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呼んだだけ
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「菊池ー!!」
どこからともなく名前を呼ばれて振り返れば梅村が遠くの方で手を振ってやがった。
「何がしてぇんだあいつは?」
そう呟きながら軽く手を上げて応えてやれば
「呼びたいだけだったりしてぇ~」
なんて鍋谷が暢気に言う。
「洒落にならねぇぞそれ」
梅村ならあり得そうで怖い。
「菊池!」
いつの間にか傍によってきた梅村が呼んでくる。
「おう、どうした」
何か用があるのかと思い返事をすれば
「へへへ」
笑うだけ笑ってどっかに行った。
「おい、ナベ、これって…」
隣にいる鍋谷に声をかければ
「洒落じゃなくなったかもねぇ」
引きつった顔で答えてくる。
その後も
「菊池~!」
姿を見つけるたびに呼ばれた。
「菊池、菊池!」
こいつは犬か?
って思うほど名前を呼ぶ姿が犬っぽかった。
「委員長~。どうしよぉ~俺には梅ちゃんに尻尾がはえてるように見える…」
「それ…俺も同じ」
鍋谷と二村が引きつった笑みを浮かべながら言ってくる。
「子犬みてぇだなあいつ」
だから俺も同意見だと答えてやる。
「き~くち!菊池!」
「今度は何だ。どうしてぇんだよ」
名前を呼ばれて振り返ったときに傍にいたから腕を掴んで聞いてみれば
「へへへ…呼んだだけ。呼んでみたかっただけだ」
小さく笑いながら言われた。
「そうか。満足したか?」
掴んでいた手を離しながら聞けば
「うん。満足」
嬉しそうに返事をした。
「そりゃよかった」
俺は梅村の頭を撫でて風紀委員室に戻るために歩き出せば
「なんでだよ!」
梅村が叫んだ。
「なにがだよ」
振り返ってみれば、そこには俺の撫でた場所を押さえ顔を真っ赤にしてる梅村がいた。
「いい加減に慣れろよ。俺を本気にさせたいんならな」
そんな梅村に言って軽く手を振り今度こそ本気で歩き出した。
「なんでだよ!!!」
後ろでまた梅村が叫んだが聞かなかったことにしておいた。
どうせ恥ずかしくて叫んだんだから。
俺に好きだと告白をしてから恋愛初心者はそれなりに頑張ってるみたいだ。
桐渓の件で散々、頭撫でたりしてたんだけどな、改めて好きだと自覚してからは恥ずかしくなったらしい。
そのくせ、自分がしたいと思ったことは実行してくるんだからあいつも変なやつだ。
まぁ楽しめるから俺はいいけどな。
「なんでだよぉ」
後ろで呟く梅村の声は小さくなっていったが、後でまた復活してやってくるから大丈夫だ。
Fin
どこからともなく名前を呼ばれて振り返れば梅村が遠くの方で手を振ってやがった。
「何がしてぇんだあいつは?」
そう呟きながら軽く手を上げて応えてやれば
「呼びたいだけだったりしてぇ~」
なんて鍋谷が暢気に言う。
「洒落にならねぇぞそれ」
梅村ならあり得そうで怖い。
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いつの間にか傍によってきた梅村が呼んでくる。
「おう、どうした」
何か用があるのかと思い返事をすれば
「へへへ」
笑うだけ笑ってどっかに行った。
「おい、ナベ、これって…」
隣にいる鍋谷に声をかければ
「洒落じゃなくなったかもねぇ」
引きつった顔で答えてくる。
その後も
「菊池~!」
姿を見つけるたびに呼ばれた。
「菊池、菊池!」
こいつは犬か?
って思うほど名前を呼ぶ姿が犬っぽかった。
「委員長~。どうしよぉ~俺には梅ちゃんに尻尾がはえてるように見える…」
「それ…俺も同じ」
鍋谷と二村が引きつった笑みを浮かべながら言ってくる。
「子犬みてぇだなあいつ」
だから俺も同意見だと答えてやる。
「き~くち!菊池!」
「今度は何だ。どうしてぇんだよ」
名前を呼ばれて振り返ったときに傍にいたから腕を掴んで聞いてみれば
「へへへ…呼んだだけ。呼んでみたかっただけだ」
小さく笑いながら言われた。
「そうか。満足したか?」
掴んでいた手を離しながら聞けば
「うん。満足」
嬉しそうに返事をした。
「そりゃよかった」
俺は梅村の頭を撫でて風紀委員室に戻るために歩き出せば
「なんでだよ!」
梅村が叫んだ。
「なにがだよ」
振り返ってみれば、そこには俺の撫でた場所を押さえ顔を真っ赤にしてる梅村がいた。
「いい加減に慣れろよ。俺を本気にさせたいんならな」
そんな梅村に言って軽く手を振り今度こそ本気で歩き出した。
「なんでだよ!!!」
後ろでまた梅村が叫んだが聞かなかったことにしておいた。
どうせ恥ずかしくて叫んだんだから。
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そのくせ、自分がしたいと思ったことは実行してくるんだからあいつも変なやつだ。
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「なんでだよぉ」
後ろで呟く梅村の声は小さくなっていったが、後でまた復活してやってくるから大丈夫だ。
Fin
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