91 / 105
貴重なものをみすみす渡すわけ、ありませんよ
リーゼロッテの決断 4
しおりを挟む
「リーゼ。無理をしなくていい。ちゃんと、私が何とかするから」
心を決めたリーゼロッテに優しい言葉をかけてくれるベルンハルトの手を握り返した。
先程まで見つめられるのが恥ずかしくて仕方なかったベルンハルトの瞳を、改めて見つめ返す。
「ベルンハルト様。わたくし、大丈夫です。やっと、ベルンハルト様やロイスナーのお役に立てます」
「そ、そのようなことを気にしなくてもよい」
「いいえ。それだけではありません。わたくし、ベルンハルト様に一緒に悩み、一緒に乗り越えたいと、そう申し上げました。それが実現できるんですよ」
まだ涙の残る瞳をそのままに、リーゼロッテは鮮やかに微笑んだ。それは、リーゼロッテが王族らしく作り出す笑顔とは違う。眩しいぐらいに輝いたその顔に、今度はベルンハルトが視線を外さずにはいられない。
「そ、それでも、あんなに嫌がっていたのに」
「えぇ。あの国王のためと思えば、今でも嫌です。それでも、ロイスナーの皆のために、ベルンハルト様のために、わたくしができることはやらないわけには参りません」
「だ、だが……」
「それに、もしわたくしが再び魔力を失ったとしても、皆はわたくしと一緒にいてくださるでしょう? それとも、魔力のなくなったわたくしは今度こそ必要とされなくなりますか?」
「そんなことはない。魔力など無くたって構わない。そのようなもの、必要ない」
「ふふっ。そうですね。ベルンハルト様やレティシアがいらっしゃれば、ロイスナーは平和ですもの。だから、今回の結界だけは、わたくしが何とかします。いつまでも、守られてばかりではいられませんから」
リーゼロッテの決断は固く、もう誰の意見にも揺さぶられることはない。
「わかった。それならば、私も覚悟を決めよう」
「覚悟とは?」
「リーゼが作り出した魔力石。ただ渡すだけではつまらぬ。せっかくの機会をみすみす手放すのももったいないだろう?」
「まぁっ。それもそうですね。いつまでも見下されてばかりはいられません」
顔を見合わせて笑い合う二人を見ながら、驚いた顔をしたのはレティシアだ。
「あ、あなた達でもそんなことを考えるのね」
「おかしいですか?」
「おかしくはないけれど、ちょっと意外で」
「先日国王と謁見してきて、少々腹の虫がおさまらないだけだ」
「そういうことね。ま、その辺りの事情は二人に任せるわ。私ができることは、魔力石を作り出す場所まで案内することぐらいでしょうし」
「それは、どうだろうか」
レティシアのあっさりとした態度に、何やら含みをもたせるような言葉を返したのはベルンハルトだ。
それがどういう意味なのか、何を考えているのか、リーゼロッテには知る由もない。
ただ、間違いなくレティシアにとっても悪い話にはしないだろう。
「どういう意味?」
「なに、うまく算段がつけばそのときには話す。確証がなければ、無駄に期待を持たせるだけだからな」
貴族達を前に自分を隠し、リーゼロッテを前に顔を赤くしていたベルンハルトとは違う。
自分に自信をつけたベルンハルトの、新たな一面にリーゼロッテの心が捕らわれた。
「ふふ。楽しみにしておくわ」
「あぁ。まずは国王に連絡をとらねば。魔力石について、あちらで解決していれば、何も気にする必要はない。アルベルトやヘルムートにも話をしよう。あの二人に隠したままでは、動きづらくて仕方ない。レティシアにはまた連絡する。それまで魔獣の動きを注視しておいてくれないか?」
「わかったわ。連絡を待てば良いのね。良い連絡を待ってるから」
レティシアが来たときと同じように窓から飛び立てば、ベルンハルトがリーゼロッテの様子を伺うように向かい合う。
「リーゼ。あのように言ってしまったが、貴女の気持ちを聞かせてくれないか? リーゼが国王のことをよく思っていないのは知っている。だがそれでも生んで育ててくれた実の両親だ。何の取引もなく魔力石を渡すことだってできる」
「ベルンハルト様。わたくし、ベルンハルト様のやりたいようにやれば良いと思っております。わたくしは、ロイスナーでたくさん素敵な思いをさせていただきました。ですから、ベルンハルト様がロイスナーにとって良いと思う取引をなされば良いと思いますわ」
先程までの自信に満ちた顔を隠したベルンハルトに、リーゼロッテが背中を押した。
「それでは、貴女のためにならないのではないか?」
「そんなことありませんが。そしたら、今度こそ常に側にいさせてください」
「常に?」
「えぇ。ベルンハルト様は再び国王と話をする場を設けられるでしょう? その場にわたくしを参加させていただきたいのです」
「そ、それは構わないが、そのようなことでいいのだろうか」
「もちろんです。そのように大切な場に、わたくしのような者が参加することになったら……ふふっ。国王の顔が見てみたいですわ」
リーゼロッテがベルンハルトに見せたのは、何か企みをたたえ、それでいてどこか晴れやかな顔。
ロイスナーでは誰にも見せないようにと、ひた隠しにしてきた本音。
何があっても自分を受け入れてくれる人がいる。そんな自信が、リーゼロッテから王族らしさを取り外す。
「ははっ。やはりリーゼは大物だな。国王相手にどこまでやれるかわからないが、今度こそ側にいると誓おう」
「うふふ。ありがとうございます」
リーゼロッテはこれまでで一番鮮やかに、そして美しく微笑む。これまでに抱くことのできなかった自信をまとったリーゼロッテは他の何ものよりも美しい。
王城の温室、そこでベルンハルトを魅了した大輪の花は、ロイスナーの城で再び、大きく花開いた。
