少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第46話

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リラフィアの笑顔が好きだ。

サラサラの髪も、キラキラした瞳も、全部綺麗で。


「あのね、リラフィア…」


イルヴィンドは何度も深呼吸し、勇気を振り絞る。


「好き、だよ」


リラフィアは一瞬、何を言われたのか分からなかった。

唐突な告白は消え入りそうなほど小さな声で、でも真剣な顔で。


「リラフィアの笑った顔、可愛くて好き」


真っ赤な顔をしながらも、真っ直ぐに見つめ。


「綺麗な髪も肌も、触りたいなって思うし」


イルヴィンドはリラフィアの手を握り返し、ハッキリと思いを伝える。


「頼りなくないって言ってくれてありがとう。ずっと待っていてくれてありがとう」


笑顔で話していたイルヴィンドだったが、リラフィアが固まって動かないため不安になってきた。


「えっと…ごめん?」


嫌だったのだろうか、そう考え泣きそうになるイルヴィンド。

リラフィアは、


「ありがとう、ございます…」


涙を浮かべ微笑んだ。


「嫌だった?」


「いいえ!まさか…嬉しいのです」


成長期に入りグングン背が伸びていくイルヴィンドの逞しくなっていくその肩に顔を埋め、リラフィアは静かに涙を流す。


「わたくしのほうこそ…アーサーのことを気にされているのか、それともやはり年齢のことがあるから良くないのかと」


普段は堂々とした立ち振る舞いをするリラフィアだが、イルヴィンド相手だと臆病なところがある。

焦ってはいけない、頑張ってくれている。

そう思っても自信を無くし不安になる事も多かった。


「アーサーは凄くいい人だったんでしょう?勝てないかもしれないけど、これからの君は僕が守るよ!」


力強いイルヴィンドの言葉に、リラフィアは幸福に包まれる。

そして顔を上げたリラフィアの唇に、イルヴィンドはそっと口付けた。


「…ごめん、かっこつけたいけどこれが限界かも」


「ふふ…充分ですわ」


普段の気弱なイルヴィンドに戻ってしまったようだ。

リラフィアはくすりと笑う。

そして自分は気持ちを伝えていないことに気づき、


「わたくしも、お慕いしておりますわ…イルヴィンド様」


少しだけ頬を染めながら、その名を呼んだ。

二人は幸せそうに笑い合い、その夜は緊張で眠れなかった。

朝になり、眠そうな二人を見て女官のアリシアが期待の眼差しを向けてきたけれど。


(また女官達の噂話が増えてしまうかしら)


話のネタにされるのは目に見えている…リラフィアは苦笑するしかなかった。

国王夫妻の仲良し度が上がった!

とアリシアが女官仲間に話し、その仲間が更に他へと話し、3日後には城内ほとんどの使用人の期待値が上がることになるとは。

そこまでは予想できなかったリラフィアであった。
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