人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬陽翔

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約束

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「俺たちを呼び出すなんてよっぽどだな」

「ゆうちゃんらしくないじゃん」


なんて言いながら現れたのは見た目だけで言えば不良ども。


「事情があってな」
溜め息交じりに答えれば

「事情?」
この部屋に現れた5人の顔が変わる。


「はいは~い!委員長の大事な大事な~梅ちゃんが~!」

鍋谷が言い出したその時

「「「「「なんだと~!!」」」」」

5人が同時に叫んだ。

「委員ちょ~怖いよ~」
なんて鍋谷が泣きまねをする。がそこは完全に無視。

「立場上どうしても俺が動けない場合がある。だからお前たちを呼んだ」
俺は溜め息をつき5人に書類を差し出す。


正式に生徒会から渡された転校生の情報。

寮などの手続きは先生などがやってくれるが、転校生がもし揉め事を起こしたときなどは風紀などが対応するのでそれ用に書類を送ってもらっているのだ。


その書類を受け取った5人の顔が変わる。

「へぇ。来るのか」
「これはゆうちゃんじゃ無理だねぇ」
「あいつを守ればいいのか?」
「二度とあの面は見たくなかったな」
「やっちまってもいいんだろ?」

5人それぞれ物騒な言葉も出てくるがそこはスルーだ。

「いんちょ~、このお兄さんたち怖いよ~」
鍋谷が怯えたふりをするが

「るせぇナベ。てめぇもこっち側だろうが!」
と怒鳴られ
「うるせぇな。わかってんだろうな、あの約束」
つい地で反論する鍋谷。


その言葉に5人は頷く。

「両親には連絡はしてある。記憶が戻ったとしても、あいつがまた笑えるならいいとのことだ」
俺はあいつの、梅村の両親からの伝言を告げる。


本当なら記憶を取り戻してほしくない。だが…きっと取り戻すことになるだろう。


そうなったときあいつは壊れるかもしれない。その時に俺が傍にいられればいい…。


それが記憶を無くす前のあいつとの約束。


あの子を守ってほしいとあいつの両親との約束。


そして俺たちはあいつを守ってきた人間。


梅村陽葵をずっと陰ながら守ってきた人間。


いつか一緒にあの場所に行こうとあいつと約束した場所は今はもうない。

あいつの記憶と共に消えてしまった。


その元凶がこの学園にやってくる。梅村陽葵を壊しに…。


Fin
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