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熱=風邪

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朝からずっと、怠いなって思った。

だけど、それ以外は特に問題もないからまぁいいかって軽い気持ちで学校に行ったんだ。


授業を1時限、2時限と受けてる間に身体の怠さが酷くなっていってた。


3時限目が体育だったから、見学するって決めて、着替えるだけ着替えて、体育館に行ったんだ。


体育館に入って、先生の話を聞いてる最中にクラって眩暈がして、


あっ、ヤバって思った。


フラって倒れそうになった俺の身体は誰かに受け止められて、誰が?って思って見上げたら少し険しい顔した菊池だった。

「悪い」
ボソボソと謝れば
「まったく、調子悪い時ぐれぇ休めよ」
そんな言葉とともに俺の身体は軽々抱き上げられた。


「梅ちゃん退場ねぇ先生」
「あぁ、保健室に連れて行ってやれ」

鍋谷の言葉に先生が答えてる。

「だってぇ委員ちょ~。行ってらぁ~」
軽い鍋谷に
「後は任せたからな二村」
スルーして菊池は二村にいってる。

「はい、大丈夫です。ノートも委員の方も任せてください」
「ちょっと~、委員ちょ~俺はぁ~?」
「あぁ、お前もいたな。まぁ、がんばれ」
相変わらず、鍋谷には塩対応な菊池。

「ヒドイ~!委員長の鬼~悪魔~」
なんて鍋谷が騒ぐが
「鍋谷、授業始めるぞ。騒ぐらな体育館ずっと走るか?」
先生が止めを刺していた。

「鍋谷、頑張れよ。後は任せた」
菊池は小さく笑って俺を連れて体育館を出て保健室へと向かった。



「風邪による発熱だね。少し様子を見て、急変するようなら病院に行こう」
「わかりました。着替えとかとってくるんでお願いします」
校医と菊池のやり取りを聞きながら俺は眠りの中に落ちていった。


「あれ?」
ふと目を覚ませばそこは見慣れた場所でいつ移動したんだろう?って思った。
「気が付いたか」
声のした方を見れば菊池が雑誌を読んでた。

「俺どうしたんだけ?」
寝たままで聞いたら
「熱で倒れた。風邪だと。熱は今のところ下がってるけど、また上がると困るから軽く飯食って薬飲めよ」
そういいながら俺の額に手を当てて教えてくれた。

「ごめん」
なんでか謝ってた。
「最近、色々あったからな。疲れが出てもおかしくねぇよ。今はゆっくり休め」
頭を撫でる手が優しい。

「俺が寝てたら侑司が寝れないだろ?」
このベッドの主は何を隠そう菊池なんだ。俺が寝てたら菊池が寝れない。
「看病してんのにお前がいなかったら意味がねぇだろ。俺の事は気にするな」
なんてあっさり言われた。

「ありがとう」
だから俺は素直にお礼を口にした。
「余計な心配はいいから今はゆっくり休め。じゃねぇとまた遊びに行けなくなるぞ」
その言葉に俺との約束ちゃんと覚えててくれたんだって思った。

「治ったら絶対に行く!」
だからそう宣言しといた。
「なら、早く治さねぇとな」
小さく笑いながら額にキスされてびっくり。


違った意味で熱が出そう。


結局。俺の熱は2日で下がった。風邪が完全に治ったのは5日後の事だった。


うん、体調管理はちゃんとしとこうと思う俺だった。


Fin
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