5 / 26
5.放課後は菜摘と
しおりを挟む
数日が経ち、俺の学校での生活が劇的に変わったかというと、そうでもなかった。
放課後は清浦と屋上で会い、夜は一ノ瀬と夕食を食べる――これが追加されただけで、他に変わったことはあまりないのが現状だ。
そして、今日も清浦が屋上にやってきた。雨が降ればこの場所は使えないが、ありがたいことに最近は晴天続きだ。
「こんにちは、相沢さん。今日はおんぶして連れて行ってもらえますか?」
「ああ、わかった」
周りに誰もいないのをしっかり確認してからしゃがむと、清浦が俺の背中におぶさってきた。それと同時に、俺の背中にやわらかな感触が伝わってくる。以前、浩介と話した時に話題に出た事があるが、お互いに服着ているのだから、背中に伝わる胸の感触なんてわからないだろうと思っていた。
まだ上着を着るような気温でもないので、お互いに薄着なのもあるだろう。だが、思っていた以上の感触に、清浦の胸が結構あるということもわかってしまった。
上に上がると、清浦は微妙に不機嫌な表情を見せた。
「む~、誰もいないとわかっていても後ろから丸見えなのはいただけませんね……」
どうやら、飛び上がるときに後ろからスカートの中が丸見えになるのが嫌らしい。
俺からも全く見えないのも残念だが。
いつもここで清浦と何を話しているかというと――特に決まってなかったりする。今日何があったとか、他愛もない世間話ばかりだ。ただ、一ノ瀬の部屋で夕食を作ってもらって一緒に食べていることは言っていない。
「なぁ、清浦。俺と会ってることは一ノ瀬は知っているのか?」
「いえ? 知らないと思いますよ? どうしてですか?」
「いや、俺と一ノ瀬は同じマンションに住んでいることもあるし、前から顔見知りだったからいいんだけど、俺と清浦って一ノ瀬から見たら全く接点がないだろ? たまたまどこかで三人がばったり出会ったりしたら、どうしたものかと思ってな」
「あ~それなら……普通に友達って言えばいいんじゃないですかね?」
「そうか……まぁ、そうだよな」
別に俺達が付き合ってるとかそういういう関係じゃないから、何も気にする必要ないよな。
「そうですよ。あ、それで思いつきました。私のこと、名前で呼ぶようにしてもらえませんか? 私も名前で呼びますから、優希さん」
いきなり何を言い出すかと思ったら、名前で呼べだと? 今まで仲の良い幼馴染とかもいず、彼女いない歴=年齢の俺にいきなりそれはキツくないか?
そして、名前で呼ばれたことに鼓動が早くなっているのも事実だ。
「な……菜摘……これでいいか? なんかやたらと緊張するが」
「その内慣れると思いますよ。ちなみに、今後、清浦って呼んでも一切返事しませんから、そのつもりでいてくださいね」
「な!? マジか?」
「はい、マジです」
まぁ、学校で呼ぶこともそうそうないだろうし、大丈夫か……もし、誰かに聞かれたら騒ぎになりそうだ。ただ、慣れてきた頃にやらかしてしまいそうな予感しかしないな。
しかし、菜摘って大人しそうな感じなのに結構グイグイくるよな。俺としては気を使わなくていいし、話しやすいからいいけどな。
横に座っている菜摘を見ると、鞄からイチゴオレを取り出して飲んでいる。まだ、知り合って数日だが、これ以外の飲み物飲んでるところ見たことない気がする。
「? どうしましたか?」
「なんかいつもそれ飲んでるような気がしてな……」
「これ、好きなんですよ。それに、そういう優希さんこそいつもブラック珈琲飲んでるじゃないですか?」
「あ~そう言われるとそうだな」
確かに、俺はブラック珈琲飲むことが多い。甘いのが苦手とかそういうわけじゃないが、いつもこれを選んでしまう。
「だから、それと同じですよ。私は珈琲飲むときはカフェオレみたいなのばかりですが……それって美味しいんですか?」
「俺はいつもこれだからな……飲んでみるか?」
菜摘はコクンと頷くと、俺が持っていた缶珈琲を受け取った。そして、俺の飲みかけのそれに口を付けた。
