小石投げたら魔王が消し飛んだんですけど!?

真鯛浜池

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第一章 最強投擲少女、爆誕

第一話 勇者邸へ

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 「「「なにこれ?」」」

 金髪の美少年さん、修道女さん、ローブの女性が3人同時に同じ事を言う。
 私も聞きたいよ。筋力9999って。ゴリラじゃん私。カンスト?カンストゴリラ?

 「えー・・・っと、ミズキ・・・?」

 金髪の美少年が恐る恐る声をかけてくる。そんなに怯えないで。人間だから。ゴリラじゃないから私。

 「君がここで何をしていたかは知らないんだけど・・・魔王を倒してくれた事は本当みたいだし、国から恩賞が出ると思うんだ。悪いようにはしないから僕達についてきてくれないかな?」
 「あの・・・私、元の場所に帰れますか?」
 「う~ん、君がどこから来たのか僕達は知らないし・・・魔法陣の解析とかができれば可能だと思うんだけど・・・部屋が・・・」

 よく見ると部屋全体に何か変な文字がいっぱい書かれている・・・んだけど。
 これ壊しちゃったの私なんだよね。

 「魔法陣を修復できるか調べるのも時間がかかると思う。悪いようにはしないから、行く宛がなかったら僕達の国に来てくれないかな?お礼もしたいんだ」
 
 魔王を倒しにきた勇者さん達みたいだから大丈夫だと思うし、何より断ってもそもそも現状がどうなってるのかもわからない私に選択肢なんてないよね。

 「わかりました、よろしくお願いします」
 「それじゃ帰ろうか。外に僕達の国に繋がる転移陣があるからついてきて」

 3人について部屋から出る。
 廊下には、ここに来るまでに倒したのかな?でっかい蝙蝠みたいなのとか黒い狼みたいなのの死体が転がっている。
 こんなの現実で見たら吐いちゃう自信があるんだけど・・・まだ現実感がないせいかな、意外と大丈夫だ。

 「ところでミズキはどこから来たの?この辺りじゃあまり見ない服を着ているね」

 金髪の美少年が質問してくる。
 
 「どこから・・・地球の日本からです」
 「チキュウ?ニホン?聞いた事ないなあ」
 「ここに来る前に仕事に行こうとしてたんですけど、ドアを開けて外に出たらいきなり真っ暗闇に落ちて・・・小さい妖精さん?の女の子と少しお話をして気付いたらさっきの部屋にいました」
 「・・・それは・・・!いや、しかし・・・」

 金髪の美少年が難しい顔をして考え込んでしまった。
 本当にあの子から何も説明されずに来ちゃったからこちらからも色々聞きたいし、ちょっと私も質問してみようかな。

 「皆さんは勇者?なんですか?」
 「ああ、ごめんね。自己紹介をしていなかったね、僕はアルヴィン。レーリス王国で勇者として魔物退治を生業とさせてもらってる。まだまだ未熟だけどね」
 「マコはマコと言います。一応形はヒーラーとして雇われてますけど、回復は得意じゃないから頼らないでいただけると助かります」
 「それで私がローザ。見ての通りの魔法使いよ、火魔法なら任せてね」

 3人がそれぞれ自己紹介してくれる。
 勇者さんがアルヴィンさん、修道女さんがマコさん、ローブの女性がローザさん。覚えた。

 「本当に魔王とか魔物とかいるんですね・・・」
 「ミズキがいた所には居なかったの?」
 「はい、人間と動物しかいませんでした。魔法なんてものもありませんでした」
 「そうなの!?僕達のこの世界とは別の世界から来たのかもしれないね、ミズキは・・・」

 はい、きっとそうだと思います。あの子、悪い魔王に呼ばれたとか言ってたし。

 「そうすると、ミズキのいた世界とこちらの世界では色々と常識やマナーが違ってくる可能性もあるね。出来るだけミズキが苦労しないように僕達もフォローするから、魔法陣の修復解析が終わるまでは申し訳ないけど待ってほしい」
 「マコも協力します」
 「もちろん私も協力するわよ~!魔王を跡形もなく消し飛ばす力なんて興味あるしね!」
 「ありがとうございます・・・」

 いきなり魔王に呼ばれたとかで意味もわからず異世界にきちゃったけど・・・優しい人達に巡り合えるだけの運と謎の脳筋パワーはくれたのね、あの子。やっぱり神様か何かだったのかな?

