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22話
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「唯斗を嫁にもらうんだ、唯斗の件に関しては自分で片付けるのは当たり前だろ?それに、あんな奴らが来るような場所に置いておきたくはない。どうせあと1年であの施設を出ることになるんだったら今抜けても構わないだろ」
その言葉にはやっぱり大我の怒りが込められてるって感じた。
「でも…大我は本当にそれでいいの?その…俺で本当にいいの?」
大我の気持ちを信じてないわけじゃない。信じてるからこそ、俺は大我に捨てられるのが怖い。大我の優しさが無くなったら俺は死ぬ。大我に裏切られたら俺は間違いなく二度と人を信じることができなくなる。それこそ廃人になるぐらいにはダメになるだろう。
「俺は言ったはずだぞ。唯斗が自分の番だって気付いた時から唯斗を手に入れる気でいたって。俺は唯斗を捨てないし、裏切らない。だから、唯斗がみきママとまさパパの養子になったら、俺と結婚しよう。俺と本当の家族になろう」
真面目な顔で俺を見て大我が言う言葉を俺は信じられない思いで聞いていた。自然と涙が零れ落ちた。嫌だとかじゃなくて、嬉しくて涙が零れ落ちた。
「…っ…はっ…はい…」
だから俺は泣きながら大我の言葉に返事をした。俺はこれからも大我の傍にいたい。大我と一緒にいたいんだ。自棄を起こした俺をずっと支えて来てくれた大我が好きで、大我の優しさが嬉しくて、もっと甘えていたくて、俺の番は大我ただ一人だから、これからも一緒に生きていきたい。
「ゆいの涙腺はぶっ壊れたままだなぁ。まぁ、今のは俺が泣かしたんだけど…」
小さく笑いながら大我が優しい手つきで頭を撫でていく。
「あー、すみません。俺の涙腺がぶっ壊れたままで話し進まないですよね…」
鼻をズビズビ言わせながら謝ったら
「イヤ、大体の話は終わってるから大丈夫だ」
って大我があっさり言うから驚いた。
「へっ?いつの間に?」
いつの間に終わったんだろうか?
「今までの流れで終わってないわけないだろ?ゆいが養子に入って、あの夫婦にはこっちから縁を切るって決めただろ?」
大我が説明してくれて頷くけど、
「でも、あの人たちはお金を返せって…」
一番の問題が残ってると思う。これどうするんだろう?
「俺が払うけど?」
って、またしても大我があっさりと言ってのけた。
「イヤイヤイヤ、大我さん、一人で払える額じゃないんじゃないの?」
俺は三枝さんと話をしてないから金額がいくらかはわからないけど、いくらなんでも無理じゃないかなって…
「それがね、ゆいちゃん大ちゃんなら可能なんだよ」
「ゆいちゃんが心配するのもわかるけど、この子結構ため込んでるのよ」
なんて、2人のママがケラケラ笑う。驚いて大我を見れば
「仕事のお金もお年玉も手をつけてないからな大ちゃんは」
「使わずに貯めるのが趣味か?って思うぐらいには」
なんて、2人のパパまでそんなことを言うもんだからビックリ。
「俺が使わなかったのはただ単に欲しいと思うものがなかっただけだ。それに使っても少額だし、大きな買い物をしてないだけなんだが…」
なんて、大我本人は苦笑を浮かべながら弁解をしてる。なんていうか…やっぱり大我って本当に謎が多すぎる。
「あれ?でも、確かに言われてみれば大我ってそこまでお金使ってないね。節約してるのかな?って思ったけど、違うんだ」
よくよく考えてみると、本当に大我ってお金を使ってないかも。イヤ、それには理由があるのもわかってるんだ。俺も大我も役職についてるから、色々と忙しくて、外に遊びに行くってことが中々できてないんだ。遊びに行きたいって思いは俺にもあるんだけど、行こうと思うとなにかとトラブルに見舞われる。俺の発情とか、発情とか、発情とか…。あっ、これ俺が原因かも。
「半分は唯斗のせいだな。あと半分は委員長になってから何かと忙しくて、時間が取り辛くなった。だから節約してるとかってわけじゃない」
小さく笑いながら理由を教えてくれた。あー、うん、やっぱり俺も原因になってるんだ。
「ゆいはどっちかというとアウトドアよりもインドア派だろ?まぁ、お互い仕事で疲れてるっていうのもあるし、ゆいの発情も原因だけど、外に出るのを極端に嫌がるときもあるし…」
俺の頭を撫でながら言う大我の言葉にあって思った。
「気付いてたんだ…」
そうそれはずっと俺が誰にも言わずに隠してたこと。
大我にですら言えずにいたことなのに…
大我はちゃんと気が付いてくれてたんだ…
俺が嫌がってるって…
行きたいという気持ちと行きたくないっていう気持ちで悩んでるってことに…
気付いてくれてたんだ…
その言葉にはやっぱり大我の怒りが込められてるって感じた。
「でも…大我は本当にそれでいいの?その…俺で本当にいいの?」
大我の気持ちを信じてないわけじゃない。信じてるからこそ、俺は大我に捨てられるのが怖い。大我の優しさが無くなったら俺は死ぬ。大我に裏切られたら俺は間違いなく二度と人を信じることができなくなる。それこそ廃人になるぐらいにはダメになるだろう。
「俺は言ったはずだぞ。唯斗が自分の番だって気付いた時から唯斗を手に入れる気でいたって。俺は唯斗を捨てないし、裏切らない。だから、唯斗がみきママとまさパパの養子になったら、俺と結婚しよう。俺と本当の家族になろう」
真面目な顔で俺を見て大我が言う言葉を俺は信じられない思いで聞いていた。自然と涙が零れ落ちた。嫌だとかじゃなくて、嬉しくて涙が零れ落ちた。
「…っ…はっ…はい…」
だから俺は泣きながら大我の言葉に返事をした。俺はこれからも大我の傍にいたい。大我と一緒にいたいんだ。自棄を起こした俺をずっと支えて来てくれた大我が好きで、大我の優しさが嬉しくて、もっと甘えていたくて、俺の番は大我ただ一人だから、これからも一緒に生きていきたい。
「ゆいの涙腺はぶっ壊れたままだなぁ。まぁ、今のは俺が泣かしたんだけど…」
小さく笑いながら大我が優しい手つきで頭を撫でていく。
「あー、すみません。俺の涙腺がぶっ壊れたままで話し進まないですよね…」
鼻をズビズビ言わせながら謝ったら
「イヤ、大体の話は終わってるから大丈夫だ」
って大我があっさり言うから驚いた。
「へっ?いつの間に?」
いつの間に終わったんだろうか?
「今までの流れで終わってないわけないだろ?ゆいが養子に入って、あの夫婦にはこっちから縁を切るって決めただろ?」
大我が説明してくれて頷くけど、
「でも、あの人たちはお金を返せって…」
一番の問題が残ってると思う。これどうするんだろう?
「俺が払うけど?」
って、またしても大我があっさりと言ってのけた。
「イヤイヤイヤ、大我さん、一人で払える額じゃないんじゃないの?」
俺は三枝さんと話をしてないから金額がいくらかはわからないけど、いくらなんでも無理じゃないかなって…
「それがね、ゆいちゃん大ちゃんなら可能なんだよ」
「ゆいちゃんが心配するのもわかるけど、この子結構ため込んでるのよ」
なんて、2人のママがケラケラ笑う。驚いて大我を見れば
「仕事のお金もお年玉も手をつけてないからな大ちゃんは」
「使わずに貯めるのが趣味か?って思うぐらいには」
なんて、2人のパパまでそんなことを言うもんだからビックリ。
「俺が使わなかったのはただ単に欲しいと思うものがなかっただけだ。それに使っても少額だし、大きな買い物をしてないだけなんだが…」
なんて、大我本人は苦笑を浮かべながら弁解をしてる。なんていうか…やっぱり大我って本当に謎が多すぎる。
「あれ?でも、確かに言われてみれば大我ってそこまでお金使ってないね。節約してるのかな?って思ったけど、違うんだ」
よくよく考えてみると、本当に大我ってお金を使ってないかも。イヤ、それには理由があるのもわかってるんだ。俺も大我も役職についてるから、色々と忙しくて、外に遊びに行くってことが中々できてないんだ。遊びに行きたいって思いは俺にもあるんだけど、行こうと思うとなにかとトラブルに見舞われる。俺の発情とか、発情とか、発情とか…。あっ、これ俺が原因かも。
「半分は唯斗のせいだな。あと半分は委員長になってから何かと忙しくて、時間が取り辛くなった。だから節約してるとかってわけじゃない」
小さく笑いながら理由を教えてくれた。あー、うん、やっぱり俺も原因になってるんだ。
「ゆいはどっちかというとアウトドアよりもインドア派だろ?まぁ、お互い仕事で疲れてるっていうのもあるし、ゆいの発情も原因だけど、外に出るのを極端に嫌がるときもあるし…」
俺の頭を撫でながら言う大我の言葉にあって思った。
「気付いてたんだ…」
そうそれはずっと俺が誰にも言わずに隠してたこと。
大我にですら言えずにいたことなのに…
大我はちゃんと気が付いてくれてたんだ…
俺が嫌がってるって…
行きたいという気持ちと行きたくないっていう気持ちで悩んでるってことに…
気付いてくれてたんだ…
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