「んっ……苦いですね、これ……私は無理です」
と、俺に残りを返してきたが、これって……普通に間接キスだよな。まぁ、菜摘は見る限り気にしていないようだ……と思っていたが、少し頬が赤い。
「そ、そうか? 俺は普段からブラックばかりだから気にならないけどな……」
そう言って、受け取った珈琲に口を付ける――なんだかほんのり甘い気がするのは気のせいだろう。その様子を菜摘がじっと見つめていた。
「どうかしたか?」
「いえ……何でもないですよ……ところで、優希さんは穂香さんと同じマンションに住んでいるんですよね?」
「ああ、そうだな」
「じゃあ、今度、遊びに行ってもいいですか?」
「え……あ、ああ……それは別に構わないんだが……」
「何かあるんですか?」
「全く掃除ができていなくてだな……とてもじゃないが人を呼べるような状態ではない」
俺の言葉に、菜摘は少しだけ顔をしかめた。形のいい眉がぴくっと動いた気がする。
「……そんなに酷いのですか?」
「……ああ、そんなにだ」
「掃除しないのですか?」
「しようとは思っているが……なかなか……な」
「……優希さんって、しっかりしているようで、掃除ができない人でしたか……」
菜摘はイチゴオレをストローで吸いながら、呆れたような視線を俺に向けてきた。
「まぁ、そういうわけで、掃除が終わるま……」
「ダメです! 優希さんが自主的に掃除を完了させるの待っていたら、確実に卒業してしまいます。というわけで、今度の土曜日、予定入れないで家にいて下さい。掃除しに行きますので」
「え? 本気で来るのか!?」
「はい、雨降ったらこの場所は使えませんから、放課後の憩いの場を確保しておかないといけません」
「菜摘……お前、放課後、俺の部屋に入り浸る気か?」
「入り浸るなんて人聞きの悪い……穂香さんの所にもよく遊びに行きますし、それに……あのマンション、私の家から歩いて五分なんですよ? 近いからいいじゃないですか」
そう言ってニコっと笑顔になる菜摘はとても可愛くて、思わず見惚れてしまったが、それ以上に何か菜摘に企みがあるのではないかと思ってしまう。こいつ、何だかんだ言って結構計算高いからな。ただ、好意的なのはありがたい。
一ノ瀬もだが、これだけの美少女と毎日のように二人きりで会って話すなんて以前は全く考えられなかったからな。
今も、学校の連中には見つからないように気を付けながらではあるが。
「今日はそろそろ帰りますね。また下ろしてもらえますか?」
「ああ、わかった」
俺は周りを確認したが、屋上には他の生徒はいないようだ。今の内だな。上ってくる時と同じでとりあえずおんぶかと思ったが、正面から抱き着いてきた。
「今日はこれでお願いします」
俺の胸に顔を埋めるように抱き着くのが恥ずかしいのだろう、顔が赤い。こんな抱き着き方を誰かに見られたら、絶対に誤魔化すことなどできないな。そう思いながら、菜摘を支えるように腰に手を回すと、菜摘が俺の手を掴んできた。
「飛び降りる時にスカートが捲れるのが嫌なので、押さえてて下さい」
俺の胸から少し顔を離してから、上目遣いで言ってきた。あっ、これはヤバい。菜摘みたいな美少女に頬を赤らめながらそんなことされたら普通に惚れてしまいそうだ。更に、追い打ちで掴んだ俺の手を、スカートのお尻の部分に移動させてきた。
押さえるってそういうことか。俺の右手に緊張が走る。スカート越しなのではっきりとはわからないが、少しでも手に力を入れて指を内側に曲げれば、菜摘のお尻の感触を感じることができるだろう。
だが、さすがにそんなことをしてしまうわけにはいかないな。俺は湧き上がる煩悩を抑え込み、菜摘を抱いて下に飛び降りた。
「ありがとうございます。恥ずかしいですが、これが一番いいですね。では、また明日」
菜摘はそう言って去っていったが、俺は菜摘の残り香とやわらかな感触の余韻からしばらく立ち尽くしていた。
