世界樹の麓に

高杉さんにかけられた嫌疑は「強制わいせつ罪」というものだった。「高杉さんに乱暴された」と理沙が訴えたのだ。
高杉さんと理沙が、外で会ったのは事実だ。はためには確かに恋人どうしにみえたことだろう。だけどそれも、二度か三度のことだ。僕にはわかる。自分の手に入らないなら、いっそのこと壊してしまおう。そう理沙は考えたのだ。
証拠不十分で起訴はされなかったが、マスコミは「堕ちた天才画家」として騒ぎたてた。そして高杉さんは画壇から追放された。
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