私は、御曹司の忘れ物お届け係でございます。

たまる

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添い寝の意味がわからない

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 あ、あれ?
 ここは?  
 微睡みの中、ゆっくりと目を開いた。豪華な船内の丸窓が目に入る。ブラインドが閉めてあるので、そんなに眩しくない。 
 ほーーっ。丸窓にもブラインドって作れんだねーっと感心していると、あっとまた自分の置かれた状況を思い出した。だが、今、昨日のことより、今の状況の方が遥かに問題で、どうして良いのかわからない。

 だって、私、は、裸なんです!!
 昨日、確か私、バスローブを羽織っていた。

 し、しかも、ええええ、案の定、後ろには多分裸っぽい蓮司が寝ていた。というよりより、くっついてる! え? もしかして、知らない間に、というか、寝ている間に終わっちゃたの? 事後なのこれ? 正直、なにを一番率先して隠していいのかわからない。自分の手の感触で何かを感じる。
 あ、あれ? パンツ履いているじゃん。え? じゃーセーフなの? なんなの? 完全に混乱してモゾモゾしている美代を蓮司が感じた。

 「お、おはよう……美代」 

 チュッと頭の上にキスを落とされる。 

 「え、あ、おはようございます。あの、この状況……」
 「あー、やっぱり、たまんないなっ、クソ」

 首の後ろをなにか柔らかい感触が伝わる。

 「ひぃっ、なにを!」
 「がまんしろよ、美代。これくらい」

 振り向こうと思ったら、いや、まずいっ。前が隠せない!
 蓮司が美代の背中をいたずらに、指で触った。

 「ひっいぃ!か、会長!、蓮司様!あーーっ」

 蓮司が耳元で囁く。

 「昨夜は……凄かったよ。美代って意外に大胆なんだな……」

 こんなときに限って、奴の超低音バリトンボイスが利きやがる。身体が全身の低音に反応するように震えた。 

 「な、なにをおっしゃっているのでしょうか?」

 ふっと笑っている蓮司を耳元で感じながら、美代は、頭の中からフル回転で記憶を取り出す。おかしい、考えてもおかしい。いつから添い寝が、その、なんだ……そういう意味になったのだろうか?もしかしたら、寝ているうちに、この野獣に襲われ、え、もしかして、私、おそっちゃった?

 「何考えている?」
 「え、あのー、蓮司会長が言った意味をですねー。思考中です」
 「美代。ほとんど裸の男女がベッドのなかで語り合うのは、なんだ?」
 「あー、そうですね。それは……」
 「それは……?」
 「……わかりました。それは、今日か明日の天気予報です!」
 「………」
 
 蓮司が深くため息をついた。
 「仕方がないな。教えてやるよ、覚悟しろ」



 30分後。



 蓮司がベッドが、立ち上がり隣の部屋のシャワールームに消えた。

 「今、俺に裸を見せたくないなら、いま浴びるしかないぞ」

 放心状態。

 その言葉の意味をかみしめていた。
 
 ヤラレた。完全にヤラレた。どう考えても勝ち目のないゲームだった。想像を絶する甘い言葉。信じられないくらいの甘いキス。たったそれだけなのに、鳥肌が全身に立ちそうだった。
 誰がこんなゲームに勝てるんだ?誰がこんな甘い、ムカつくほどカッコ良い、しかも嫌味なほど優しい男を拒めるんだろうか?

 「や、やばすぎる。支度しなければ……」

 急いでシャワールームに入り、着替える。なぜか今日用意してあった洋服は、美代が好きなタートルネックのセーターに、パンツルックだった。
 気がきくなーと、感心していたら、その意味がよくわかりました。

 「ぎゃあーーーーー!」

 バスルームの鏡を見たら、絶叫した。
 身体全体にあの虫刺されを発見したのだ。

 「な、なにが? 起こったの?」

 自分の身体のマークを見つめ続け、先ほどのベットの上で、男女が正しく行う「会話」を思い出し、また赤面した。

 でも、おかしい。

 昨日も今も、こんなところ? キスされたっけ?
 身体中の赤い点を見ながら、思い出せない位置まである虫刺されのようなものを見た美代は、また考え込んだ。


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