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紙切れに脅かされ
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また、腹痛が!!っと言って女子トイレに逃げ込む。
よかった。蓮司の女子をナチュラルにタラし込んでしまう性質からなのか、女のSPはいなかった。
だから、この女子トイレという聖域を荒らすものはいない。しかもこちらは区役所だ。奴の範疇外の領域である。
どうしよう、どうしようっと心の中で呟く。
真田さんは総裁代行で、いままでの様に気楽に連絡できない。
いや、あの人なら同時にやりこなすかもしれないが、ちょっと気が引けた。
しかも笑顔で送り出していたではないか……。
無理だ。あの人には頼めない。
あ、一人の人を思い出す。
彼女なら、何かの案が浮かぶかも。
SNSでメッセージを送った。
『歩美ちゃん、ごめん、授業中かもしれないけど、至急時間があったら連絡ください』
ピンっと音がして発信する。すぐに電話が鳴った。
「美代! あんた、なんで連絡してこないの? 休学ってどういうこと? 病気じゃないんだったら、休学って認めないわよ。死んでも出て来なさいよ」
「わーーん、歩美ちゃん、た、助けて! 蓮司が暴走して、婚姻届を片手に迫ってくるの。逃げられない、私!」
そして、なぜこんな状況になってしまったか、歩美ちゃんに説明する。
「れ、蓮司って呼び捨て、どういうこと? 婚約したとは聞いたけど、ついに懐柔されたのね」
「え、懐柔というか、あの、言いにくいけど、まあちょっと好きって気がついたというか、蓮司の色々なところにホロっとしちゃって……」
「………そっか、めでたいじゃない。でも休学はやり過ぎよ。一緒に卒業できないじゃん!」
「た、確かに………休学は嫌かも。ああーーー! なんかムカついて来た」
「わかった。今、大学の事務に行って取り消せるか聞いてくる」
「え? ありがとう! 歩美ちゃん!」
「でも、ちょっと待って。でもいい案がある。一か八かだ。相手がそうなら、こっちもおんなじで行け! そして、それが終わり次第、学校へ来るんだよ。多分本人確認する必要があると思うし……」
歩美ちゃんが色々電話で、話してくる。内容が驚きだ。
「え? マジに言ってる? 始めは、まあいいけど、ほ、本当に、そんなこと?」
いま言われたことをまともに出来るか不安になってくる。
「美代、分かってないね。いま、あんた窮地だから。そりゃー、もう王手を過ぎて、一敗しているけど、また勝負ってのは続くの。確かに蓮司会長はすごい人だけど、あんたが、あの御曹司にやられっぱなして言うのが、私はなんだか気にくわないわ。これは一般市民、いや女子の闘いよ。最後の砦は自分で守るしかないの」
人生モテまくりの歩美ちゃん。いままで男性からのアプローチから自分を守ることしか考えていなかったから、交際後の二人がどの様に歩み寄っていくのか全然よくわかっていなかった。
「ちょっと待って、こんな窮地で、あの真田さん、なんて言ってんの?」
「え? 真田さん? 全然無理だよ。なんか婚前ハネムーン公認みたいになって、いま総裁代行になって、別人だよ。キリッとしてさ、なんか、かっこよくなってた。いつもは蓮司会長に釘付けの秘書課の輩もすっごい食いついてた」
「……なに、それ?」
「あ!」
美代は思い出した。この友人、ちょっと真田の事が気になっていたのだ。それは、恋なのかライバル心なのかわからないが、何かが確かに歩美の中で生まれているのだ。
「……わかった、美代、今日は学校では会えないかも。学校の事務室であんたの休学届けの件を聞きに行った後、他にいくところが出来たわ。あとで、休学届の話、メールで言うね」
「わ、わかった! 歩美ちゃん! ありがとう!」
「頑張るんだよ! 美代! 私も頑張るから!」