放課後は清浦と屋上で会い、夜は一ノ瀬と夕食を食べる――これが追加されただけで、他に変わったことはあまりないのが現状だ。
そして、今日も清浦が屋上にやってきた。雨が降ればこの場所は使えないが、ありがたいことに最近は晴天続きだ。
「こんにちは、相沢さん。今日はおんぶして連れて行ってもらえますか?」
「ああ、わかった」
周りに誰もいないのをしっかり確認してからしゃがむと、清浦が俺の背中におぶさってきた。それと同時に、俺の背中にやわらかな感触が伝わってくる。以前、浩介と話した時に話題に出た事があるが、お互いに服着ているのだから、背中に伝わる胸の感触なんてわからないだろうと思っていた。
まだ上着を着るような気温でもないので、お互いに薄着なのもあるだろう。だが、思っていた以上の感触に、清浦の胸が結構あるということもわかってしまった。
上に上がると、清浦は微妙に不機嫌な表情を見せた。
「む~、誰もいないとわかっていても後ろから丸見えなのはいただけませんね……」
どうやら、飛び上がるときに後ろからスカートの中が丸見えになるのが嫌らしい。
俺からも全く見えないのも残念だが。
いつもここで清浦と何を話しているかというと――特に決まってなかったりする。今日何があったとか、他愛もない世間話ばかりだ。ただ、一ノ瀬の部屋で夕食を作ってもらって一緒に食べていることは言っていない。
「なぁ、清浦。俺と会ってることは一ノ瀬は知っているのか?」
「いえ? 知らないと思いますよ? どうしてですか?」
「いや、俺と一ノ瀬は同じマンションに住んでいることもあるし、前から顔見知りだったからいいんだけど、俺と清浦って一ノ瀬から見たら全く接点がないだろ? たまたまどこかで三人がばったり出会ったりしたら、どうしたものかと思ってな」
「あ~それなら……普通に友達って言えばいいんじゃないですかね?」
「そうか……まぁ、そうだよな」
別に俺達が付き合ってるとかそういういう関係じゃないから、何も気にする必要ないよな。
「そうですよ。あ、それで思いつきました。私のこと、名前で呼ぶようにしてもらえませんか? 私も名前で呼びますから、優希さん」
いきなり何を言い出すかと思ったら、名前で呼べだと? 今まで仲の良い幼馴染とかもいず、彼女いない歴=年齢の俺にいきなりそれはキツくないか?
そして、名前で呼ばれたことに鼓動が早くなっているのも事実だ。
「な……菜摘……これでいいか? なんかやたらと緊張するが」
「その内慣れると思いますよ。ちなみに、今後、清浦って呼んでも一切返事しませんから、そのつもりでいてくださいね」
「な!? マジか?」
「はい、マジです」
まぁ、学校で呼ぶこともそうそうないだろうし、大丈夫か……もし、誰かに聞かれたら騒ぎになりそうだ。ただ、慣れてきた頃にやらかしてしまいそうな予感しかしないな。
しかし、菜摘って大人しそうな感じなのに結構グイグイくるよな。俺としては気を使わなくていいし、話しやすいからいいけどな。
横に座っている菜摘を見ると、鞄からイチゴオレを取り出して飲んでいる。まだ、知り合って数日だが、これ以外の飲み物飲んでるところ見たことない気がする。
「? どうしましたか?」
「なんかいつもそれ飲んでるような気がしてな……」
「これ、好きなんですよ。それに、そういう優希さんこそいつもブラック珈琲飲んでるじゃないですか?」
「あ~そう言われるとそうだな」
確かに、俺はブラック珈琲飲むことが多い。甘いのが苦手とかそういうわけじゃないが、いつもこれを選んでしまう。
「だから、それと同じですよ。私は珈琲飲むときはカフェオレみたいなのばかりですが……それって美味しいんですか?」
「俺はいつもこれだからな……飲んでみるか?」
菜摘はコクンと頷くと、俺が持っていた缶珈琲を受け取った。そして、俺の飲みかけのそれに口を付けた。
「んっ……苦いですね、これ……私は無理です」
