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2:顔合わせ
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「お初にお目にかかります、ジーク・マクミラン侯爵が長子アリシア・マクミランと申します」
両者待ちに待った顔合わせの日がやって来た。
見目麗しいドレスに着替えさせられたアリシアは、母サリアから今日はお淑やかにしていなさいと言い含められていた。決して、スカートの裾を持ち上げて走ったり、木に登ったり、令嬢らしくない事をしてはならないと。
アリシアとしては、ラグダン家の令息ならば本性を出しても大丈夫なのではないかと思ったが、そこらの乱暴者よりも恐ろしい母を思い出し、大人しくお上品そうにカーテシーを行った。
「ご丁寧にありがとうございます。お初にお目にかかり光栄です、ジュリウス・ラグダンです」
「父に釣書を頂いてから、ずっとラグダン令息にお会いしたかったんです」
お会いできて嬉しいわとアリシアは極上の笑みを浮かべる。真正面から笑顔を受けたジュリウスは、顔どころか耳や首まで真っ赤にした。
(……ああ、なんて可愛い人なんだ。こんなに男らしい顔と体つきだと言うのに、顔中を真っ赤にして。本当に父上は良い縁談を見つけて来てくれたものだ)
ジュリウスの実情など知らないアリシアの目には、彼はとても素晴らしい男性に映っていた。
「お父様、私が令息を庭園に案内してもよろしいでしょうか?」
「……お父様。あ、ああ良いだろう。彼に粗相のないように頼むよ」
「はい、お任せください」
万が一にもこの婚約が流れてはかなわないと、令嬢らしい姿を見せる事にしたアリシアは、ジュリウスを庭園へと案内することにした。
「ここが我が家の主庭で、今はガーベラが多く咲いています。開花の時期には少し早いですけれど、この先を行ったら薔薇で作られたフラワーアーチがあるんですよ」
正直なところアリシアは花になど興味はなかった。ただ美しいだけで、腹は膨れない。それならば野草でも育てて薬にしたり、食べる方がよっぽど益があると考えていた。
しかし、通常の令嬢は美しい花に心躍らせて頬を緩ませるものだ。ならず者も裸足で逃げ出すような母サリアからの教育のおかげで、アリシアは立派に花の名前と花言葉が言えるようになっていた。
こうして麗しい微笑みを浮かべ花を見せてくれるアリシアに、無事ジュリウスの胸は高鳴ったのだ。
「えと、マクミラン令嬢は花に詳しいんですね。お好きなんですか?」
「え、ええ。淑女としての嗜みですから」
そんな嗜みなど知ったこっちゃないのだが、にっこりと笑う。見つめあう二人の耳に「にゃあ」という声が届いた。
「ん、猫?」
「にゃぁ」
近くに植えてある木の上に白い子猫がいた。力量を弁えず登ってみたは良いが、今度は降りられなくなったのだろう。言葉尻が小さく、情けない声で鳴いている。
「可哀そうに。ラグダン令息、助けてあげてくれませんか?」
ドレスさえ着ていなければ、もっと言えば猫を被る必要がなければ自力でやったのだが。ここはジュリウスに助けてもらうのが無難だろうと、アリシアは助けを求めた。
「え、え? あ、えと、あの」
ジュリウスが途端にしどろもどろになり、目が泳ぎ始める。ベッドの住人になっている時間の方が長いジュリウスに木など登れるわけがない。
「ラグダン令息?」
早く助けてやれよというアリシアの視線に、ジュリウスはたまらず大声を上げた。
「……で、出来ない!」
「は?」
「出来ない! 僕は木登りなんかしたことが無いんだ!!」
「マジ? 嘘だろ」
アリシアはぽっかりと開いたままの口が塞がらなかった。あのラグダン家の男が、木登り一つ出来ないだなんて事があるのだろうか。
「に゙ゃああ!」
猫が泣き喚く声に我に返ったアリシアは、スカートを一つに纏めて、履いていた靴を脱ぎ棄て木の幹に足をかける。
「わ、わあ! な、なにをしてるんだ!」
「は? 何って、貴方の代わりに猫を降ろしてやるつもりでいるんだが」
貴方が出来ないなら仕方がないだろうと、するすると木の上へ登っていく。枝を踏みぬかないように慎重に歩みを進め、猫の首根っこを掴んだ。
「ふむ、推定二メートル弱。落下時の軽症は免れないか。仕方ない」
子猫を大事に抱えていては自分が猫の二の舞になると判断したアリシアは、母猫のように白猫の首をがぶりと噛んだ。
行きと同じようにするすると、さりとて慎重に地面に降りると口から猫を離し地面に降ろしてやる。
「ぺっぺっ。ほら、もう無謀な事するなよ」
「にゃあん」