うん、ありがとうっと思った美代だが、あれ、歩美ちゃん、何をそんなに頑張るんだろう? と不思議に思い、切った電話を凝視した。
よかった。蓮司の女子をナチュラルにタラし込んでしまう性質からなのか、女のSPはいなかった。
だから、この女子トイレという聖域を荒らすものはいない。しかもこちらは区役所だ。奴の範疇外の領域である。
どうしよう、どうしようっと心の中で呟く。
真田さんは総裁代行で、いままでの様に気楽に連絡できない。
いや、あの人なら同時にやりこなすかもしれないが、ちょっと気が引けた。
しかも笑顔で送り出していたではないか……。
無理だ。あの人には頼めない。
あ、一人の人を思い出す。
彼女なら、何かの案が浮かぶかも。
SNSでメッセージを送った。
『歩美ちゃん、ごめん、授業中かもしれないけど、至急時間があったら連絡ください』
ピンっと音がして発信する。すぐに電話が鳴った。
「美代! あんた、なんで連絡してこないの? 休学ってどういうこと? 病気じゃないんだったら、休学って認めないわよ。死んでも出て来なさいよ」
「わーーん、歩美ちゃん、た、助けて! 蓮司が暴走して、婚姻届を片手に迫ってくるの。逃げられない、私!」
そして、なぜこんな状況になってしまったか、歩美ちゃんに説明する。
「れ、蓮司って呼び捨て、どういうこと? 婚約したとは聞いたけど、ついに懐柔されたのね」
「え、懐柔というか、あの、言いにくいけど、まあちょっと好きって気がついたというか、蓮司の色々なところにホロっとしちゃって……」
「………そっか、めでたいじゃない。でも休学はやり過ぎよ。一緒に卒業できないじゃん!」
「た、確かに………休学は嫌かも。ああーーー! なんかムカついて来た」
「わかった。今、大学の事務に行って取り消せるか聞いてくる」
「え? ありがとう! 歩美ちゃん!」
「でも、ちょっと待って。でもいい案がある。一か八かだ。相手がそうなら、こっちもおんなじで行け! そして、それが終わり次第、学校へ来るんだよ。多分本人確認する必要があると思うし……」
歩美ちゃんが色々電話で、話してくる。内容が驚きだ。
「え? マジに言ってる? 始めは、まあいいけど、ほ、本当に、そんなこと?」
いま言われたことをまともに出来るか不安になってくる。
「美代、分かってないね。いま、あんた窮地だから。そりゃー、もう王手を過ぎて、一敗しているけど、また勝負ってのは続くの。確かに蓮司会長はすごい人だけど、あんたが、あの御曹司にやられっぱなして言うのが、私はなんだか気にくわないわ。これは一般市民、いや女子の闘いよ。最後の砦は自分で守るしかないの」
人生モテまくりの歩美ちゃん。いままで男性からのアプローチから自分を守ることしか考えていなかったから、交際後の二人がどの様に歩み寄っていくのか全然よくわかっていなかった。
「ちょっと待って、こんな窮地で、あの真田さん、なんて言ってんの?」
「え? 真田さん? 全然無理だよ。なんか婚前ハネムーン公認みたいになって、いま総裁代行になって、別人だよ。キリッとしてさ、なんか、かっこよくなってた。いつもは蓮司会長に釘付けの秘書課の輩もすっごい食いついてた」
「……なに、それ?」
「あ!」
美代は思い出した。この友人、ちょっと真田の事が気になっていたのだ。それは、恋なのかライバル心なのかわからないが、何かが確かに歩美の中で生まれているのだ。
「……わかった、美代、今日は学校では会えないかも。学校の事務室であんたの休学届けの件を聞きに行った後、他にいくところが出来たわ。あとで、休学届の話、メールで言うね」
「わ、わかった! 歩美ちゃん! ありがとう!」
「頑張るんだよ! 美代! 私も頑張るから!」
うん、ありがとうっと思った美代だが、あれ、歩美ちゃん、何をそんなに頑張るんだろう? と不思議に思い、切った電話を凝視した。
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