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あいつのどこがいいんだ!
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なんで俺、今日に限ってこんなにも大人数に囲まれてるんだろうか?
イヤ、逃げようと思えば逃げ出せるんだが目の前の男たちの目が血走っててなんだか面倒なことになりそうだなって思った。
「で?俺になんの用だよ」
あくまでも冷静に対応しようと自分に言い聞かせながら声をかけた。
「…んでだよ」
ポツリと零れる言葉。
「はっ?」
ちゃんと聞き取れなくて聞き返せば
「なんでだよ!なんでアイツなんだよ!」
今度ははっきりと俺を睨み付けながら言ってきた。
「はぁ?アイツってなんだよ?ってかなんの話だよ」
言葉の主語が無さすぎて意味がわからねぇ。
「だから、なんでアイツなんだよ。なんであの悪魔なんだよ!」
悪魔と言われて誰を差してるのかがようやくわかった。
「何でって…幼馴染みみたいなようなもんだし、それにアイツは俺を守ってくれる存在だ」
こんな狂暴な俺をまるごと受け止めて愛してくれるのはアイツぐらいだ。
「あいつのどこがいいんだよ!あの悪魔の!」
これってよくある典型的なヤツ?
自分の方が好きなのになんでアイツなんだよって言う、アレ。
「悪魔だからだろ」
そう、アイツが悪魔だからいいのだ。
俺を守るために傷だらけになった男。俺が自分を偽ることなく狂暴なままでも受け止めてくれて、愛してくれる男。干渉されるのが嫌いな俺が唯一、干渉されるのも干渉するのも許した男。それは菊池侑司。この学園一の悪魔。
「なんでだよ!あんな悪魔…」
「そうだ、そうだ」
ついに周りにいたやつらも騒ぎ始めた。
うるさい。干渉するな。俺にかまうな。
ギュッと握りしめた拳は爪が食い込みプツリと皮膚を破る。
ギリリと唇を噛み締めればきつく噛みすぎたのか血の味がした。
「なんでなんだよ!」
もう一度同じ言葉が投げ掛けられる。
「決まってんだろ。お前らより俺のがイケてるからだよ」
俺が口を開く前にそんな言葉が真後ろから聞こえて驚いて振り返れば、そこには目が笑ってないけど笑みを浮かべた悪魔がいた。
「ふざけるな!どこがイケてるんだ!悪魔のクセに!」
菊池の言葉に納得いかなかったのかそんな事を言う。
「俺が悪魔だからだ。こいつに誰も触れさせねぇように、誰にもなびかねぇように、ガキの頃からずっと甘えさせて、俺のもんだとこの身体に心に教え込んだ。俺と言う存在から逃れられねぇように。それを望んだのはこいつ自身だ。お前らが知ってる梅村陽葵は弱々しいだろ?守ってやりてぇんだろ?」
後ろから俺の顎に手を当てさっききつく握りしめた右手の手首を掴み血で濡れた手のひらに唇を寄せる。それはまるで目の前の男たちに見せびらかすように。こんなことお前らには出来ねぇんだぞと言わんばかりに…。
「はいは~い。委員ちょ~。刺激的すぎて俺見てられませぇ~ん。後、梅ちゃんが真っ赤な顔して昇天しそうで~す」
「だから悪魔なんですよあなたは…」
なんて、いつものおちゃらけた鍋谷の声と呆れた二村の声で目の前の男たちが一斉に周りを見る。
「よってたかって会長様に言い寄るてっ事はこうなるってことだ。しかもお前ら、全員前科もちだよなぁ。懲りもせずにまた梅村を狙うとかバカだな」
菊池の呆れた声。そろっと様子をうかがえばぽふりと頭を撫でられた。
俺が言葉を発するよりも前に目の前にいた男たちは風紀委員たちに連れていかれた。
「会長、怪我はないですか?」
男たちが連れ去られてから二村が聞いてくる。
「あっ、あぁ。言い寄られてただけで手を出されたわけじゃないから大丈夫だ。他は自分でやったヤツぐらいだし」
俺は危害を加えられてないから、怪我はしてないとハッキリと答えた。
「梅村、着いてこい」
そんな俺に菊池が溜め息まじりに告げ何処かに向かって歩いて行くから、俺は慌てて菊池の後を追った。鍋谷と二村も普通に着いてきた。
なんでだ?てか何処に向かってんだ?