白猫はてちてちと草むらの中へ去って行った。残された二人に沈黙が流れる。
「…………マクミラン家の令嬢が、男のような口調で……スカートをたくし上げて木登り。猫を咥えて……」
信じられないものを見たかのようにジュリウスはぶつぶつと現実逃避をしている。その様子を見ていたアリシアは苛立ちを抑えきれなかった。
「言いたいことがあるのなら、はっきり仰ったらいかがですか」
「え、いや……その」
「信じられないのはこちらの方ですよ。ラグダン家の男児ならば、木登りくらいお茶の子さいさいだろうと思っていたのに」
今度はそれに対してジュリウスの苛立ちが募っていく。
「……貴女に、貴女に何が解るんですか! 貴族のご令嬢が男のような口をきいて、はしたなく足を見せて、木登りをして! 好き勝手に生きていて、何が解るんです!!」
ジュリウスはどうあがいても家の望むような男になれないと言うのに、アリシアは己の望むままに振る舞っている。はじめは被っていた猫がすぐに飛んで逃げたのを見れば一目瞭然だ。淑女として育てられながらも、己のままに振る舞っても許されている。きっとそれに対して皆が許しているのだろう。
「好き勝手に生きているだと!? そちらこそ、私の何が解ると言うんだ!!」
女だというだけで、恰好や生き方を強制される。剣を持ってはいけません、ズボンを履いてはいけません、跡継ぎになってはいけません、跡継ぎを産まなければいけません、政に口を出してはいけません、賢くてはいけません、男をたてなければいけません。
どれだけその通りに生きたいと言ってみても、世間がそれを許してはくれない。娘に甘いと言われる両親ですら、アリシアにスカートを履かせて、当主に娘婿をあてようとしているのだ。
それをたかが木に登れないくらいで悲観しやがって偉そうにと、アリシアの怒髪天を衝いた。
「解るわけがないでしょう、自分勝手に生きている貴女の事なんて!」
「それはこちらの台詞だ、たかが木に登れないくらいでめそめそと!」
「木に登れる貴女にとってはたかがでしょうね! ラグダンに生まれながら、木にすら登れない僕の気持ちなど分からないでしょう!」
「ジュリウス!」
「アリシア!」
騒ぎを聞きつけた両家の両親が慌てて駆けよって来る。あわや殴り合いに発展するような状況だったが、二人は引き離され、母親の後ろへと押しやられた。
「申し訳ない、うちの娘はお転婆なんだ」
「いえ、こちらこそ。愚息が侯爵家のご令嬢に失礼な口をききました」
一先ず今回はこれくらいにしようと、ラグダン家はマクミラン家を後にした。
両者待ちに待った顔合わせの日がやって来た。
見目麗しいドレスに着替えさせられたアリシアは、母サリアから今日はお淑やかにしていなさいと言い含められていた。決して、スカートの裾を持ち上げて走ったり、木に登ったり、令嬢らしくない事をしてはならないと。
アリシアとしては、ラグダン家の令息ならば本性を出しても大丈夫なのではないかと思ったが、そこらの乱暴者よりも恐ろしい母を思い出し、大人しくお上品そうにカーテシーを行った。
「ご丁寧にありがとうございます。お初にお目にかかり光栄です、ジュリウス・ラグダンです」
「父に釣書を頂いてから、ずっとラグダン令息にお会いしたかったんです」
お会いできて嬉しいわとアリシアは極上の笑みを浮かべる。真正面から笑顔を受けたジュリウスは、顔どころか耳や首まで真っ赤にした。
(……ああ、なんて可愛い人なんだ。こんなに男らしい顔と体つきだと言うのに、顔中を真っ赤にして。本当に父上は良い縁談を見つけて来てくれたものだ)
ジュリウスの実情など知らないアリシアの目には、彼はとても素晴らしい男性に映っていた。
「お父様、私が令息を庭園に案内してもよろしいでしょうか?」
「……お父様。あ、ああ良いだろう。彼に粗相のないように頼むよ」
「はい、お任せください」
万が一にもこの婚約が流れてはかなわないと、令嬢らしい姿を見せる事にしたアリシアは、ジュリウスを庭園へと案内することにした。
「ここが我が家の主庭で、今はガーベラが多く咲いています。開花の時期には少し早いですけれど、この先を行ったら薔薇で作られたフラワーアーチがあるんですよ」
正直なところアリシアは花になど興味はなかった。ただ美しいだけで、腹は膨れない。それならば野草でも育てて薬にしたり、食べる方がよっぽど益があると考えていた。
しかし、通常の令嬢は美しい花に心躍らせて頬を緩ませるものだ。ならず者も裸足で逃げ出すような母サリアからの教育のおかげで、アリシアは立派に花の名前と花言葉が言えるようになっていた。
こうして麗しい微笑みを浮かべ花を見せてくれるアリシアに、無事ジュリウスの胸は高鳴ったのだ。