心を決めたリーゼロッテに優しい言葉をかけてくれるベルンハルトの手を握り返した。
先程まで見つめられるのが恥ずかしくて仕方なかったベルンハルトの瞳を、改めて見つめ返す。
「ベルンハルト様。わたくし、大丈夫です。やっと、ベルンハルト様やロイスナーのお役に立てます」
「そ、そのようなことを気にしなくてもよい」
「いいえ。それだけではありません。わたくし、ベルンハルト様に一緒に悩み、一緒に乗り越えたいと、そう申し上げました。それが実現できるんですよ」
まだ涙の残る瞳をそのままに、リーゼロッテは鮮やかに微笑んだ。それは、リーゼロッテが王族らしく作り出す笑顔とは違う。眩しいぐらいに輝いたその顔に、今度はベルンハルトが視線を外さずにはいられない。
「そ、それでも、あんなに嫌がっていたのに」
「えぇ。あの国王のためと思えば、今でも嫌です。それでも、ロイスナーの皆のために、ベルンハルト様のために、わたくしができることはやらないわけには参りません」
「だ、だが……」
「それに、もしわたくしが再び魔力を失ったとしても、皆はわたくしと一緒にいてくださるでしょう? それとも、魔力のなくなったわたくしは今度こそ必要とされなくなりますか?」
「そんなことはない。魔力など無くたって構わない。そのようなもの、必要ない」
「ふふっ。そうですね。ベルンハルト様やレティシアがいらっしゃれば、ロイスナーは平和ですもの。だから、今回の結界だけは、わたくしが何とかします。いつまでも、守られてばかりではいられませんから」
リーゼロッテの決断は固く、もう誰の意見にも揺さぶられることはない。
「わかった。それならば、私も覚悟を決めよう」
「覚悟とは?」
「リーゼが作り出した魔力石。ただ渡すだけではつまらぬ。せっかくの機会をみすみす手放すのももったいないだろう?」
「まぁっ。それもそうですね。いつまでも見下されてばかりはいられません」
顔を見合わせて笑い合う二人を見ながら、驚いた顔をしたのはレティシアだ。
「あ、あなた達でもそんなことを考えるのね」
「おかしいですか?」
「おかしくはないけれど、ちょっと意外で」
「先日国王と謁見してきて、少々腹の虫がおさまらないだけだ」
「そういうことね。ま、その辺りの事情は二人に任せるわ。私ができることは、魔力石を作り出す場所まで案内することぐらいでしょうし」
「それは、どうだろうか」
レティシアのあっさりとした態度に、何やら含みをもたせるような言葉を返したのはベルンハルトだ。
それがどういう意味なのか、何を考えているのか、リーゼロッテには知る由もない。
ただ、間違いなくレティシアにとっても悪い話にはしないだろう。
「どういう意味?」
「なに、うまく算段がつけばそのときには話す。確証がなければ、無駄に期待を持たせるだけだからな」
貴族達を前に自分を隠し、リーゼロッテを前に顔を赤くしていたベルンハルトとは違う。
自分に自信をつけたベルンハルトの、新たな一面にリーゼロッテの心が捕らわれた。
「ふふ。楽しみにしておくわ」
「あぁ。まずは国王に連絡をとらねば。魔力石について、あちらで解決していれば、何も気にする必要はない。アルベルトやヘルムートにも話をしよう。あの二人に隠したままでは、動きづらくて仕方ない。レティシアにはまた連絡する。それまで魔獣の動きを注視しておいてくれないか?」
「わかったわ。連絡を待てば良いのね。良い連絡を待ってるから」
レティシアが来たときと同じように窓から飛び立てば、ベルンハルトがリーゼロッテの様子を伺うように向かい合う。
「リーゼ。あのように言ってしまったが、貴女の気持ちを聞かせてくれないか? リーゼが国王のことをよく思っていないのは知っている。だがそれでも生んで育ててくれた実の両親だ。何の取引もなく魔力石を渡すことだってできる」
「ベルンハルト様。わたくし、ベルンハルト様のやりたいようにやれば良いと思っております。わたくしは、ロイスナーでたくさん素敵な思いをさせていただきました。ですから、ベルンハルト様がロイスナーにとって良いと思う取引をなされば良いと思いますわ」
先程までの自信に満ちた顔を隠したベルンハルトに、リーゼロッテが背中を押した。
「それでは、貴女のためにならないのではないか?」
「そんなことありませんが。そしたら、今度こそ常に側にいさせてください」
「常に?」
「えぇ。ベルンハルト様は再び国王と話をする場を設けられるでしょう? その場にわたくしを参加させていただきたいのです」
「そ、それは構わないが、そのようなことでいいのだろうか」
「もちろんです。そのように大切な場に、わたくしのような者が参加することになったら……ふふっ。国王の顔が見てみたいですわ」
リーゼロッテがベルンハルトに見せたのは、何か企みをたたえ、それでいてどこか晴れやかな顔。
ロイスナーでは誰にも見せないようにと、ひた隠しにしてきた本音。
何があっても自分を受け入れてくれる人がいる。そんな自信が、リーゼロッテから王族らしさを取り外す。
「ははっ。やはりリーゼは大物だな。国王相手にどこまでやれるかわからないが、今度こそ側にいると誓おう」
「うふふ。ありがとうございます」
リーゼロッテはこれまでで一番鮮やかに、そして美しく微笑む。これまでに抱くことのできなかった自信をまとったリーゼロッテは他の何ものよりも美しい。
王城の温室、そこでベルンハルトを魅了した大輪の花は、ロイスナーの城で再び、大きく花開いた。
22
あなたにおすすめの小説
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?
向原 行人
ファンタジー
第三王子が趣味で行っている冒険のパーティに所属するマッパー兼食事係の私、アニエスは突然パーティを追放されてしまった。
というのも、新しい食事係の少女をスカウトしたそうで、水魔法しか使えない私とは違い、複数の魔法が使えるのだとか。
私も、好きでもない王子から勝手に婚約者呼ばわりされていたし、追放されたのはありがたいかも。
だけど私が唯一使える水魔法が、実は「飲むと数時間の間、能力を倍増する」効果が得られる神水だったらしく、その効果を失った王子のパーティは、一気に転落していく。
戻ってきて欲しいって言われても、既にモフモフ妖狐や、新しい仲間たちと幸せな日々を過ごしてますから。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
婚約者を姉に奪われ、婚約破棄されたエリーゼは、王子殿下に国外追放されて捨てられた先は、なんと魔獣がいる森。そこから大逆転するしかない?怒りの
山田 バルス
ファンタジー
王宮の広間は、冷え切った空気に満ちていた。
玉座の前にひとり、少女が|跪い《ひざまず》ていた。
エリーゼ=アルセリア。
目の前に立つのは、王国第一王子、シャルル=レインハルト。
「─エリーゼ=アルセリア。貴様との婚約は、ここに破棄する」
「……なぜ、ですか……?」
声が震える。
彼女の問いに、王子は冷然と答えた。
「貴様が、カリーナ嬢をいじめたからだ」
「そ、そんな……! 私が、姉様を、いじめた……?」
「カリーナ嬢からすべて聞いている。お前は陰湿な手段で彼女を苦しめ、王家の威信をも|貶めた《おとし》さらに、王家に対する謀反を企てているとか」
広間にざわめきが広がる。
──すべて、仕組まれていたのだ。
「私は、姉様にも王家にも……そんなこと……していません……!」
必死に訴えるエリーゼの声は、虚しく広間に消えた。
「黙れ!」
シャルルの一喝が、広間に響き渡る。
「貴様のような下劣な女を、王家に迎え入れるわけにはいかぬ」
広間は、再び深い静寂に沈んだ。
「よって、貴様との婚約は破棄。さらに──」
王子は、無慈悲に言葉を重ねた。
「国外追放を命じる」
その宣告に、エリーゼの膝が崩れた。
「そ、そんな……!」
桃色の髪が広間に広がる。
必死にすがろうとするも、誰も助けようとはしなかった。
「王の不在時に|謀反《むほん》を企てる不届き者など不要。王国のためにもな」
シャルルの隣で、カリーナがくすりと笑った。
まるで、エリーゼの絶望を甘美な蜜のように味わうかのように。
なぜ。
なぜ、こんなことに──。
エリーゼは、震える指で自らの胸を掴む。
彼女はただ、幼い頃から姉に憧れ、姉に尽くし、姉を支えようとしていただけだったのに。
それが裏切りで返され、今、すべてを失おうとしている。
兵士たちが進み出る。
無骨な手で、エリーゼの両手を後ろ手に縛り上げた。
「離して、ください……っ」
必死に抵抗するも、力は弱い。。
誰も助けない。エリーゼは、見た。
カリーナが、微笑みながらシャルルに腕を絡め、勝者の顔でこちらを見下ろしているのを。
──すべては、最初から、こうなるよう仕組まれていたのだ。
重い扉が開かれる。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
無能だと思われていた日陰少女は、魔法学校のS級パーティの参謀になって可愛がられる
あきゅう
ファンタジー
魔法がほとんど使えないものの、魔物を狩ることが好きでたまらないモネは、魔物ハンターの資格が取れる魔法学校に入学する。
魔法が得意ではなく、さらに人見知りなせいで友達はできないし、クラスでもなんだか浮いているモネ。
しかし、ある日、魔物に襲われていた先輩を助けたことがきっかけで、モネの隠れた才能が周りの学生や先生たちに知られていくことになる。
小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる