となりの。

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みかん

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なんで子ども扱いするんだ。
もういい大人なのに。

僕はもくもくとミカンをむいて口いっぱいに頬張る。

すると、それを見た彼女が近づいてきて、
みかんを剥きはじめる。

小さい手、ほそいゆび。
器用にむかれた小さくて不揃いなミカンを、
僕の前、テーブルのうえに、一つ、二つと並べていく。

彼女はほほえみながら、
「すっぱい?おいしい?」とぼくに訪ねて、
でもミカンを剥く手はとめない。

僕は一つ食べ、二つ食べ

もういいよ、と言った。

でも次々と剥いてしまっているので、
また三つ食べ、四つ食べ、

「多いよ!」と彼女に声をかける。

彼女はイタズラに、楽しそうな顔で、
またミカンに手をのばす。

僕は、みかんをのみこむと、
急いで彼女の手首をつかんだ。
いきおいよく振り向く彼女、

しまった。

そう思った時にはもう遅い。
思いの外距離が近くて、
僕の心臓がドクっと音をたてる。

彼女は、みかんをおくと、
空いた手を僕のおでこにあてて、
額の髪の毛を分けた。

 小さな傷にキスをする。

「変わらないね。」

そういって頭をなでて帰っていった。
隣の自宅に。

これが子供あつかいじゃないなら、
僕は考える。

これが子ども扱いじゃないなら、なんなんだろう。と。
いくつになったら追いつけるのかな?
頭の中で何度も、バカみたいに反芻する。

体が大きくなったって、

お酒が飲めるようになったって、

僕と彼女の関係はかわらない。

綺麗なお隣のお姉さんと、
幼馴染の僕・・・。
よくありそうな初恋の設定。




 


 

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