人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬陽翔

文字の大きさ
37 / 185

再会

しおりを挟む
「へぇ、まさか梅村がここの生徒会長だったとか。笑える」


あの日の元凶が現れ梅村を見てニヤリとイヤらしく笑う。


記憶がなくても嫌なことは覚えているのだろう梅村の顔色が見る見る間に悪くなっていく。

一歩一歩後ずさってくる。


「あんときは壊せなっかったから残念だよなぁ。今度はちゃんとお前を壊してやるよ梅村ぁ」

転校生、桐渓圭吾きりたにけいごがニヤニヤと笑いながら言い放つ。


「っ、っ」
言葉にならない声を上げ梅村がその場に固まる。


逃げ出したくても逃げ出せない状態。足がガクガクと震えている。

いつその場に崩れ落ちてもおかしくはない状態。


「相変わらずクソ野郎だな」
胸糞が悪くなる。

梅村の後ろに立ちその背に手を添えてやれば驚いて俺を見て助けを求めるように抱き着いてくる。


「へぇ~。菊池もいたのかよぉ。なら今度はお前も一緒に壊してやるよ。その額の傷みてぇにな」

桐渓の言葉に反応するように梅村が俺を見る。傷があるのをこいつに見つかってるからな。


「そう簡単にできると思ってるのか?」
俺は桐渓を見たままで梅村の肩を抱きしめてやる。少しでも安心できるように。

「やれるさ、俺はあの時と違うからなぁ」
自信に満ち溢れた桐渓。


「そうか、だが簡単にできると思うな。俺たちもあの時とは違う」
挑発めいた言葉にはなるが、あの時のような失敗は二度としない。


梅村陽葵を守るために、俺たちは強くなったんだ。


俺はこいつを守るために、力を手に入れた。人を守る力を。

無力だったあの日々を嘆き続けた自分を忘れないために、強くなるために、この男からずっと離れてたんだ。


「まぁ、セイゼイ頑張んな。俺は必ずそいつを壊してやるよ」
桐渓は勝ち誇ったような笑みを浮かべて何処かへ行ってしまった。


ただ、残されたのは怯え切った梅村とそれを守るためにいる俺たち風紀委員だけだった。



Fin
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

処理中です...