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不時着キキョウ便
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俺は自宅へ一直線に帰り、玄関に入ると、そのまま壁に思い切り拳を殴りつけた。
大丈夫。そう言った青園の顔には微かだが、確かに悲痛が浮かび上がっていた。
「くっだらない。何が幼馴染だ。俺が行った所であいつの傷を抉るだけじゃないか」
いっそのこと俺が女だったら、あいつを傷付けずに済んだのに。
「……そうか、だったら、成ればいいのか。いや、成るしかねぇな」
俺は家に着いた足そのままにショッピンモールに向かった。
「すんません! これ下さい!」
俺はショッピングモールの化粧品コーナーで俺に似合いそうな物を片っ端から買い物カゴに入れてレジに行った。
「プレゼントですか?」
「まぁ、そんな所です」
「包装致しましょうか?」
「いや、大丈夫です。では」
そうして俺は足早にブティックへと向かった。
「これとこれと、あとこれも買うか」
俺の身長だと、こういうジーパンとか、男でも着れそうなジェンダーレスなのが良いんだろうが、あえて長めのスカートや赤いワンピースなんかもカゴに入れてレジでさっさと会計を済ませた。
「次は、本屋だな」
大型ショッピングモールは専門店に比べりゃ数段落ちるが、色々一気に済ませられるのが良いな。つーか本屋なんて入るのいつぶりだろ。
俺は本屋に着くと早速店員に話しかけた。
「すいません、化粧の本って何処ですか?」
「化粧関係ですね、こちらになります」
店員について行くと、メイクした女性が表紙の本が多く並んでる所へ連れられた。
「男性用の化粧本はここら辺になりますね」
しかし店員さんが促したのは、その少し先、いかにもなキメ顔の男のモデルが表紙の本だった。
「あー、ありがとうございます」
女装用なんだが、わざわざ訂正するのも面倒だな。
後は……あー。
何か有ったかと考えながら散策していると、横目に無駄に煌びやかなランジェリーショップが視界の端に映った。
いや、流石に……ねぇ。
「ありがとうございましたー!」
俺はこそこそと無駄に煌びやかな店を後にし、辺りを確認しながら家へと足を動かした。
それから俺は鏡の中の自分を睨むように顔に筆を入れては落とすを繰り返し、その試行時間は日が落ちて上る程のものとなっていた。
しかし元々芸大なのも有って、才能は有ったらしく、朝日が見えてくる頃となれば男らしさは消えて、少し切れ目の女性らしい顔になってきていた。しかし。
「んー、なんかゴツいんよなぁ。全体的に角張ってるような」
顔のメイクが自然な女性に寄りすぎたあまりに、男の体に女の頭が付いている感がより強調されより異様な風貌となっていた。
「つったってなー。今から整形するのは時間が足らんし、他人に任せんのは怖ぇよなぁ。この鎖骨辺りさえどうにかなれば何とかなりそうなんだが」
適当にスマホで女装した人の画像をサーっとスワイプして流してく。
やっぱ首元は隠してる人ばっかだなぁ。
何かやり方は無いだろうか。
そう思ってスクロールを続けていると、1つの画像が目についた。
「メイクは顔だけじゃ無い、男らしさを消すメイク?」
その動画を再生してみると、化粧で鎖骨を薄く見せるという方法を紹介していた。
その動画のやり方は俺からしてみれば拙くは有ったが、確かに元は有った男特有のゴツさが化粧を終えると鳴りを潜めるように変わっていた。
俺は早速首元にパウダーを着けた。
「うおぉ……」
鏡にはどこからどう見ても、赤髪短髪の少し切れ目の鋭い女性が立っていた。
「自分で言うのもなんだがこりゃ犯罪級の美人だなぁ」
そう言いながら俺はワンピースをハンガーに掛け、メイクを落とす為洗面所に向かった。
明日も同じメイクが出来るよう脳内で何度もやり方を反芻しながら。
大丈夫。そう言った青園の顔には微かだが、確かに悲痛が浮かび上がっていた。
「くっだらない。何が幼馴染だ。俺が行った所であいつの傷を抉るだけじゃないか」
いっそのこと俺が女だったら、あいつを傷付けずに済んだのに。
「……そうか、だったら、成ればいいのか。いや、成るしかねぇな」
俺は家に着いた足そのままにショッピンモールに向かった。
「すんません! これ下さい!」
俺はショッピングモールの化粧品コーナーで俺に似合いそうな物を片っ端から買い物カゴに入れてレジに行った。
「プレゼントですか?」
「まぁ、そんな所です」
「包装致しましょうか?」
「いや、大丈夫です。では」
そうして俺は足早にブティックへと向かった。
「これとこれと、あとこれも買うか」
俺の身長だと、こういうジーパンとか、男でも着れそうなジェンダーレスなのが良いんだろうが、あえて長めのスカートや赤いワンピースなんかもカゴに入れてレジでさっさと会計を済ませた。
「次は、本屋だな」
大型ショッピングモールは専門店に比べりゃ数段落ちるが、色々一気に済ませられるのが良いな。つーか本屋なんて入るのいつぶりだろ。
俺は本屋に着くと早速店員に話しかけた。
「すいません、化粧の本って何処ですか?」
「化粧関係ですね、こちらになります」
店員について行くと、メイクした女性が表紙の本が多く並んでる所へ連れられた。
「男性用の化粧本はここら辺になりますね」
しかし店員さんが促したのは、その少し先、いかにもなキメ顔の男のモデルが表紙の本だった。
「あー、ありがとうございます」
女装用なんだが、わざわざ訂正するのも面倒だな。
後は……あー。
何か有ったかと考えながら散策していると、横目に無駄に煌びやかなランジェリーショップが視界の端に映った。
いや、流石に……ねぇ。
「ありがとうございましたー!」
俺はこそこそと無駄に煌びやかな店を後にし、辺りを確認しながら家へと足を動かした。
それから俺は鏡の中の自分を睨むように顔に筆を入れては落とすを繰り返し、その試行時間は日が落ちて上る程のものとなっていた。
しかし元々芸大なのも有って、才能は有ったらしく、朝日が見えてくる頃となれば男らしさは消えて、少し切れ目の女性らしい顔になってきていた。しかし。
「んー、なんかゴツいんよなぁ。全体的に角張ってるような」
顔のメイクが自然な女性に寄りすぎたあまりに、男の体に女の頭が付いている感がより強調されより異様な風貌となっていた。
「つったってなー。今から整形するのは時間が足らんし、他人に任せんのは怖ぇよなぁ。この鎖骨辺りさえどうにかなれば何とかなりそうなんだが」
適当にスマホで女装した人の画像をサーっとスワイプして流してく。
やっぱ首元は隠してる人ばっかだなぁ。
何かやり方は無いだろうか。
そう思ってスクロールを続けていると、1つの画像が目についた。
「メイクは顔だけじゃ無い、男らしさを消すメイク?」
その動画を再生してみると、化粧で鎖骨を薄く見せるという方法を紹介していた。
その動画のやり方は俺からしてみれば拙くは有ったが、確かに元は有った男特有のゴツさが化粧を終えると鳴りを潜めるように変わっていた。
俺は早速首元にパウダーを着けた。
「うおぉ……」
鏡にはどこからどう見ても、赤髪短髪の少し切れ目の鋭い女性が立っていた。
「自分で言うのもなんだがこりゃ犯罪級の美人だなぁ」
そう言いながら俺はワンピースをハンガーに掛け、メイクを落とす為洗面所に向かった。
明日も同じメイクが出来るよう脳内で何度もやり方を反芻しながら。
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