世界樹の麓に

関谷俊博

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勝敗

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あくる日の理沙は上機嫌だった。
それでも絵を描いていたときは、さすがにおとなしくしていたが、ふたりをおくっていくため、高杉さんのマンションをあとにしたとたん、それまでおさえていた言葉が、いっきにあふれだした。 
「ふふっ、先生とデートしちゃった」
理沙のおしゃべりはとまらなかった。デートのさいに、高杉さんがこんなことをいった…あんなこともいった…服のコーディネートが素敵で…とても高そうな靴をはいていて…。
高杉さんのようすを、理沙はくりかえし話した。それは僕ではなく、おもに美咲に語ってきかせているようだった。
「こんどは先生がわたしにおごって。そういったら、すごく困った顔してた。かわいいの」
画家としての才能では美咲に負けても、女性としては美咲に勝った。
そんなことを理沙は考えていたのかもしれない。
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