【完結】六文銭の渡し方

九時せんり

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舞台

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「棚田ってさぁ、夜何時まで勉強してんの?」
学校の昼休み、佑は棚田と弁当を食べながら話した。
「う~んと遅くても10時までだな。まだ俺等、寝ないと成長ホルモン出なくなると困るじゃん。」
そう言って棚田は紙パックジュースを飲んでいく。
「大体、俺等1点差とか2点差で1番か、2番か何だぜ。そんなに気にしなくても良くない?」
「どうせ俺は棚田みたいに全教科満点なんて取れませんよ~。」
そう言って佑は弁当を食べる。
「あれ?肉じゃないの?」
「え?あぁ最近魚が食べたくて。」
「食べたくてねぇ…。」
棚田は意地の悪い笑みを浮かべる。
「それより菜摘ちゃんさぁ。」
「どこが良いんだよあんな枯柳。」
「美しいよねー。スラリとした体型。」
「キモくて家でも話題に出ないわ。」
「彼氏とかいるのかなぁ?」
「何で姉ちゃんなわけ?」
「格好良くて美しいじゃん。戦隊モノの女性みたい。」
ナツネエは確かにスラリとして美しい。良くバレエ習ってたでしょう?そう聞かれる。
だが弟の立場として姉は姉だ。
「そんなことより学年トップが欲しいぃぃぃ。」
「そんな事言ってたら学年主任の大鳥喜んで飛んでくるぞ。」
「大鳥は独自の哲学折り込んでくるから嫌なんだよ。」
「確かになぁ。」
そうしてふたりは弁当を食べ終えて午後の授業の準備を始めた。
この日は午後から雨の予定で、雨が降り出すとみんな一斉に窓を閉め始めた。
そんな中、ひとりの女子生徒がグラウンドに犬がいると話した。
みんなが見ると雨の中に犬が一匹いた。
体育教師が犬を校舎内に入れてタオルで拭き始めた。いつもと違う光景にみんなが心躍らせていた。
「近所の犬かもしれませんね。」
「相渕先生から警察に相談してもらってください。」
「首輪にも何か書いてあるんだけど読めませんね。」
「生徒は授業に戻りなさい!!」
みんなが廊下に集まってきていた。
「あれって何の犬種だっけ?」
「コーギーだな。」
棚田と佑は教室でみんなの様子を眺める。
「コーギーが野良って可能性は低いもんなぁ…。」
そう言って佑はあくびする。
「寝不足は良くないぞ。」
「弁当食いすぎて眠いだけだよ。」
先生たちが戻ってきて授業を再開した。
しかし生徒は上の空だ。
「学校で飼えば良いのにねぇ…。」
そんな声がポツリポツリと聞こえた。
休みの日は誰が面倒見るんだよ、佑はそう思ったが言わなかった。
棚田がメモを回してきた。
『あのコーギー連れて行かれたって。』
佑はふーんと思ったものの、これと言って、気にする様子もなく授業に集中した。
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