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本編
7話 ヒロインと悪役令嬢、行動開始!③
しおりを挟むそんなこんなで2年と少しが経ち、楽しい学園生活を送っていた。
私は、貴族のサロンで交流を続けながら料理サロンに顔を出しては美味しい料理を作るために活動している。卒業後は、メルと一緒に店を開こうとも考えたがこの国にはいづらいと思ったのでダナン先輩に頼んで先輩の勤め先の料理長の紹介で他国の主要都市(王都ではない)で働けるようにしてもらった。これで今後の心配はない。家族には婚約破棄が決まったらいうつもり!それまでは着々と準備を進めていくつもりだ。
メルとアーノルドはますます仲良くなり卒業と同時に結婚式をあげる予定らしい。順調で何よりだ。
ここで、問題の殿下なのだが、今もちゃんと婚約者としての交流を続けており、お茶会やお出かけなどもしている。殿下とお出かけするときはたくさんの美味しいお店を回って食べ歩きをしたり、料理の材料を見れるのでとても楽しい。ちなみに、殿下には料理クラブに入っていることが割とすぐにバレて何かあったのかと心配されたので殿下にいつか手料理を食べていただきたいからといって押し切った。
後、メルの話やメッシーナのいいところをアピールしたりもしている、私は計画的に行動を起こしている。私の今世での未来のために!
放課後、メルに今日メッシーナに話をすると言ったら止められた。
「ねぇ、サリア。この2年間殿下を見てきたけどここはゲームの世界じゃないし、殿下も私には興味ないみたいだからシナリオとは関係なくなっているしそこまでする必要はないんじゃないかな?殿下はサリアのこと大事にしてくれるよ。これまでの行動を見てきたらそう思うでしょ?」
「それはそうかもだけど…」
そう、殿下は私に対して、とても優しいのだ。お出かけの時も美味しい物探しに楽しそうに付き合ってくれるし、あんまり食べると他も食べられないでしょ?と言って半分食べてくれるのだ。そのおかげで毎回たくさんの種類の美味しいものを食べられる様になっている、しかも支払いは殿下持ちだ。払おうとしたら、私に出させて?と先に会計を済ませてしまう。甘やかされている気しかしない。ちゃんとエスコートもしてくれるし、気遣いも忘れない、贈り物だって毎月欠かさず送ってくれる。このまま結婚できたらそれも楽しいだろうなとも思う。でも、油断してはいけない、いつゲームっぽくなるかもわからないのだ。
「メル、念には念を入れておかなきゃだよ。今は大丈夫でもこれから隠しヒロインとかが出てきて断罪ルートになるかもしれないじゃん!」
「それはそうかもしれないけど…わかったわ、じゃあこれから本格的に動き出すのね。厄介なことにならなければいいけど。」
ちょっと呆れ気味だが、協力してくれることになった。
「ありがとう、メル。あなたと出会えて本当によかったわ、大好きよ!」
「私もよ、サリアと一緒だったから学園生活はとても楽しいわ。」
メルはとてもいい笑顔で言ってくれた。本当にいい友達を持ったと思う。もうすぐお別れになってしまうと思うと悲しいが死なないための計画なので生きていたらまた会えるし、今はそのために頑張ろう。
放課後、いつものようにサロンで話をしようと言ったメッシーナに大事な話があると言って放課後はいつも人気のない中庭の東屋で2人でお茶会をすることにしてもらった。
「それで、サリア。何かあったの?顔はいつもパッとしていないけどいつもより暗いわ。」
「あのね、メッシーナに相談があるんだけど…私殿下を支えられる自信がないのよ。お妃教育は終わったんだけどこれから実戦になると思うととても怖くなってしまって。」
「え…。どうしたのサリア、あなたらしくないわよ。何があったの?」
メッシーナが本気で心配してくれてる。実践が怖くないわけではないんだけどちょっと騙す様な感じになってしまって心苦しい。メッシーナ、ごめんなさい。
「ずっと思っていたのよ。私では殿下を支えることができないって。ゆくゆくは王太子妃になるのに私では荷が重すぎると思ったの。今になって不安になってきちゃって…だから、あなたに殿下の婚約者になって欲しいの。もちろん陛下や王妃様、殿下、私の家族には私からちゃんと話すわ。」
「あなたそんなに悩んでたのね。確かにあなた勉強はまあまあできるけどダンスやマナーはちょっと怪しいものね…わかったわ、できる限り協力するわ。」
「メッシーナ、ありがとう。…卒業まであと少しだからこれからちゃんと殿下に伝えるわ。ちょっと時間がかかるかもしれないけれど分かってもらえるように説得するわ。」
「えぇ、他に悩み事はないの?あなたが悩んでいることに今まで気づかなかったから他に何かあったら1人で考えないで相談してね。」
「心配してくれてありがとう。じゃあ今日は失礼するわね。」
よし、ミッションコンプリートだ!
そうして、中庭から教室に戻ってきた。
「メル!成功だわ!計画通りよ。」
「サリア、大きな声出しちゃだめよ。誰かが聞いていたら大変でしょう?」
メルに注意されながら、私はさっきのお茶会でことを一つも隠さず話した。
「そう、じゃあ、あとやることは殿下や家族に説明することね。」
「だから早速今日の夜にでも……」
「それはちょっと待った方がいいんじゃない?今までなんともなかったのにいきなりそんな話をしたら怪しいと思うわ。お妃教も終わっているんでしょ?少し時間を空けてから話したほうが実践が不安っていうのが伝わりやすいわ。」
「メルすごい!確かにその方が伝わりやすいわね。」
「じゃあ、そうするわ。」
メル天才!って思いながら帰ってどういう演技をしようかと考えているとメルがまた呆れた顔をしていた。なんかしたかな?
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