「えと、マクミラン令嬢は花に詳しいんですね。お好きなんですか?」
「え、ええ。淑女としての嗜みですから」
そんな嗜みなど知ったこっちゃないのだが、にっこりと笑う。見つめあう二人の耳に「にゃあ」という声が届いた。
「ん、猫?」
「にゃぁ」
近くに植えてある木の上に白い子猫がいた。力量を弁えず登ってみたは良いが、今度は降りられなくなったのだろう。言葉尻が小さく、情けない声で鳴いている。
「可哀そうに。ラグダン令息、助けてあげてくれませんか?」
ドレスさえ着ていなければ、もっと言えば猫を被る必要がなければ自力でやったのだが。ここはジュリウスに助けてもらうのが無難だろうと、アリシアは助けを求めた。
「え、え? あ、えと、あの」
ジュリウスが途端にしどろもどろになり、目が泳ぎ始める。ベッドの住人になっている時間の方が長いジュリウスに木など登れるわけがない。
「ラグダン令息?」
早く助けてやれよというアリシアの視線に、ジュリウスはたまらず大声を上げた。
「……で、出来ない!」
「は?」
「出来ない! 僕は木登りなんかしたことが無いんだ!!」
「マジ? 嘘だろ」
アリシアはぽっかりと開いたままの口が塞がらなかった。あのラグダン家の男が、木登り一つ出来ないだなんて事があるのだろうか。
「に゙ゃああ!」
猫が泣き喚く声に我に返ったアリシアは、スカートを一つに纏めて、履いていた靴を脱ぎ棄て木の幹に足をかける。
「わ、わあ! な、なにをしてるんだ!」
「は? 何って、貴方の代わりに猫を降ろしてやるつもりでいるんだが」
貴方が出来ないなら仕方がないだろうと、するすると木の上へ登っていく。枝を踏みぬかないように慎重に歩みを進め、猫の首根っこを掴んだ。
「ふむ、推定二メートル弱。落下時の軽症は免れないか。仕方ない」
子猫を大事に抱えていては自分が猫の二の舞になると判断したアリシアは、母猫のように白猫の首をがぶりと噛んだ。
行きと同じようにするすると、さりとて慎重に地面に降りると口から猫を離し地面に降ろしてやる。
「ぺっぺっ。ほら、もう無謀な事するなよ」
「にゃあん」
白猫はてちてちと草むらの中へ去って行った。残された二人に沈黙が流れる。
「…………マクミラン家の令嬢が、男のような口調で……スカートをたくし上げて木登り。猫を咥えて……」
信じられないものを見たかのようにジュリウスはぶつぶつと現実逃避をしている。その様子を見ていたアリシアは苛立ちを抑えきれなかった。
「言いたいことがあるのなら、はっきり仰ったらいかがですか」
「え、いや……その」
「信じられないのはこちらの方ですよ。ラグダン家の男児ならば、木登りくらいお茶の子さいさいだろうと思っていたのに」
今度はそれに対してジュリウスの苛立ちが募っていく。
「……貴女に、貴女に何が解るんですか! 貴族のご令嬢が男のような口をきいて、はしたなく足を見せて、木登りをして! 好き勝手に生きていて、何が解るんです!!」
ジュリウスはどうあがいても家の望むような男になれないと言うのに、アリシアは己の望むままに振る舞っている。はじめは被っていた猫がすぐに飛んで逃げたのを見れば一目瞭然だ。淑女として育てられながらも、己のままに振る舞っても許されている。きっとそれに対して皆が許しているのだろう。
「好き勝手に生きているだと!? そちらこそ、私の何が解ると言うんだ!!」
女だというだけで、恰好や生き方を強制される。剣を持ってはいけません、ズボンを履いてはいけません、跡継ぎになってはいけません、跡継ぎを産まなければいけません、政に口を出してはいけません、賢くてはいけません、男をたてなければいけません。
どれだけその通りに生きたいと言ってみても、世間がそれを許してはくれない。娘に甘いと言われる両親ですら、アリシアにスカートを履かせて、当主に娘婿をあてようとしているのだ。
それをたかが木に登れないくらいで悲観しやがって偉そうにと、アリシアの怒髪天を衝いた。
「解るわけがないでしょう、自分勝手に生きている貴女の事なんて!」
「それはこちらの台詞だ、たかが木に登れないくらいでめそめそと!」
「木に登れる貴女にとってはたかがでしょうね! ラグダンに生まれながら、木にすら登れない僕の気持ちなど分からないでしょう!」
「ジュリウス!」
「アリシア!」
騒ぎを聞きつけた両家の両親が慌てて駆けよって来る。あわや殴り合いに発展するような状況だったが、二人は引き離され、母親の後ろへと押しやられた。
「申し訳ない、うちの娘はお転婆なんだ」
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