なんて思いながら着いていってら人気のないだだっ広い場所に着いた。
「菊池?」
意味がわからなくて声を掛ければ
「こい。暴れていいから」
溜め息まじりに言われた言葉に理解できずポカンとしてたけど、コイコイと手で合図されて、自然と俺の口角がニッて上がった。
「トコトン付き合ってもらうぜ侑司」
「好きにしろ」
俺の言葉に菊池が小さく笑った。それを合図に俺は菊池目掛けて拳を振り上げた。
「ホント委員ちょ~って梅ちゃんのことよくわかってるよ。殴り合いで落ち着くって」
「あの二人にとって子供の頃からの習慣だからな」
俺と菊池が殴り合ってる間(一方的に俺が殴ってるだけだけど)様子を見ていた鍋谷と二村がそんな事を話してたのを俺は知らない。
最終的に俺は菊池に捕まって抱き締められて、寮の部屋まで連行されて、抱き枕になったのだった。
fin
イヤ、逃げようと思えば逃げ出せるんだが目の前の男たちの目が血走っててなんだか面倒なことになりそうだなって思った。
「で?俺になんの用だよ」
あくまでも冷静に対応しようと自分に言い聞かせながら声をかけた。
「…んでだよ」
ポツリと零れる言葉。
「はっ?」
ちゃんと聞き取れなくて聞き返せば
「なんでだよ!なんでアイツなんだよ!」
今度ははっきりと俺を睨み付けながら言ってきた。
「はぁ?アイツってなんだよ?ってかなんの話だよ」
言葉の主語が無さすぎて意味がわからねぇ。
「だから、なんでアイツなんだよ。なんであの悪魔なんだよ!」
悪魔と言われて誰を差してるのかがようやくわかった。
「何でって…幼馴染みみたいなようなもんだし、それにアイツは俺を守ってくれる存在だ」
こんな狂暴な俺をまるごと受け止めて愛してくれるのはアイツぐらいだ。
「あいつのどこがいいんだよ!あの悪魔の!」
これってよくある典型的なヤツ?
自分の方が好きなのになんでアイツなんだよって言う、アレ。
「悪魔だからだろ」
そう、アイツが悪魔だからいいのだ。
俺を守るために傷だらけになった男。俺が自分を偽ることなく狂暴なままでも受け止めてくれて、愛してくれる男。干渉されるのが嫌いな俺が唯一、干渉されるのも干渉するのも許した男。それは菊池侑司。この学園一の悪魔。
「なんでだよ!あんな悪魔…」
「そうだ、そうだ」
ついに周りにいたやつらも騒ぎ始めた。
うるさい。干渉するな。俺にかまうな。
ギュッと握りしめた拳は爪が食い込みプツリと皮膚を破る。
ギリリと唇を噛み締めればきつく噛みすぎたのか血の味がした。
「なんでなんだよ!」
もう一度同じ言葉が投げ掛けられる。
「決まってんだろ。お前らより俺のがイケてるからだよ」
俺が口を開く前にそんな言葉が真後ろから聞こえて驚いて振り返れば、そこには目が笑ってないけど笑みを浮かべた悪魔がいた。
「ふざけるな!どこがイケてるんだ!悪魔のクセに!」
菊池の言葉に納得いかなかったのかそんな事を言う。
「俺が悪魔だからだ。こいつに誰も触れさせねぇように、誰にもなびかねぇように、ガキの頃からずっと甘えさせて、俺のもんだとこの身体に心に教え込んだ。俺と言う存在から逃れられねぇように。それを望んだのはこいつ自身だ。お前らが知ってる梅村陽葵は弱々しいだろ?守ってやりてぇんだろ?」
後ろから俺の顎に手を当てさっききつく握りしめた右手の手首を掴み血で濡れた手のひらに唇を寄せる。それはまるで目の前の男たちに見せびらかすように。こんなことお前らには出来ねぇんだぞと言わんばかりに…。
「はいは~い。委員ちょ~。刺激的すぎて俺見てられませぇ~ん。後、梅ちゃんが真っ赤な顔して昇天しそうで~す」
「だから悪魔なんですよあなたは…」
なんて、いつものおちゃらけた鍋谷の声と呆れた二村の声で目の前の男たちが一斉に周りを見る。
「よってたかって会長様に言い寄るてっ事はこうなるってことだ。しかもお前ら、全員前科もちだよなぁ。懲りもせずにまた梅村を狙うとかバカだな」
菊池の呆れた声。そろっと様子をうかがえばぽふりと頭を撫でられた。
俺が言葉を発するよりも前に目の前にいた男たちは風紀委員たちに連れていかれた。
「会長、怪我はないですか?」
男たちが連れ去られてから二村が聞いてくる。
「あっ、あぁ。言い寄られてただけで手を出されたわけじゃないから大丈夫だ。他は自分でやったヤツぐらいだし」
俺は危害を加えられてないから、怪我はしてないとハッキリと答えた。
「梅村、着いてこい」
そんな俺に菊池が溜め息まじりに告げ何処かに向かって歩いて行くから、俺は慌てて菊池の後を追った。鍋谷と二村も普通に着いてきた。
なんでだ?てか何処に向かってんだ?
なんて思いながら着いていってら人気のないだだっ広い場所に着いた。
「菊池?」
意味がわからなくて声を掛ければ
「こい。暴れていいから」
溜め息まじりに言われた言葉に理解できずポカンとしてたけど、コイコイと手で合図されて、自然と俺の口角がニッて上がった。
「トコトン付き合ってもらうぜ侑司」
「好きにしろ」
俺の言葉に菊池が小さく笑った。それを合図に俺は菊池目掛けて拳を振り上げた。
「ホント委員ちょ~って梅ちゃんのことよくわかってるよ。殴り合いで落ち着くって」
「あの二人にとって子供の頃からの習慣だからな」
俺と菊池が殴り合ってる間(一方的に俺が殴ってるだけだけど)様子を見ていた鍋谷と二村がそんな事を話してたのを俺は知らない。
最終的に俺は菊池に捕まって抱き締められて、寮の部屋まで連行されて、抱き枕になったのだった。
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