と、俺に残りを返してきたが、これって……普通に間接キスだよな。まぁ、菜摘は見る限り気にしていないようだ……と思っていたが、少し頬が赤い。
「そ、そうか? 俺は普段からブラックばかりだから気にならないけどな……」
そう言って、受け取った珈琲に口を付ける――なんだかほんのり甘い気がするのは気のせいだろう。その様子を菜摘がじっと見つめていた。
「どうかしたか?」
「いえ……何でもないですよ……ところで、優希さんは穂香さんと同じマンションに住んでいるんですよね?」
「ああ、そうだな」
「じゃあ、今度、遊びに行ってもいいですか?」
「え……あ、ああ……それは別に構わないんだが……」
「何かあるんですか?」
「全く掃除ができていなくてだな……とてもじゃないが人を呼べるような状態ではない」
俺の言葉に、菜摘は少しだけ顔をしかめた。形のいい眉がぴくっと動いた気がする。
「……そんなに酷いのですか?」
「……ああ、そんなにだ」
「掃除しないのですか?」
「しようとは思っているが……なかなか……な」
「……優希さんって、しっかりしているようで、掃除ができない人でしたか……」
菜摘はイチゴオレをストローで吸いながら、呆れたような視線を俺に向けてきた。
「まぁ、そういうわけで、掃除が終わるま……」
「ダメです! 優希さんが自主的に掃除を完了させるの待っていたら、確実に卒業してしまいます。というわけで、今度の土曜日、予定入れないで家にいて下さい。掃除しに行きますので」
「え? 本気で来るのか!?」
「はい、雨降ったらこの場所は使えませんから、放課後の憩いの場を確保しておかないといけません」
「菜摘……お前、放課後、俺の部屋に入り浸る気か?」
「入り浸るなんて人聞きの悪い……穂香さんの所にもよく遊びに行きますし、それに……あのマンション、私の家から歩いて五分なんですよ? 近いからいいじゃないですか」
そう言ってニコっと笑顔になる菜摘はとても可愛くて、思わず見惚れてしまったが、それ以上に何か菜摘に企みがあるのではないかと思ってしまう。こいつ、何だかんだ言って結構計算高いからな。ただ、好意的なのはありがたい。
一ノ瀬もだが、これだけの美少女と毎日のように二人きりで会って話すなんて以前は全く考えられなかったからな。
今も、学校の連中には見つからないように気を付けながらではあるが。
「今日はそろそろ帰りますね。また下ろしてもらえますか?」
「ああ、わかった」
俺は周りを確認したが、屋上には他の生徒はいないようだ。今の内だな。上ってくる時と同じでとりあえずおんぶかと思ったが、正面から抱き着いてきた。
「今日はこれでお願いします」
俺の胸に顔を埋めるように抱き着くのが恥ずかしいのだろう、顔が赤い。こんな抱き着き方を誰かに見られたら、絶対に誤魔化すことなどできないな。そう思いながら、菜摘を支えるように腰に手を回すと、菜摘が俺の手を掴んできた。
「飛び降りる時にスカートが捲れるのが嫌なので、押さえてて下さい」
俺の胸から少し顔を離してから、上目遣いで言ってきた。あっ、これはヤバい。菜摘みたいな美少女に頬を赤らめながらそんなことされたら普通に惚れてしまいそうだ。更に、追い打ちで掴んだ俺の手を、スカートのお尻の部分に移動させてきた。
押さえるってそういうことか。俺の右手に緊張が走る。スカート越しなのではっきりとはわからないが、少しでも手に力を入れて指を内側に曲げれば、菜摘のお尻の感触を感じることができるだろう。
だが、さすがにそんなことをしてしまうわけにはいかないな。俺は湧き上がる煩悩を抑え込み、菜摘を抱いて下に飛び降りた。
「ありがとうございます。恥ずかしいですが、これが一番いいですね。では、また明日」
菜摘はそう言って去っていったが、俺は菜摘の残り香とやわらかな感触の余韻からしばらく立ち尽くしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる