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29話
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1週間は早いもので、今日は大我たちと一緒に俺が育った施設へと行く日になってしまった。嫌なことは早く済ませたいとは思うけど、いざその日となると緊張するし、不安にもなる。
「すごい顔になってる」
施設に向かう車の中で大我に頬をつつかれた。
「だって…大丈夫かなって不安なんだもん」
隠してても大我にはバレるだろうから正直に話した。
「そこまで心配する必要はないと思う」
緊張して不安がってる俺に対して、大我はいつも以上に落ち着てる。
えっ?これって大人の余裕ってやつ?
「なんで大我ってそんなに平気なんだよぉ」
だからついそんなことを聞いちゃったよ。
「まぁ、色々と手は尽くしたんで…」
なんてサラッととんでもないことを口にしたよねこの人。
「なにそれ?どういうこと?」
また俺の知らないところでなんかやったねこの人。
「唯斗が心配するようなことはしてないって。話が円滑に進むようにちょっと手を出しただけだって」
なんて言ってますけど、この人が手を出してちょっとじゃない気がする。
「いや、本当に少しだけだって。あぁ、ほら、もう着くぞ」
なんて、話を逸らされた。でも、本当に施設に着いちゃった。
「おかえり、聖くん」
施設の入り口で三枝さんが待っていてくれて挨拶してくれた。
「お久しぶりです。ご無沙汰しててすみませんでした」
俺はひとまず謝った。電話で連絡はしてるけど、こうしてこの場所に来るのは本当に久しぶりだったから。
「いいえ、電話でお話しできてるので大丈夫ですよ。さぁ、ここで立ち話もなんですので、こちらへどうぞ」
俺たちはみんな三枝さんに案内されて、一番大きな応接室へと入った。
「では、聖くんの里親の話を進めましょうか」
俺とまさパパとみきママがソファに座って、大我となおパパとゆきママは後ろに立ってた。
「お願いします」
俺は三枝さんに頭を下げた。
「大丈夫ですよ、聖くん。聖くんの里親になる方の条件はあの頃と変わってませんから」
三枝さんが小さく笑う。
「本当ですか?えっと、じゃぁ、俺が里親になってほしいと思った二人です」
俺は隣に座っている二人を三枝さんに紹介した。
「神尾さんですね。お二人の審査はすでに完了しております。ですから、手続きを済ませてしまいましょうか」
三枝さんの言葉に俺もまさパパとみきママが声を上げた。
「えっ?どういうこと?」
「終わってるっていつ?」
「私たち今日初めて来たんですよ?」
本当に意味が分からなくて、俺たちの頭の中には?マークが一杯だった。
「大ちゃん、何かやったでしょ?」
「何したんだ?」
俺たちの後ろで、なおパパとゆきママが大我に聞いてる。そういえば車の中でなんかやった的なことを言ってた気がするよこの人。
「別にたいしたことはやってない。事前に連絡して、必要書類を聞いて、兄貴に用意してもらって三枝さんに送っただけだって」
大我の言葉に三枝さん以外の全員が変な声を上げた。
「いつの間に?電話なんてしてなかったじゃん!」
俺は大我に聞いてみる。そう、俺が知ってる限りでは大我がそんな話を三枝さんとしてるのを見たことがないのだ。
「それは君が気を失ってる日に話したからですよ唯斗くん」
大我の言葉にあーって頭を抱えたくなった。そうだった、大我はこういう人だった。俺が弱ってるときは俺よりも先に先にと行動をしていく人だった。いや、弱ってなくてもだけどさ。
「事前に書類も送付していただいていたので、こちらとしても審査はすぐすませることができたので、里親の手続きを進めさせていただきたいと思います」
三枝さんはまさパパとみきママの前に書類を置く。
「先ほども聖くんにお伝えしたとおり、聖くんの里親の条件は数年前から変わっておりません。聖くん本人が認めた方たちでないと、里親として認めないという条件になっております。勿論、身元調査も簡単にはさせていただいております。こちらの施設の信用問題にもなりますので…。それでも聖くんには辛い思いをさせてしまいましたが…」
三枝さんの顔が曇る。それはまさに現在進行形で起きてることが原因だろう。
「神尾さんご夫妻はこちらの審査も問題なかったので、聖くん自身が認めておられれば、このまま聖くんの里親として、登録し処理したいと思いますが、聖くんはどうですか?」
三枝さんの言葉に俺は大我を見る。大我は何も言わず小さく頷いてくれた。それは俺の気持ちを優先していいということ。
「三枝さん、俺はこの2人の子供になりたいです。やっと、そう思える人たちに出逢えたんです」
だから、俺は自分の気持ちをハッキリと三枝さんに伝えた。
「わかりました。では、こちらの書類に目を通していただいて、署名捺印していただけますか」
三枝さんは2人の前に出した書類の説明をした。2人はその書類を読み始めた。
俺は2人の様子を見ながらホッと胸を撫で下ろした。
ここまで来て、イヤだって言われたらってずっと心配だったんだ。
そんなことはないと思うけど、やっぱり俺の中ではトラウマになってるんだ…。
あの出来事が…。
里親にもらわれて、また捨てられたあの出来事が…。
「すごい顔になってる」
施設に向かう車の中で大我に頬をつつかれた。
「だって…大丈夫かなって不安なんだもん」
隠してても大我にはバレるだろうから正直に話した。
「そこまで心配する必要はないと思う」
緊張して不安がってる俺に対して、大我はいつも以上に落ち着てる。
えっ?これって大人の余裕ってやつ?
「なんで大我ってそんなに平気なんだよぉ」
だからついそんなことを聞いちゃったよ。
「まぁ、色々と手は尽くしたんで…」
なんてサラッととんでもないことを口にしたよねこの人。
「なにそれ?どういうこと?」
また俺の知らないところでなんかやったねこの人。
「唯斗が心配するようなことはしてないって。話が円滑に進むようにちょっと手を出しただけだって」
なんて言ってますけど、この人が手を出してちょっとじゃない気がする。
「いや、本当に少しだけだって。あぁ、ほら、もう着くぞ」
なんて、話を逸らされた。でも、本当に施設に着いちゃった。
「おかえり、聖くん」
施設の入り口で三枝さんが待っていてくれて挨拶してくれた。
「お久しぶりです。ご無沙汰しててすみませんでした」
俺はひとまず謝った。電話で連絡はしてるけど、こうしてこの場所に来るのは本当に久しぶりだったから。
「いいえ、電話でお話しできてるので大丈夫ですよ。さぁ、ここで立ち話もなんですので、こちらへどうぞ」
俺たちはみんな三枝さんに案内されて、一番大きな応接室へと入った。
「では、聖くんの里親の話を進めましょうか」
俺とまさパパとみきママがソファに座って、大我となおパパとゆきママは後ろに立ってた。
「お願いします」
俺は三枝さんに頭を下げた。
「大丈夫ですよ、聖くん。聖くんの里親になる方の条件はあの頃と変わってませんから」
三枝さんが小さく笑う。
「本当ですか?えっと、じゃぁ、俺が里親になってほしいと思った二人です」
俺は隣に座っている二人を三枝さんに紹介した。
「神尾さんですね。お二人の審査はすでに完了しております。ですから、手続きを済ませてしまいましょうか」
三枝さんの言葉に俺もまさパパとみきママが声を上げた。
「えっ?どういうこと?」
「終わってるっていつ?」
「私たち今日初めて来たんですよ?」
本当に意味が分からなくて、俺たちの頭の中には?マークが一杯だった。
「大ちゃん、何かやったでしょ?」
「何したんだ?」
俺たちの後ろで、なおパパとゆきママが大我に聞いてる。そういえば車の中でなんかやった的なことを言ってた気がするよこの人。
「別にたいしたことはやってない。事前に連絡して、必要書類を聞いて、兄貴に用意してもらって三枝さんに送っただけだって」
大我の言葉に三枝さん以外の全員が変な声を上げた。
「いつの間に?電話なんてしてなかったじゃん!」
俺は大我に聞いてみる。そう、俺が知ってる限りでは大我がそんな話を三枝さんとしてるのを見たことがないのだ。
「それは君が気を失ってる日に話したからですよ唯斗くん」
大我の言葉にあーって頭を抱えたくなった。そうだった、大我はこういう人だった。俺が弱ってるときは俺よりも先に先にと行動をしていく人だった。いや、弱ってなくてもだけどさ。
「事前に書類も送付していただいていたので、こちらとしても審査はすぐすませることができたので、里親の手続きを進めさせていただきたいと思います」
三枝さんはまさパパとみきママの前に書類を置く。
「先ほども聖くんにお伝えしたとおり、聖くんの里親の条件は数年前から変わっておりません。聖くん本人が認めた方たちでないと、里親として認めないという条件になっております。勿論、身元調査も簡単にはさせていただいております。こちらの施設の信用問題にもなりますので…。それでも聖くんには辛い思いをさせてしまいましたが…」
三枝さんの顔が曇る。それはまさに現在進行形で起きてることが原因だろう。
「神尾さんご夫妻はこちらの審査も問題なかったので、聖くん自身が認めておられれば、このまま聖くんの里親として、登録し処理したいと思いますが、聖くんはどうですか?」
三枝さんの言葉に俺は大我を見る。大我は何も言わず小さく頷いてくれた。それは俺の気持ちを優先していいということ。
「三枝さん、俺はこの2人の子供になりたいです。やっと、そう思える人たちに出逢えたんです」
だから、俺は自分の気持ちをハッキリと三枝さんに伝えた。
「わかりました。では、こちらの書類に目を通していただいて、署名捺印していただけますか」
三枝さんは2人の前に出した書類の説明をした。2人はその書類を読み始めた。
俺は2人の様子を見ながらホッと胸を撫で下ろした。
ここまで来て、イヤだって言われたらってずっと心配だったんだ。
そんなことはないと思うけど、やっぱり俺の中ではトラウマになってるんだ…。
あの出来事が…。
里親にもらわれて、また捨てられたあの出来事が…。
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