちゃんの中で、俺のイメージってどうなってるの?」
「そんな事どうでもいいから、早く行こ――くっさ!? シロパイくっさ!?」



 何故か童貞特有のやる気を身体中から発散させ、俺の制服を引っ張ろうとし――慌てて鼻を押さえて距離を取る、愛しのプチデビル後輩。

 どうやら俺の溢れ出る男性フェロモンが、彼女をとりこにしてしまったらしい。

 相変わらず罪づくりなナイスガイである。

 ほんと、どうしてこのフェロモンボディは、あの『まな板』ボディの会長には効かないのか……。

 1人センチメンタルな気分に浸(ひた)っていると、グイグイッ! と大和田ちゃんが俺の男らしい背中を押してきた。



「あぁもうっ! 世話が焼けるんだから! ほらっ、シロパイ! さっさとシャワーを浴びてきて! その間に服やら何やらはコッチで用意しとくから! ほらダッシュ!」

「……いつも済まないねぇ、婆さんや」
「それは言わない『お約束』っしょ、爺さんや」



 ほら行けっ! と、無理やり脱衣所に押し込められる。

 そうだな。

 ウジウジしたって現実は何も変わらないし、こうなったら彼女の言う通り、1度熱いシャワーでも浴びて、気分でも切り替えるべきだよな。



「さっさと風呂入って準備するか………えっ?」



 俺が制服の裾に手をかけた瞬間、寒さとは別の意味で全身に鳥肌が立った。

 うっすらと隙間が開いた脱衣所の扉。

 そこから先の廊下へと続く空間は薄暗い。

 薄暗いハズなのに……その薄暗い空間から、目玉が1つ。

 寸分の狂いもなく、俺だけを見つめていた。



『ハァ、ハァ、ハァ……チッ』



 憎らしげな舌打ちが脱衣所に木霊すると同時に、扉がゆっくりと音も立てずに閉まっていった。

 ……いやいやいやっ!?

 怖すぎるだろ、今の!?

 えっ、ちょっと待って?

 マジで今の誰なの!?

 現在我が家に在住しているのは、頭のおかしい姉と、性格がおかしい後輩だけ。

 そして我が姉君は、あんな肉食獣のような吐息をまき散らしながら、弟を血走った瞳で見据えたりしない。

 となると犯人は……。

 ……い、いやいやいやっ!?

 ありえない、ありえないから!

 彼女のワケがない!

 どうやら徹夜したせいか、幻覚が見えてしまったらしい。

 うん、彼女のワケがない。絶対ない!

 ……絶対ないけど、一応確認しておこうか、うん。

 俺は恐る恐る脱衣所の扉を開け、廊下へと顏を出した。



「ん? どったしシロパイ? そんな青い顔を浮かべて?」
「い、いや別に? な、何でもないよ?」
「??? 変なシロパイ?」



 脱衣所の前に立っていた大和田ちゃんが、不思議そうに首を捻る。

 その手には、何故か録画モードのスマホが握られていたが……うん。

 いつもの彼女だ。



「本当どうしたし、シロパイ?」
「い、いや、マジで何でもない。ちょ~っと、徹夜明けで神経が過敏になっていただけらしいから」
「そう? それよりも早くお風呂に入っちゃいなよ?」
「う、うん。そ、そうだね」



 一瞬だけ大和田ちゃんの熱っぽい視線がなぶるように俺の肌を撫でたような気がしたが……きっと気のせいだろう。

 俺は「それじゃ、お風呂に入ってくるね?」と、我が愛しのプチデビル後輩に別れを告げ、再びゆっくりと扉を閉める。

 その際に我らが書記ちゃんの方から



「ンフー、ンフーッ❤」



 と、獣のごとき荒い鼻息が聞こえてきたような気がしたが、これもきっと神経が過敏になっているからに違いない。

 俺は爛々らんらんと瞳を輝かせる彼女を尻目に、脱衣所へと戻っていった。

 それから10分後、色々スッキリして脱衣所から出てくると。





 ――何故か満足気な笑みを浮かべた大和田ちゃんが、スマホ片手に鼻血を吹いて倒れていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...