 その後、外に出るまではこの世界にはどんな魔物がいるのか、どんな魔法があるのかなどを聞いていた。
 基本的には私がよく読んでいたファンタジー物の小説や漫画と同じ感じだった。まさか私がそんな世界に来る事になるとは・・・しかも脳筋ゴリラ女として。
 どうせ異世界でチートのような物がもらえるならもっと超絶巨乳美少女とか超絶可愛いロリになって異世界でモテモテライフ送りたかったよ!!!なんで脳筋ゴリラにしたのよ神様!!!


◇―◇―◇―◇―◇


 かなり長い距離を歩いて外に出てきた。魔王の部屋をぶっ壊しちゃった時はまだ明るかったけど、もう夕暮れだ。
 魔王城?を見ると、長い距離を歩いたとは思えないほど小さい。
 いや、大きいんだけど歩いた距離とは絶対に大きさがあってない。
 ク〇パ城の間違えたら戻される通路みたいな魔法でもあるのかな?

 そのまま城を離れて更にしばらく歩く。歩いた先にはテントがあった。
 展開されていたテントの中に、漫画でよく見たような魔法陣が描かれている。
 
 「さて、これから転移で僕達の国にある僕の屋敷に転移するんだけど・・・ミズキはもちろん初めてだよね?」
 「はい、見た事も聞いた事もないです」
 「多分今は説明してできる事でもないと思うから、魔法陣の真ん中に立ってマコとローザと手を繋いでもらえるかな?」

 私は言われた通り、真ん中に立って二人と手を繋ぐ。

 「そのまま僕が目を開けていいよって言うまで目を閉じてて貰える?絶対に目を開けないでね。慣れないと酔うから」
 「わかりました」

 目を閉じる。何か一瞬浮遊感というか落ちる感覚に包まれる。
 この世界に来た時、玄関開けたら落下した時と似た感覚だ。

 「はい、もう開けていいよ。お疲れ様」

 目を開けると、先程とは全く違う光景、場所だった。
 大きな噴水がある庭のような所に出てきた。これが転移・・・?凄い。

 「アルヴィン様、お疲れ様でございます。こちらの方はお客様でございますか?」

 大きなお屋敷から綺麗なメイドさんが数名出てきた。何というか貴族になった気分だ。勇者パワー凄い。

 「うん、ちょっと訳があってね。彼女も疲れていると思うから、食事と寝床、あとお風呂も用意してあげてほしい」
 「かしこまりました」

 ありがたいけど、そんな至れり尽くせりでいいのかな・・・?

 「ミズキ、僕達は今から魔王討伐の報告をしに王城に行かないといけないんだ。色々と気になる事はあると思うんだけど、詳しい話は明日の朝でもいいかな?」
 「全然大丈夫です!むしろこんなに優しくしてもらってごめんなさい」
 「あはは、お礼を言うのは僕達だよ!労せず魔王を倒して世界を救えちゃったんだから!それじゃ、何かわからない事があったらメイド達に聞いてね。また明日!」

 アルヴィンさん達はまた転移してどこかに行ってしまった。王城に報告に行ったんだろう。
 人が目の前でフッと消えるのは中々凄い光景だなあ・・・

 「ミズキ様・・・でよろしかったでしょうか。お部屋へご案内致します。こちらへどうぞ」

 メイドさんに案内されてお屋敷の中へと入っていく。
 
 これからどうなるのか、果たして戻れるのかわからないけど。
 どうせならこの異世界を思う存分楽しませてもらおう。
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